Web広告やSNS広告の発達で、店舗集客には多種多様な広告手法が使えるようになりました。一方で店舗集客においてはオフライン広告の効果もいまだ健在です。それぞれの手法のメリット・デメリットと、あなたの店舗に集客するためにどの手段がよいのか知りたい方が多いと思います。
この記事では、まず店舗集客に代表的な広告手法を、Web、SNS、オフラインの施策カテゴリーに分けて9つ紹介します。その上で、あなたの店舗に集客するための手法を決める3つのポイントを解説します。
1.店舗集客の効果的な手法9選
デジタル広告の発達で、店舗集客に使える広告手法は多様化しています。まずは、店舗集客の効果的な方法9つの特徴や活用のポイントと、それらのメリット・デメリットをご紹介します。
手法 | サービス例 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|
Webを活用する施策 | (1)ポータルサイトへの掲載 | ・「食べログ」 ・「EPARK」 ・「スーモ」 | ・強い見込み客を集客 ・検索上位に早く上がれる | ・公式HPと競合する |
(2)公式HP&Web広告 | ・WordPress ・Wix ・ペライチ ・Google広告 ・Yahoo!広告 | ・信用獲得につながる ・クリエイティブの幅が広い | ・ゼロから集客する必要がある ・離脱率の低いサイトを作るのにはコツがいる | |
(3)ブログ | ・はてなブログ ・Livedoorブログ ・WordPressなどCMSの活用 | ・費用が掛からない ・集客とファン化両方に効果がある | ・成果が出るまで時間がかかる | |
SNSを活用する施策 | (4)個人あてにメッセージを送るツール | ・LINE ・Messenger | ・安価に行えて即効性が高い ・リマインド効果を発揮 | ・ブロック率が高い ・会員を集めるのが大変 |
(5)拡散を狙うツール | ・Instagram ・Tik Tok | ・費用がかからない ・見込み客と直接コミュニケーションをとれる | ・更新頻度を高くしないと埋もれる ・即効性が低い | |
オフライン広告を活用する施策 | (6)ポスティングチラシ | ・全戸ポスティング ・集合住宅向けポスティング ・戸別ポスティング ・新聞非購読者向けポスティング | ・エリア当たりの配布を細かく指定できる ・エリア当たり到達数が多い ・幅広い層に届きやすい | ・クレームが起きやすい |
(7)折込チラシ | ・新聞朝刊チラシ ・新聞夕刊チラシ ・フリーペーパー折込 ・商品同梱チラシ | ・一日当たり到達数が大きい ・高齢者富裕者層に強い | ・若年層に届きにくい | |
(8)フリーペーパー | ・地域新聞 ・ぱど ・あんふぁん | ・読者層にターゲティングできる ・タイアップ記事を書いてもらえる | ・都市圏での発信力が弱くなっている | |
(9)ダイレクトメール | ・ゆうメール ・「クロネコDM便」のような宅配大手が配達するもの ・「静岡メール便」のような新聞配達店が配達するもの | ・既存のお客様の手に取ってもらいやすい ・内容の自由度が高い | ・配布単価が高い |
Webを活用する手法
店舗への集客につなげるためのWebを活用した施策は、サービス検討にWeb検索が当たり前となった近年では比較的メジャーな手法です。まずはWebを活用する3つの手法についてご紹介します。
(1)ポータルサイトへの掲載
ポータルサイトを活用する手法は、手軽に店舗情報へのアクセスを増やす効果が見込めます。例えば、飲食店の場合「ぐるなび」「食べログ」に店舗情報を掲載する、といったことです。ポータルサイトとは、特定の分野に特化した店舗の情報が集まり、レビューなどで比較検討できるサイト。飲食のほかにも、不動産、病院、ペットなどさまざまなジャンルで存在します。Webを活用する店舗集客手段としては、一般的に最優先で実施されています。
▼ポータルサイト活用のメリット
・検索上位に早く上がりやすい
ポータルサイトを活用するユーザーは、特定のジャンルのお店を比較検討している状態です。つまり、見込み度合いが高いと言い換えられます。こうしたユーザーに対して適切に情報を提供することで、早く集客につなげられます。また、ポータルサイトは検索対策を強力に行っているため、新店でも早く検索上位に上がりやすいと言われています。
▼ポータルサイト活用のデメリット
多くのポータルサイトは、検索サイトで公式ホームページより上位に表示されがちです。これにより店舗のことを検索したユーザーがポータルサイトに入ってしまい、余計な送客費用がかかることがあります。
(2)公式ホームページ作成&Web広告出稿
Web広告を出稿する手法は、公式ホームページ(HP)への見込み顧客の来訪数アップが見込めます。ここで言う見込み顧客とは、自店舗のサービスに関連する情報をWebで収集するユーザーです。Web広告の代表例としては、検索広告やバナー広告が挙げられます。
HPの作成は素人に難しいイメージが持たれがちですが、テンプレートやブログサービスを活用すると簡単にできます。例えば、Word Press、Wix、ペライチといったサービスが有名です。また、Web広告の出稿もGoogle広告などで簡単に行えます。ただし、見た目にこだわりたい、成果が早くほしい、といった希望がある場合はプロに依頼するのが賢明です。
▼公式HP作成&Web広告出稿のメリット
・信用獲得につながりやすい
公式HPでの情報発信は、ポータルサイトやSNSのようにフォーマットに従う必要がない分、表現の幅が広いと言えます。また、公式HPはユーザーからの信用獲得に役立ちます。一定数のユーザーは、ポータルサイトで見かけた店舗をWebで検索し、公式サイトの有無を確認します。そのときに公式サイトがあると、少なくとも店舗が存続していると分かって安心してもらえますし、「HPがあるということはちゃんとしたお店なんだな」と思ってもらえます。
▼公式HP作成&Web広告出稿のデメリット
・離脱の低いサイトを作るのにコツがいる
公式HPを効果的に活用するためには、認知拡大が必要です。基本的にHPを作っただけでは来訪者を望めません。そのため、広告出稿によるHPへの地道な集客活動が求められます。また、ユーザーは、サイト内に欲しい情報がない場合にすぐに離脱してしまう傾向があります。広告をきっかけにサイトに誘導できても、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを用意しなければ、広告が無駄になってしまいます。
(3)ブログ
ブログを活用する手法は、自店舗のHPを検索エンジンの上位に表示できる、メール・SNS会員にアクセスを促して頻繁に最新情報を伝えられる、といった効果が見込めます。
▼ブログ活用のメリット
・集客とファン化両方に効果がある
ブログに記事を投稿すること自体に費用はかかりません。読者にとって価値ある記事を頻繁に投稿できればそれによって検索エンジンが「このサイトは有益だ」と判断し、上位表示できれば集客につながります。また、配信する記事をいつも読んでくれる方は、店舗のことをよく覚え、ファンになってくれます。
▼ブログ活用のデメリット
検索エンジンの上位表示を狙うためには、プロのアドバイスがあっても半年程度はかかります。仮に発信する情報を会員向けに絞ったとしても、その会員を集めるまでにある程度時間が必要です。自身でブログを活用する場合は、書き続ける根気と発信するネタが不可欠と言えます。
SNSを活用する手法
店舗への集客につなげるためのSNSを活用した施策は、費用をあまりかけずに行うことができますし、ほとんどの人がSNSに触れている今不可欠な方法です。SNSを活用する方法について、大きく2つの種類に分けてツールをご紹介します。
(4)個人あてにメッセージを送るツール
SNSにはLINE、Messenger、Twitterのダイレクトメールなど登録された会員に対し個別にメッセージを送ることで、来客を促す効果を見込めるものがあります。メッセージの内容は、セール情報やクーポンなどです。また、過去来てくださったお客様に対して送付することで、休眠顧客の掘り起こしにもつながります。
▼個人あてにメッセージを送るツール活用のメリット
・繰り返し送ることでリマインド効果も期待できる
多くのサービスは一定数までの送信を無料としており、有料のものでも単価が低いものが多いです。当社はグループ会社にボウリング場を有していましたが、LINEによるクーポン送信は3~4日で成果が出ていました。またしばらく来られていなかったような方でもふとメッセージを見てきてくださることがあり、過去来てくださった顧客の掘り起こしができました。
▼個人あてにメッセージを送るツール活用のデメリット
・そもそも会員数を集めるのが大変
販促関連のアカウントは一度登録して「非通知」などの設定で届かないようにする方も多く、あまり頻繁に送ると登録数に占める非通知設定の割合(ブロック率)が高くなるので注意しましょう。また数千の会員がいないと効果が実感しづらい手法です。育てるのに短くても3カ月、通常半年くらいはかかると考えて良いでしょう。
(5)拡散を狙うツール
SNSにはInstagram, Twitter, Tik Tok、Facebookのように拡散を狙え、そこから費用をかけずにお店のファンを増やせる、集客につなげられる、といった効果が見込めます。ハッシュタグをつけて、フォロー&RTキャンペーン、おしゃれな写真や作りこんだ漫画・動画の添付、笑える投稿などを行って拡散を狙います。
▼拡散を狙うツールを活用するメリット
・見込み客と直接コミュニケーションをとれる
「バズる」投稿を考えるのは難しいですが、少なくとも「いいね」や「RT」をしてくれたユーザーのフォロワーにまでは無料で投稿が届きます。ユーザーから「自慢したい」「応援したい」と思われる投稿が何か、自社のことを写真などで紹介してくれそうな仕組みが作れないか考えましょう。また、自店舗のことをハッシュタグで取り上げてくれるユーザーをフォローしたり、リプライでコミュニケーションをとったりすることで、見込み顧客の趣味や嗜好を知れて、深いユーザー理解に基づいた施策を打てるようになります。
▼拡散を狙うツールを活用するデメリット
・集客につなげるには即効性が低い
見込み顧客のタイムラインには大量の情報が流れており、店舗の情報に気づいてもらうには根気よく投稿を続ける必要があります。また、エンターテイメント・飲食関連サービスは、「拡散された割に売り上げにつながらない」場合が多いとも言われています。
一般的に、「写真を撮る」「感想を共有する」行動につながりやすいサービスや商品、「ついで買い」で買われるスナックのような商品にはSNS投稿の効果があるとされています。ただし、集客についてはじわじわと効果が出るものだと考えて行いましょう。
オフライン広告を活用する施策
店舗への集客につなげるためのオフライン広告を活用した施策は、伝統的な手法ですが、デジタル施策がとかく取り上げられがちな今、逆にうまく活用できれば競合と差をつけやすい手法になってもいます。ここではWeb広告やSNS広告とも比べたメリット・デメリットを意識しつつ、オフライン広告の4つの手法についてご紹介します。
(6)ポスティングチラシ
ポスティングチラシはポストにチラシを配布する広告手段で、店舗の商圏にある見込み顧客の来客効果が見込めます。自分でまくこともできますが、とても時間がかかるので専門業者に任せることをおすすめします。最近では一斉配布だけでなく、集合住宅向けのポスティング、戸建て向けのポスティング、新聞無読層向けのポスティングなどのサービスも出てきています。
▼ポスティングチラシ活用のメリット
・エリア当たりの到達数が多い
・幅広い層に届きやすい
多くのポスティングサービスは配布エリアを町丁目単位で指定できます。またほかのデジタルの手段と比べても町丁目あたりに届けられる到達数が高く、もし自店舗の商圏がそれほど広くない場合は特に有効な手段になります。メディア特性上、年齢性別問わず広く届けられますが、ある程度絞り込みたい場合は「ポスティング・オリコミ・プランナー」を使えば「20代女性・理美容消費多め」のようなターゲットを絞った配布計画ができます。
なお、ポスティングチラシには成果を上げるためのコツがあります。詳しくは「ポスティングで成果を上げるコツ16選!業者選びや便利グッズも」で解説しています。
▼ポスティングチラシ活用のデメリット
一部の住宅ではポスティングを禁止しているところがありますが、こういったところに間違えてポスティングをしてしまいクレームにつながってしまうことがあります。ポスティングにまつわるトラブルについては「ポスティングは違法?トラブルを避けるコツも紹介」で詳しく解説しています。
(7)折込チラシ
一般に折込チラシは新聞にチラシを折り込む手法を指し、新聞読者やその家族がチラシを見て来客する効果が見込めます。なお、新聞以外のメディアにチラシを折り込む方法もあります。折込チラシの活用については「折込チラシとは?メリットや費用相場、ポスティングとの違いを解説!」の記事で詳しく解説しています。
▼折込チラシ活用のメリット
・高齢者富裕者層に強い
たとえば静岡県では一日90万枚程度の折込チラシ配布を行うことができ、「明日の売り上げがほしい」という状況ではエリア当たりのリーチが大きく、強い味方になります。また、今新聞を購読している層は高齢者か会社上席などの富裕者層が多いのでこうした層にメッセージを届けたいときには有効な手段となります。
▼折込チラシ活用のデメリット
特に都市圏では若者の購読率が下がってきており、これに伴い折込チラシも若者に届きにくくなっています。地方紙が強いエリアではこれが当てはまらないこともあるので、ぜひ自店舗エリアの状況を調べてみてください。
(8)フリーペーパー
フリーペーパーは無料で配布している雑誌やタブロイドのことで、フリーペーパーの読者が自店舗に興味を持って来客する効果が見込めます。ラックに置かれていたり、ポスティングされたりします。一昔前まではクーポンと枠広告が主体のものが多かったですが、最近はプロのライターが店舗情報やサービスをフリーペーパーの世界観と合わせて紹介してくれるタイアップ記事や特集が主体になっていることが多いです。
▼フリーペーパー活用のメリット
・タイアップ記事をそのフリーペーパーのライターに書いてもらえる
フリーペーパーには、主婦層、ペットのいる層、住宅を検討している層、といった特定のターゲットが設定されています。こうしたターゲット層が定期的に読む習慣を持っていることが多く、自店舗の狙うターゲットに合わせて情報を届けられます。また、出稿後も繰り返し使える質の高い紹介記事を手に入れられます。多くは普通の広告より表現力が高く、第三者的な視点で書かれていて「押しつけ」度が低いので自然に手に取ってもらいやすいです。
▼フリーペーパー活用のデメリット
かつては地下鉄の通り道などによくラックが多く設置されていましたが、大手のフリーペーパー業者がデジタル媒体主体に移行したことによりこうしたラックも減ってきました。逆にニッチジャンルや地方などで強い媒体になってきている印象を受けます。
(9)ダイレクトメール
ダイレクトメールとは顧客リストに対して郵便物を送る広告手段で、受け取った見込み顧客が中身をチェックして来客する効果が見込めます。
▼ダイレクトメール活用のメリット
・内容の自由度が高い
郵便物を家でチェックする習慣を持っている人は多いので、ダイレクトメールを家で読んでもらえる可能性も高くなります。封筒の中に入れられるものであればさまざまなクリエイティブの工夫ができ、内容の自由度が高い媒体と言えます。
近年はデジタル技術を活用したダイレクトメールの機能の幅が広く、例えば、動画プレイヤーつきのものや、会員全員にそれぞれ紹介するサービスを変えられるものなどがあります。他にも最近では、感染症対策に活用できるマスクを同封したダイレクトメールが好評であるようです。こうした工夫は是非DMを専業にしている印刷会社さんに問い合わせることをおすすめします。
▼ダイレクトメール活用のデメリット
印刷に加えて、封筒への封入封緘や配達コストがかかってきます。一定以上の通数であれば、「」のような宅配大手、「静岡メール便」のような新聞配達員が配達しているメール便を活用したり、封入封緘を機械化できる会社に委託したりすることでこうしたコストを下げられます。
2.店舗の集客方法を決めるときの3つのポイント
ここまでは、店舗集客に使える広告手法を紹介してきました。ここからは、自店舗における「商圏」「ターゲット」「広告予算」に応じた手法の選び方について解説します。各手法に飛びつく前に、制約の中で最も効果的な広告手法の組み合わせを考えましょう。
商圏に合致している
店舗の集客方法を決める時は、リーチ数とターゲティングの細かさを事業や広告の意図に合ったものにするために、事業の商圏に適合した手法を選ぶことが重要です。商圏とは、自店舗への来店を見込める顧客が住んでいる範囲のことです。店舗の集客に向いている手法は、商圏の規模によって以下のように異なります。
▼商圏別に適した手法
・商圏が5km以上の場合:絞れるWeb広告
・都道府県単位まで広がっている場合:TVCM等マスメディアを使った広告
多くの場合、リーチの広さとターゲティングの細かさは反比例する傾向があります。なお、店舗への集客方法を決める前に、まずは自店舗の商圏を把握しておきましょう。以下は、業種・店舗形態別の商圏の一例です。
▼業種・店舗形態別の商圏の例
・飲食店:~500m(移動手段は徒歩)
・ファミリーレストラン:~3km(移動手段は車)
・大型小売店、GMS、ショッピングセンターなど:~10km(移動手段は車)
・郊外型ドラッグストア:2~5km(移動手段は車)
商圏を考えるときは、主要な来客手段を用いた場合の範囲を設定しましょう。上記の例では、店舗を中心とした距離で表しましたが、「車で10分以内」といったように移動時間を基準として設定しても良いでしょう。また、商圏分析ツールの活用もおすすめです。総務省が無料で公開しているjSTAT MAP *を使うと地域の属性などを調べられます。
*参考:e-Stat|地図で見る統計(統計GIS)
ターゲットに接触しやすい
店舗の集客手法を決めるときは、できるだけ多くの見込み顧客にメッセージを届けるために、ターゲットに接触しやすい手法を選ぶことが重要です。このとき、最初に新規顧客を対象にしたいのか、既存顧客を対象にしたいのかを分けて考えてください。思ったような効果が得られない場合、分けずに選んでいるケースがよくあります。
新規顧客の場合、「30代女性、ファッション感度が高く、子供が二人いて・・・」というように具体的なターゲット層を想定します。その上で、ターゲットに合ったメディアを考えます。
▼新規顧客向けのメディア選定例
・中高年向け:ポスティングチラシ、Facebookなど
・主婦層やファミリー層向け:ポスティングチラシ、フリーペーパー、Instagramなど
・独身男性向け:Twitter, Instagramなど
・若い女性向け:Instagram, Twitterなど
・中高生向け:TikTok, Twitter, Instagramなど
・年代で区切らず、商圏内全員に配布したい:ポスティングチラシで全域配布
SNSにはそれぞれ得意とするユーザー像があります。フリーペーパーも上記表では主婦層・ファミリー層に挙げましたが、各紙ごとにターゲットが異なるので、想定ターゲットが読者層と合致しているかをより詳細に検討します。「商圏内全員」をターゲットにしたい場合は、ポスティングで全戸配布を検討してください。年齢層で区切らず「この業種に興味がある人向け」で考えるならその業種にあったポータルサイトを検討できます。
既存顧客の場合、手法を「決める」「選ぶ」というよりはコストや労力が許す限り全てやるという考え方で臨むことをおすすめします。手法を決める前に、普段の店舗運営の中で会員情報が集まる仕組みを作ります。Instagram、Twitter、LINEなどのSNS会員を決済の時に募る仕組みや、アンケートやイベントなどで氏名、住所やメールアドレスが集まる仕組みを作ります。その上で、コストがかからない手段から順に整備・実施していきます。下記のような手順がおすすめです。
▼既存顧客向けの整備手順例
2.拡散を狙うツールの整備:ブログの整備で作ったコンテンツをもとに拡散を狙うツールで発信します。例えばブログ記事を切り取ったりして発信できます。こちらも、コストはあまりかかりません。
3.ダイレクトメールの整備:上記の手法で好評だったコンテンツをもとに、ダイレクトメール用のコンテンツを作り込みます。配送料などのコストはかかりますが、すでに検証済みのコンテンツであれば効果は見込めます。
ブログに最初に取り組むことで、各SNSで紹介する有効なネタを用意する習慣も自然にできてきます。最近は、デジタルの手法に取り組む店舗が増えた分、ダイレクトメールまで取り組む店舗が減っています。そのため、ダイレクトメールによる施策まで実施できれば見込み顧客と強いつながりを持てるでしょう。
広告予算に見合った効果が見込める
店舗の集客手法を決めるときには、広告予算に対して事業の利益に見合った効果が見込めるかどうかを考えます。一般的に、費用が高い集客手法は即効性が高く、低い広告はじわじわと効果を発揮する傾向があります。売り上げを重視すると、費用が多少かかっても即効性の高い手法を中心に取り組みたくなります。また、費用を抑えることだけを考えると、じわじわと効果発揮する手法だけ使いたくなります。ただし、実際にはかけられる予算内で一番良い組み合わせを考える必要があります。そのときは、1顧客当たりの獲得予算が、1顧客当たりの年間利益を下回るように組み合わせを考えます。
▼1顧客当たりの獲得予算と1顧客当たりの年間利益を算出する方法
年間で使える広告予算と、年間で獲得したい顧客数を考えた上で、以下の計算式で算出します。
計算式:1顧客獲得予算=年間広告予算÷年間獲得顧客目標数
2.1顧客当たりの年間利益を算出する
店舗の客単価と年間の来客回数、継続率、利益率を考えた上で、以下の計算式で算出します。
計算式:1顧客当たりの年間利益=客単価×年間来客回数×継続率×利益率
継続率については、顧客10人中の年間利用者の割合を考えてみましょう。6人なら60%、1人なら10%といった形です。1年分のデータがない場合、目標値で考えてみましょう。
上記の計算式で算出した結果、「1顧客当たりの獲得予算<1顧客当たりの年間利益」になっていなければ広告投資はずっと赤字になってしまいます。
そのため、上記のような手順で「1顧客当たりの獲得予算」「1顧客当たりの年間利益」を考えた上で、費用は抑えられる一方で効果が出るまで時間がかかる既存顧客向けのブログ配信か、費用はかかるが即効性が出やすい新規顧客向けのポスティングチラシ・Web広告か、といった組み合わせを考えていきます。
3.まとめ
この記事では、まず店舗集客に代表的な広告手法を、Web、SNS、オフラインの施策カテゴリーに分けて9つ紹介し、自店舗に集客するための手法を決める3つのポイントを解説しました。見込み顧客に刺さる手法を適切に選べれば、必ず成果が出ます。各手段の特性をよく把握して、お店にお客様が殺到するような広告展開を行いましょう!