効果を上げるチラシフォントの選び方｜おすすめフォント12選も

チラシを作ることになったけれど、どのフォントがチラシに適しているかわからないという方も多いのではないでしょうか？フォントによって読みやすさ・伝わりやすさ・読み手に与えるイメージは違ってきます。

この記事では、フォントの種類と与える印象の違いを解説します。また、チラシに使えるおすすめフォントからフォント探しに役立つツールもご紹介します。

1.チラシ作成時に必須のフォントとは？

チラシ作成時に必須のフォントとはズバリ一言では語れません。フォントには種類が多数あり、それぞれ与える印象や読みやすさ、見やすさが異なります。ここではフォントの種類と特徴を紹介していきます。

チラシでよく使う4つのフォント

チラシフォントは和文と欧文に分かれ、それぞれ良く使われるフォントが4つあります。チラシでよく使う和文フォントはゴシック体、明朝体、筆書体、手書きの4つです。欧文フォントでは、サンセリフ体、セリフ体、筆記体、手書きの4つがよく使われます。

和文用のゴシック体と欧文用のサンセリフ体には「ウロコ」がなく、逆に和文用の明朝体と欧文用のセリフ体には「ウロコ」があります。「ウロコ」とは横線の右端や曲がり角の右肩につく三角形の山のことです。ウロコがあることで、縮小しても明確に読み取れる安定感のある文字となっています。

ここでは、欧文フォントよりも使われる頻度が圧倒的に多い和文フォント4つを紹介していきます。

ゴシック体

ゴシック体はシンプルで遠くからでも読みやすい書体です。チラシや広告でよく使われ、見た人にひと目で情報を的確に伝えるには最適です。ただし、小さくすると文字がつぶれてしまうため、フォントサイズを調整するときは注意が必要です。

ゴシック体で書くと、統一感がある、男性的である、親近感があるといった印象を相手に与えることができます。

明朝体

明朝体はシンプルかつ歴史が長い書体です。小さなサイズでも文字がつぶれにくいので小説や読み物に適しています。視認性が低いためチラシや広告にはあまり使われませんが、一部のフォントは使われることもあります。

明朝体で書くと、安定感がある、女性的である、知的であるといった印象を相手に与えることができます。

筆書体

筆書体はその名の通り筆で書いたような優美で伝統を感じる書体です。見やすさや読みやすさはフォントによりますが、基本的に文章にはあまり向きません。タイトルなど印象付けたい箇所にポイントづかいすると効果的です。

筆書体で書くと、和風感がある、高級感がある、格調高さがあるといった印象を相手に与えることができます。

手書き

手書きは手で書いたポップで可愛いものや子供が書いたままのような独特なものがある書体です。筆書体と同じく見やすさや読みやすさはフォントによりますが、縮小すると読みづらくなるため、広告やチラシの文章には向きません。お客様の声や吹き出しの中の文字に使用すると効果的です。

手書きで書くと、可愛い、若い、親しみやすいといった印象を相手に与えることができます。

種類別｜フォントの特徴と適した商材

チラシによく使われるゴシック体・明朝体・筆書体・手書きフォントには、それぞれの特徴に適した商材があります。以下の表は、各フォントの特徴と適した商材をまとめたものです。自社の商材に合うフォント選びの参考にしてください。

以下の表の可読性とは文章の読みやすさを、視認性とは文字を一瞬で認識できる程度を指します。

【チラシでよく使う4つのフォントの特徴や商材例の一覧】

2.チラシに使えるおすすめフォント12選

チラシに使える、例えばゴシック体の中でも特徴が異なるフォントが無数に存在します。

以下ではゴシック体・明朝体・筆書体・手書きの4種類について、それぞれおすすめフォントを紹介していきます。各フォントが読み手に与えるイメージやおすすめポイントも解説するのでフォント選びに役立ててください。

ゴシック体のおすすめフォント

ゴシック体のおすすめフォントは「ヒラギノ角ゴ」「ロゴたいぷゴシック」「新丸ゴ」の3つです。

(1)ヒラギノ角ゴ

＊出典：SCREEN｜ヒラギノフォント総合情報サイト

読み手に与えるイメージ：ベーシック
おすすめポイント：文字の太さの種類が豊富にあり万能で、iPhoneやMacにも採用されていて馴染み深い

（2）ロゴたいぷゴシック

＊出典：フォントな｜フリーフォント　ロゴたいぷゴシックのダウンロード

読み手に与えるイメージ：エレガント
おすすめポイント：女性向け商品や健康食品などのタイトルに適している

（3）新丸ゴ

＊出典：モリサワ｜新丸ゴ｜書体見本｜モリサワのフォント｜株式会社モリサワ

読み手に与えるイメージ：やわらかい
おすすめポイント：女性や子供向け商品に適している

明朝体のおすすめフォント

明朝体のおすすめフォントは「リュウミン」「はんなり明朝」「うつくし明朝」の3つです。

（1）リュウミン

＊出典：モリサワ｜リュウミンM-KL｜書体見本｜モリサワのフォント｜株式会社モリサワ

読み手に与えるイメージ：親しみやすい
おすすめポイント：化粧品もしくは、セミナー系の広告に適している

（2）はんなり明朝

＊出典：FREEフォントサーチ｜はんなり明朝-フリーフォントサーチ

読み手に与えるイメージ：優しい、レトロ
おすすめポイント：和や伝統的な商材の広告に適している

（3）うつくし明朝

＊出典：FLOP DESIGN｜フリーフォントうつくし明朝体-日本語ウェブフォント

読み手に与えるイメージ：上品
おすすめポイント：健康食品や美を感じさせる化粧品などの広告に適している

筆書体のおすすめフォント

筆書体のおすすめフォントは「闘龍書体」「白舟髭隷」「勘亨流」の3つです。

（1）闘龍書体

＊出典：モリサワ｜闘龍｜書体見本｜モリサワのフォント｜株式会社モリサワ

読み手に与えるイメージ：力強い
おすすめポイント：メインのアイキャッチ、ピンポイントに強調したい文言に使用するのが適している

（2）白舟髭隷

＊出典：FONTPLUS｜白舟髭隷｜WebフォントサービスFONTPLUS

読み手に与えるイメージ：夏、日本らしい
おすすめポイント：お祭りイベントや居酒屋の広告に適している

（3）勘亨流

＊出典：モリサワ｜勘亭流｜書体見本｜モリサワのフォント｜株式会社モリサワ

読み手に与えるイメージ：伝統的
おすすめポイント：老舗や時代を感じさせるものの広告に適している

手書きのおすすめフォント

手書きのおすすめフォントは「あずきフォント」「じゆうちょうフォント」「殴り書きクレヨン」の3つです。

（1）あずきフォント

＊出典：あずきフォント｜あずきフォント　フォント

読み手に与えるイメージ：かわいらしい
おすすめポイント：吹き出しの中の文字やお客様の声の見出しに使用するのが適している

（2）じゆうちょうフォント

＊出典：よく飛ばない鳥｜よく飛ばない鳥　手書きフォントのページ

読み手に与えるイメージ：温かみがある
おすすめポイント：味のある見出しや手書きで書きたいタイトルなどに適している

（3）殴り書きクレヨン

＊出典：FONTDASU｜殴り書きクレヨン｜FONTDASU.COM

読み手に与えるイメージ：やさしい、温かみがある
おすすめポイント：子ども向け商材の広告に適している

3.チラシのフォント探しに役立つツール3選

フォントを選定するにあたり、どのように探せばよいか頭を悩ませると思います。ここでは、フォント探しに役立つソフトやツールを3つ紹介していきます。

フリーフォント検索サイト

フリーフォント検索サイトを使えば、無料で使用できるフォントからお好みのフォントを探すことができます。試しにさまざまなフォントを使用したいときや製作費を抑えたいときに便利です。

・無料の日本語フリーフォント投稿サイト

＊出典：フォントフリー｜フォントフリー – 無料の日本語フリーフォント投稿サイト
＊トップページ（2021年4月30日）

・日本語のフリーフォントを検索できるサイト

＊出典：ためしがき｜ためしがき‐日本語のフリーフォントを検索できるサイト
＊トップページ（2021年4月30日）

フォント自動判定ソフト

フォント自動判定ソフトを使えば、さまざまな画像から自動でフォントの種類を特定できます。また活用すべきタイミングは、ほかのWebサイトやチラシに使用されているフォントの種類を調べたいときに便利です。

・フォントを自動で判定してくれるフリーソフト

＊出典：フォント自動判定｜フォント自動判定の詳細情報 : Vector ソフトを探す！
＊トップページ（2021年4月30日）

プロ向けフォントサービス

プロ向けのフォントサービスを使えば、使用許可が必要な複数のフォントを1つのライセ
ンスで使用することができます。また活用すべき人は、有料で複数のフォントを長期で使
用したいプロ向けです。

・バラエティ豊かなプロ向けのフォントが使えるWebフォントサービス

＊出典：フォント自動判定｜Webフォントサービス FONTPLUS
＊トップページ（2021年4月30日）

4.【実践】効果的なチラシのフォントの調整術

ここでは、チラシのフォントを適切に選び最大限に活用するための、フォントの調整方法を解説します。実際に架空店舗のチラシを使って順に説明しますので、フォント選び・フォント調整の参考にして下さい。

【架空店舗の情報】

【調整前の架空店舗のチラシ】

（1）商材イメージに合うフォントを選ぶ

まずはフォントが与える印象と商材イメージを一致させましょう。フォントが与える印象はそれぞれ異なるためです。もしバラバラのものを使用した場合、統一感がなくなり何を宣伝したいのか伝わりにくくなってしまいます。したがってフォントを選ぶときはどんな印象を与えたいのか、何を伝えたいのかということを意識することが大事になります。

下の表は、それぞれのフォントがどのようなイメージでどんな商材が合うのかを表したものです。

調整前の架空店舗のチラシでは（1）国鉄っぽいフォント（2）刻丸明朝かな（3）昔々ふぉんとの3種類のフォントを使用しています。ただし、フォントと商材イメージが合っていません。架空店舗は美容室なので明朝体を使用し上品なイメージを与え、料金表の部分はゴシック体でスッキリ見やすくするとよいでしょう。

またフォントイメージは太さによっても変わってきます。下の表はフォントの太さによって与えるイメージを表したものです。

このようにフォントの種類・太さによって与えるイメージが大きく変わってくるため、商材に合わせたフォント選びが大事になります。

（2）使用するフォントを2種類までに厳選する

チラシに使用するフォントは2種類までに絞りましょう。チラシを作っているとたくさんのフォントがあり、いろいろなものを使いたくなってしまいます。しかし実際多くの種類を使うと与える印象が弱くなり、全体的にも統一感がなくなり読み手の心を惹きません。

では架空店舗のチラシで実際に試してみましょう。ここでは「HGPゴシックM」「うつくし明朝」を使ってみます。

【フォントの種類を調整した架空店舗のチラシ】

いかがでしょう？チラシ1に比べてかなり統一感があり、スタイリッシュになったのではないでしょうか？

（3）フォントのサイズを調整する

最後にフォントサイズの調整です。どんなに統一感があってスタイリッシュになってもどこをアピールしたいか何を宣伝したいかがはっきりとわからなければ効果は薄れてしまいます。目立たせたい情報は大きく太く、長めの説明などは小さく細くというのが基本となります。チラシ全体のバランスとメリハリを考えながら調整しましょう。

目安ではありますが、A4用紙でのフォントサイズを紹介します。

では架空のチラシで実際に試してみましょう。

【フォントサイズ調整後の架空店舗のチラシ】

いかがでしょうか？フォントサイズを調整する前のチラシに比べてだいぶメリハリがついたのではないでしょうか？

（1）では「1/1NEW OPEN」、（2）では「美髪活・健康的な髪質」、（3）では「割引料金の赤い数字」が強調されたのがわかると思います。フォントサイズを調整したほうがチラシのセールスポイントがわかりやすく、かつスタイリッシュで読みやすい・見やすいチラシになったと思います。

5.まとめ

効果の出るチラシにするにはフォントの選び方や活用の仕方が重要になります。フォント選びについては、各フォントの個性を理解して商材に合ったフォントを選ぶことがポイントです。活用の仕方については、タイトルやキャッチコピーなどチラシの各要素に合わせてフォントサイズや太さを調整することが大切になります。チラシのフォント選びに困ったときは、この記事を参考にしていただければ幸いです。