曖昧なチラシ制作スケジュールは失敗する! その理由と回避するコツも

チラシの効果を高めるにはチラシの内容だけではなく、配布時期やタイミングも重要となります。適切なタイミングでのチラシ配布には計画的な制作スケジュールが必要となりますが、失敗しないためにはどういったスケジュールで制作に取り組めば良いのか分からない方も多いのではないのでしょうか。

この記事ではチラシ制作スケジュールの必要性や失敗事例を解説するとともに、失敗を回避するためのコツも紹介します。

1. チラシの制作スケジュールを曖昧にしてはいけない2つの理由

チラシの制作スケジュールは、実際の作業に必要な時間を把握していないと曖昧になりが
ちです。まずは、なぜスケジュールを曖昧にしてはいけないのか、その理由について以下
で解説していきます。

(1)最適なタイミングでチラシ施策を実行するため
(2)QCDのバランスが取れたチラシを制作するため

(1)最適なタイミングでチラシ施策を実行するため

チラシの配布効果を高めるには、最適なタイミングで配布を実施することが重要です。曖
昧なスケジュールを組んでしまうと配布日までにチラシ制作が間に合わない、といったよ
うに最適な配布タイミングを逃す可能性が高くなります。

なぜタイミングが重要なのかと言いますと、チラシの多くはオープン告知や、期間限定の
セール情報などが掲載されており、集客のタイミングに間に合うよう届ける必要があるか
らです。

そのためこちらの狙ったタイミングでチラシを読み手に届けるためには、制作スケジュー
ルを組み立て、計画的に進行を管理する必要があるのです。

チラシが配布に至るまでには「原稿制作」「印刷」「配布」のフェーズがあり、各フェー
ズによって関係する業者が異なりますので、各々とのスケジュール調整が必要です。それ
をまとめて全体スケジュールとして組み立てることが、最適なタイミングでチラシを配布
することにつながります。

▼原稿制作から配布までの流れ

上記図のような流れでチラシの制作から配布に至るまで、およそ1カ月前後の期間がかか
るのが一般的です。最適なタイミングでチラシ施策を実行するためには各フェーズでどの
程度の期間を要するのか把握しておくべきです。イメージとして下記のスケジュール例を
参考にしてください。

▼チラシの原稿制作から配布までのスケジュール例

上記はチラシの原稿制作から配布までのスケジュール例です。左から順に工程が進み、制
作のフェーズごとに色分けしています。「原稿制作」に3週間、「印刷」に10日間、「配
布」に3日間をかける想定で、各工程の日付は開始日/実施日のイメージです。

このように各フェーズでかかる期間が異なり、途中で進行の遅れが発生する場合もありま
すので、スケジュールは余裕を持って組み立てると安心です。また各フェーズを担当して
もらう、「原稿制作会社」「印刷会社」「配布会社」を事前に選定しておくことも、より
スムーズな進行につながります。

(2)QCDのバランスが取れたチラシを制作するため

スケジュールをしっかりと組み立てることは、QCDのバランスを取るために不可欠な要素
となります。

QCDとはQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字を並べたもので、この3
つはチラシ制作においても重要な要素となります。そしてこの3要素はそれぞれ相互に関
係し合っているので、1つの要素に集中してしまうと別の要素に悪い影響を与えてしまい
、十分な成果を得ることができません。そのため各要素同士が互いに悪影響を及ぼさない
程度のバランスを考える必要があります。下記はチラシ制作におけるQCDの関係性を示し
た図となります。

例えばスケジュールを明確に設定することで、そこに間に合うような品質のレベルを設定
できます。逆に求める品質のレベルを設定することで、現実的なスケジュールを設定でき
ます。これは費用に関しても同様の関係にあります。

3つの要素それぞれに望ましいレベルを設定し、各要素同士のバランスを調整することで
、合理的なチラシ制作が可能となります。

2.チラシ制作のスケジュールが適切でないときの失敗例3選

ここではチラシ制作のスケジュールを曖昧にしたことで起こりうる失敗を具体例とともに
解説します。

(1)狙ったチラシ配布日に配れない

チラシ原稿制作の期間はデザインの修正や追加要素の発生により遅延が生じやすく、適切
なスケジュールを組み立てていないと計画通りに配布できなくなります。その結果、最も
効果的な配布タイミングを逸してしまい、反響率も下がってしまいます。

ここでは飲食店のオープン告知のケースで考えてみましょう。

▼チラシ制作スケジュール設定の具体例
飲食店Aの新規出店に伴い、オープン告知を新聞折込によるチラシ施策で実施。4/15(土)のオープンに合わせ、店舗の認知拡大とお客様が来店する予定を立てやすいよう、2週間前の4/1(土)に新聞折込を実施するという計画です。

新店舗オープンに合わせた配布日だけが決められ、下記のように「チラシ原稿制作」と「
印刷」の期間を、およそこのくらいでできるだろうと曖昧なスケジュールに設定してしま
いました。

1章でも説明しました通りチラシの原稿制作から配布まで1カ月前後かかるのが一般的です
ので、少しタイトなスケジュールであることが分かります。

仮に上記のようなスケジュールなら、原稿制作のフェーズで当初想定していなかったデザ
インの修正やクーポンの追加などで時間がかかってしまい、校了までの期間が伸びてしま
います。それを受け「印刷」の日程もずれ込み、当初の折込日4/1には間に合わず、オー
プン初日4/15の配布となってしまいます。

各フェーズの日程の見積りが適切でないと、最適のタイミングで配布することができず、
来店者数は期待を大きく下回る結果となります。

(2)チラシに載せたかったことが載せられない

スケジュールをタイトに設定してしまった場合は、チラシの内容が不十分なまま配布する
ことになりがちです。

チラシの配布日を守るためには印刷・配布の日程はずらせない、といったケースが多く、
チラシの原稿作成期間を短縮しがちです。そして、大抵の場合、原稿内容について後から
盛り込みたかった情報が追加で出てくるため、原稿作成のスケジュールに余裕がないと、
載せたいことが載せられなくなります。

その結果チラシ内容が読み手に響かず、反応の得られないチラシ施策となってしまいます

ここでは一度できあがった原稿①に対し、原稿②のように加筆修正したかったというケー
スをご紹介します。

▼飲食店オープンチラシ原稿の具体例

例えば、チラシ原稿制作を依頼して、初稿としてあがってきた①案が、思ったよりシンプ
ルで、自店のカラーをより明確に打ち出したいケースです。この場合、少なくとも「キャ
ッチコピー」「クーポン」「QRコード」「SNSアカウント情報」を掲載するのが効果的で
、②案のように導けるのが理想です。

よくある失敗としては、スケジュールがタイトで、原稿校了日までに②案のように調整で
きず、印刷ができあがった後で「こうすれば良かった」と後悔するパターンです。配布日
に間に合わせることはできても、チラシ内容に不満が残り、結果的に効果もそれほど出な
い、といった結果を招いてしまいます。

(3)印刷費用が割高になってしまう

チラシの印刷においてネット印刷を利用する場合は、スケジュール次第で印刷費用が割高
になってしまう可能性があります。ネット印刷は入稿から納品までの期間が長いほど印刷
費用が安く、短いほど高くなるのが特徴です。

そのため入稿から納品までの期間を長く取れる前提で印刷費用を考えていると、曖昧なス
ケジュール設定により、印刷期間が短くなった場合に、想定よりも大幅に経費が増える可
能性があります。

例えば7営業日(※原稿データ入稿の翌日から7日後に印刷完了および発送)での印刷費用を
想定していたところ、スケジュールが適切でなかったため、1営業日(※原稿データ入稿の
翌日から1日後に印刷完了および発送)での印刷に変更せざるを得ないといった場合には印
刷費用が高くついてしまいます。

▼ネット印刷を使った場合の具体的な費用例

上記表のように各社とも入稿(発注)から納品までの期間が短いほど印刷費用が高くなりま
す。

3.チラシ制作のスケジュール設定を失敗しないコツ3つ

チラシ制作スケジュールは施策の成否に大きく関わりますので、計画性を持った設定が必
要です。ここではスケジュールの設定を失敗しないためのコツをご紹介します。

(1)配布日から逆算したスケジュールを立てる

1章冒頭でも説明したように、チラシの配布はタイミングが重要なため、配布日を起点と
してそこから逆算してスケジュールを組み立てると失敗を回避できる可能性が高まります

下記は6/24にオープンする店舗の集客を目的としたチラシ施策について、配布日から逆算
してスケジュールを組み立てた一例です。まずチラシの「配布日」を決め、次に「印刷」
工程のスケジュールを組み立てます。最後に「原稿制作」のスケジュールを決め、チラシ
制作の全体スケジュールが完成します。

▼配布日から逆算したスケジュールの組み立てかたの一例

➀配布日を決める。(ここでは6/24の新店オープンの2週間前)
②配布会社へチラシ納品日を確認する。
③印刷会社よりチラシが納品される日を決める。
④配布会社へのチラシ引き渡しに間に合うよう印刷データ入稿日を決める。
⑤印刷データの入稿日の2~3日前を印刷用データ受領日(原稿校了日)として設定する。
⑥原稿校了の2週間以上前には原稿初稿が出来上がるよう設定する。
⑦原稿制作の着手日は原稿初稿が出来上がる1週間以上前から設定する。

上記のように簡単な例ですが、チラシ配布日を元に各フェーズで必要な期間を把握し、逆
算していくことがポイントです。その結果、全体でどれ位の期間が必要なのか確認するこ
とができ、スケジュール設定のミスを回避できます。

(2)トラブルやイレギュラーを想定し余裕を持たせたスケジュールを設定する

トラブルやイレギュラーな案件が発生する可能性を想定し、「原稿制作」「印刷」「配布
」の各フェーズのスケジュールに余裕を持たせることも重要です。

各フェーズでは以下のようなトラブルやイレギュラーな案件が発生しがちです。それを踏
まえたスケジュールを設定することで、遅延のリスクを軽減できます。

原稿制作

原稿制作のフェーズでは、内容について思っていた以上に修正が発生する可能性がありま
す。

▼修正が発生するケース
・デザインの雰囲気やレイアウトが自店・自社のイメージとズレている
・原稿制作途中で掲載したい情報が増えてしまう
・写真やイラストに著作権があり使用できなくなる
・キャッチコピーが競合他社のチラシと酷似している

▼対策
・掲載内容をできるだけ具体的にまとめる
・掲載したい画像やイラストの使用に問題がないか事前にリサーチする
・競合他社の情報も確認しておく

このような点も踏まえ、チラシ原稿制作の初稿が上がってきてから校了となるまでの期間
を可能な限り長めにスケジュール設定することがポイントとなります。

印刷

印刷のフェーズでは、入稿用データの調整が必要となるケースがあります。

▼調整が発生するケース
・入稿用データが印刷会社指定の形式になっていない
・印刷サンプルの色味が想定と異なる

▼対策
・印刷会社が指定する入稿用データの形式を理解しておく
・RGB、CNYKなどカラー設定を確認しておく

調整の作業内容的にはそれほど時間を要さないものが多いですが、印刷日程のズレがその
ままチラシ配布のズレにつながってしまいますので、印刷スケジュールは想定より2~3日
長めに設定しておくと良いでしょう。

配布

配布のフェーズでは配布会社へのチラシ納品が遅れるケースが考えられます。

▼遅延が発生するケース
・印刷が間に合わない
・チラシ納品場所を間違える
・交通状況により配送に遅延が生じる

▼対策
・配布会社より指定された納品日の2~3日前には到着するようなイメージでスケジュール
を組み立てておく

印刷会社からのチラシ納品もそうなのですが、悪天候や交通事故により配送に遅延が生じ
る可能性はゼロではありませんし、万全を期すためには余裕を持ったスケジュール設定が
必要です。

(3)設定したスケジュールに遅滞がでないよう工夫する

チラシ制作がスムーズに進行するよう、工夫を施すことでスケジュールの遅滞を防げます
。ここでは遅延防止につながる効果的な工夫を紹介します。

できる限りテンプレートなど“ありもの”から組み立てる

チラシ原稿を自社で制作する場合は、Webから利用できるテンプレートサイトの活用が有
効です。一から制作するとかなりの時間が必要ですが、テンプレート活用により制作の大
幅な時間短縮につなげられます。

「チラシ_テンプレート」で検索すればいくつかのサイトがヒットし、どのサイトも基本
的に無料で利用できます。Web上で操作できるサイトもあれば、パワーポンイントで作成
されたデータをダウンロードして編集できるサイトなどもあり、デザイン内容と使い勝手
の良さを判断基準として利用するサイトを選択すると良いでしょう。

例えば、「パワポン」はチラシのテンプレートを提供している代表的なサイトです。

▼参考:チラシテンプレートの代表的サイト「パワポン」

パワーポイントでつくれるチラシテンプレートが無料でダウンロード可能。さまざまなシ
ーンに合わせたデザインのチラシを数多く取り揃えています。

また当サイトでもジャンル別にダウンロードして使えるテンプレートやテンプレートを活
用して反響を高めるノウハウをご紹介しています。コンテンツはこちらのページからご覧
いただけます。

制作フローを整備する

チラシ制作のスケジュールに遅滞がでないようにするためには、しっかりとした進行管理
が必要になります。そのために制作フローを整備し、進捗を確認できるようにすると効果
的です。

▼チラシ制作フロー例

上記のような制作フローは進捗状況を管理することに活用でき、タイムリーな調整に役立
つため、スケジュールの遅延を防ぐのに有効です。

チラシ制作フロー例をもとに進捗確認にも使えるチェックシートを作成しましたので、ダ
ウンロードしてご利用下さい。

▼ダウンロード

印刷依頼先の候補を複数用意しておく

ネット印刷では状況により注文可能な納期や部数が比較的短いパンで変更になる可能性があるため、印刷の依頼先を1社だけでなく、複数の候補を用意しておきましょう。

例えば、以前確認したときは印刷を1営業日で仕上げられるプランがあったのが、昨日改めて確認したら3営業日からしかないなど、が該当します。それにより印刷工程のスケジュールにズレが生じてしまいますので「A社では折込日に間に合わないからB社に変更しよう。」「B社は早いけど高いから安めのC社にしよう」といったように複数の印刷先を候補に挙げておくことで、印刷工程における不測の事態に柔軟な対応ができるようになります。

4.まとめ

チラシ施策の効果を高めるには、最適なタイミングで届くようにスケジュールを適切に管理することが必要です。チラシの制作から配布までどれくらいの期間がかかるかを把握しスケジュールを組み立てることが、チラシ施策成功の第一歩となります。

なお、この記事では「チラシ制作スケジュール」に関する情報を中心に紹介してきましたが、チラシ原稿制作自体についてもっと詳しく知りたい方のために、以下の記事を用意しています。この機会にぜひご覧ください。

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