新聞折込は特性を理解しないと失敗する!失敗理由と回避策は?

新聞折込の特性や向き不向きを理解していないと、宣伝は失敗に終わります。販促手段を選ぶときに、新聞折込で期待する効果を得ることができるのか不安を持っている方も多いはずです。

この記事では、新聞折込で宣伝した場合、どのようなケースが失敗するのか。また、新聞折込で宣伝する際によくある失敗例や新聞折込を検討するときの失敗回避策を紹介します。

1.新聞折込実施時に押さえておくべき懸念3つ

新聞折込は、新聞購読者に向けて訴求できる信頼性が高い販促手法です。しかし、新聞折込特有の懸念事項を理解しないで実施しても、期待する効果が得られ難くなってしまいます。以下では新聞折込実施時に押さえておくべき懸念3つについて説明します。

▼新聞折込実施時に押さえておくべき懸念

(1)若年層に届きづらい
(2)持続的な効果を期待できない
(3)掲載できる情報量が限られている

(1)若年層に届きづらい

新聞折込は、新聞を購読していない世帯には届けることができないため、若年層への訴求には弱い点を理解しておきましょう。新聞の主な購読層は高齢者や主婦、ファミリーが多いためです。

以下は月ぎめで新聞をとっている年代別の人に割合をグラフ化した資料です。販促手段を決めるときに、自店が狙っているターゲット層と、新聞折込の年代別の割合がマッチしているのか把握しておきましょう。販促手段を決める際に参考にしてください。

▼月ぎめで新聞をとっている人の割合(年代別)

※新聞通信調査会(メディアに関する全国世論調査2022年報告書

(2)持続的な効果を期待できない

新聞折込は、指定した日に新聞と一緒に各家庭に届けられるため、即効性はありますが長期の持続的効果は期待できません。宣伝効果が継続するのは3~4日程度といわれています。特売や期間を決めたキャンペーンなど消費行動に直結する宣伝には効果を発揮しますが、認知度を高めるチラシを保管してもらう目的での宣伝は不得意といえます。例えば、水まわり修理のチラシは、不具合が起こったときにしか反響がなく、受け取った時点で需要がなければチラシを捨てられてしまう可能性が高いです。

(3)掲載できる情報量が限られている

新聞折込のチラシは、掲載できる情報に限りがあることを理解しておく必要があります。多くの商品やサービスを宣伝したい場合には、印刷や配布コストが上がってしまうため、あまり向いていません。

折込チラシの一般的なサイズは、新聞のほぼ半分のB4サイズです。サイズを大きくした場合は、デザイン費、印刷代、配布料金が上がってしまうため、予算と情報量を考慮する必要があります。また、無理に情報量を増やしてしまうことで、チラシのインパクトが落ちるため、訴求度が下がってしまうことも理解しておきましょう。

2.配布手段を検討するときの失敗例3選

販促手段を検討するときに、その手法で失敗するリスクを検討することは重要です。新聞折込が向いていないケースで販促手段を決めてしまうと、結果的に効果が上がらないことがあります。ここでは、集客方法として新聞折込を選んだ際に、よくある失敗とその原因を紹介します。集客方法を失敗しないために参考にしてみてください。

▼チラシを新聞折込で配布する失敗例

(1)新聞購読層とターゲットがマッチしていない
(2)業種に合った折込曜日を把握していない
(3)新聞折込の表示規制に引っかかる

(1)新聞購読層とターゲットがマッチしていない

1つ目のよくある失敗は、自社が想定するターゲット層と新聞購読層がマッチしていないため、ターゲットにチラシが届く確率が低くなってしまうケースです。

例えば、美容室で20~30代の独身女性をターゲットに想定して新聞折込を選んだ場合、ターゲット層の新聞購読率が低い地域に配布をしても、ターゲットには届きません。また、地域によって、居住する年齢層が異なるため、ファミリー層が多い新興住宅地に配布してもターゲットに届き難くなってしまいます。

(2)業種に合った折込曜日を把握していない

2つ目のよくある失敗は、業種やチラシ内容に合った曜日に配布していなかったために反響が落ちてしまうケースです。新聞折込は、業種ごとに配布する曜日の傾向があり、狙っているターゲットによって、折込する曜日は変わってきます。また、買い物に行くためや休日にゆっくりチラシを見るといったように、曜日ごとに見る目的が異なることから、自店の商品・サービスの反響に大きく影響する要因と言えます。

例えば、飲食店の求人チラシを土曜日に新聞折込で配布した場合、土曜日は最も多くの枚数が折込される曜日であるため、他のチラシに埋もれてしまい期待する反響を得づらくなります。

(3)新聞折込の表示規制に引っかかる

3つ目のよくある失敗は、チラシ紙面の表現が表示規制に引っかかり、チラシを作り直ししないといけないケースです。

例えば、作成したチラシに、広告主の住所、連絡先の記載漏れや、チラシの内容が景品表示法や薬機法に抵触している場合は配布依頼が拒否されます。以下は新聞折込で取り扱いできない内容の一例です。

▼取り扱いできないチラシ内容の一例

・責任の所在および内容が不明確なもの
・虚偽または誤認される恐れのあるもの
・公序良俗を乱す表現があるもの
・名誉毀損やプライバシーの侵害などの恐れのある
・医薬品等を否定する内容や迷信に類する非科学的なもの
・政治問題について極端な主義主張を述べたもの
・不当懸賞広告にあたるものなど

※参考:静岡オリコミ(新聞折込広告取扱い基準

新聞折込の代理店で折込取扱基準や注意事項を設けていますので、チラシ作成前に確認しておく必要があります。

3.新聞折込を選ぶうえで間違えないための3つのポイント

販促手段を検討するときは、新聞折込で失敗しないためのポイントを理解しておくことで、失敗を回避できます。販促手段はやみくもに決めるのではく、新聞折込の特性を理解したうえで、選ぶようにしましょう。ここでは、チラシの販促方法選びを失敗しないための回避策を3つ紹介します。

▼販促方法で新聞折込を検討するときの失敗回避策

(1)ターゲットの特徴を理解しておく
(2)新聞購読者のいるエリアを把握する
(3)広告の目的を明確にしておく

(1)ターゲットの特徴を理解しておく

チラシの販促方法を選ぶ際は、ターゲットの具体的な特徴を理解したうえで、販促方法を検討するようにしましょう。

例えば「シニア層」のような曖昧な設定よりも、ターゲットを深掘りすることで、「悩み」や「要望」などが浮き彫りになるため、販促方法を選定しやすくなります。逆に、ターゲットの特徴を理解できていいないと、成果につながり難い販促方法を選んでしまう可能性が高まります。

以下では、ある不動産会社でターゲットの特徴を明確化し、販促手段を決めたケースをまとめてみました。

▼不動産会社のターゲットを明確化した販促手段の一例

【ターゲット】
シニア層
【明確化したターゲット】
〇〇市で戸建てに居住する65才夫婦世帯、趣味は読書で、地域のボランティア活動にも積極的に参加している。子供が独立して夫婦だけになり、コンパクトな家に住み替えを検討している。
【販促手段の選定】
明確化したターゲット設定は、生活にある程度の余裕がある世帯のため、シニア層へのアプローチする販促手段として、富裕層が多めといわれる新聞購読者をターゲットに新聞折込を選んだ。

ターゲットに効率的にチラシを届けるターゲット設定については「ターゲットが明確でないチラシは失敗する!|失敗しないためのターゲット設定方法とは?」で詳しく解説しています。

(2)新聞購読者のいるエリアを把握する

販促手段として新聞折込を検討するときは、自社の商品やサービスの商圏にどれくらいの新聞購読者がいるのかを把握しましょう。配布する地域によって新聞購読者数が異なるため、商圏内の購読者数は自社商圏のターゲットへの宣伝手段として、新聞折込が最適なのかの判断材料となります。また、どの地域を狙って配布するのを決めるときの参考になります。

以下は、静岡県中部地区の市町別の世帯数と折込部数の一欄です。例えば、市町名ごとに折込部数が異なるため、折込普及率の高い牧之原市と川根本町を優先に配布地域を決めました。

▼静岡県中部地区の世帯数・新聞折込部数の一欄

 

市町名新聞折込部数人口(人)世帯数折込普及率(%)
静岡市清水区59,250228,737103,51657.2
静岡市葵区・駿河区114,350456,138212,78953.7
焼津市34,350137,25956,71860.6
藤枝市33,060142,53260,17254.9
島田市23,20096,60938,13360.8
榛原郡川根本町1,8006,1032,69966.7
榛原郡吉田町6,65029,35210,64562.5
牧之原市10,27043,66915,96664.3

※新聞折込部数:静岡オリコミ(静岡県折込部数表2023年上期)
※人口・世帯:住民基本台帳(2022年11月1日現在)

自社商圏の折込可能な部数を知りたいときは、折込広告代理店に配布したい地域を問い合せすると配布可能な部数を教えてもらえます。

また、チラシの配布方法を決める際は、Web上でターゲットや地域、予算、部数など設定できるポスティング・オリコミ・プランナー(POP)のサービスを活用することで配布部数の目安が判断できます。

▼ポスティング・オリコミ・プランナー

*出典:ポスティング・オリコミ・プランナー(2023年1月31日)

(3)広告の目的を明確にしておく

チラシの販促方法を選ぶときは、「どのような効果を得たいのか」といったチラシによる広告目的を明確にしましょう。目的を明確化したうえで、「誰に何を伝えたいか」「どの地域に配布したいか」「どのタイミングがいいのか」などを決めることで、適切な販促手段が決めやすくなります。

以下は広告の目的を明確化して販促手段を決めた一例です。明確な目標設定したうえで、既存の顧客データを分析し、ターゲットに合った販促手段を選定しました。

▼スポーツジムの目的を明確化して販促手段を決めた一例

【目的設定】
2023年は昨対比110%となる会員数100人を獲得する。

【顧客データ調査】
顧客データを分析することで、「どこから」「どんな人」が会員になっているのかを把握できます。以下に昨年の新規会員の住所を地図にプロットしました。

地図にプロットすることで新規顧客がどこから来ているかが一目で分かるようになります。さらに、年齢層を分析した結果、40~50代の主婦が多いことが分かりました。

【販促手段の選定】
40~50代の主婦へのアプローチする販促手段として、近隣スーパーがチラシ折込をしている「火曜日」に新聞折込を配布することにしました。

チラシ広告の目的を明確にする理由にいての記事は「目的が明確でないチラシは絶対に失敗する!失敗回避をSMACで解説」で詳しく解説しています。

4.まとめ

新聞折込は、適した条件、適した活用方法で実施しないと効果が得られません。どの販促方法にも、特性があり、条件による向き不向きがあるためです。販促手段を検討するときは、新聞折込の特性を理解したうえで、失敗事例と同じ轍を踏まないようにしましょう。

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