チラシに載せる地図ならGoogleマップを切り取って貼り付ければいいと思う方もいるかもしれません。しかし、Googleマップの使用には制限があります。Webサイトやブログ、SNSなどでの使用は認められていますが、「印刷広告」に該当するチラシは使用禁止とされています。
この記事では、Wordを使った見やすい地図の作成手順について解説します。またWord以外のツールの特徴や活用シーンについて紹介しています。
1.チラシの地図の作成手順|Word編
ここではWordを使ったチラシの地図作成の手順を紹介します。元となる地図のデータはGoogleマップを利用し、掲載に必要な範囲を切り取り、Wordに貼り付けます。目的地や目印、ルートを書き込んでいきます。あとは、Googleマップを外して、見やすく仕上げるだけです。今回は、Windows10を使用して解説していきます。
以下の5つのSTEPに沿って進めていけば誰でも分かりやすい地図を作成することができます。
STEP2|スタート地点を決める
STEP3|ルートを決める
STEP4|目印を設定する
STEP5|見やすく仕上げる
STEP1|地図作成のポイントを押さえる
チラシの地図作成において最も重要なポイントは、初めて来店される方の視点に立って作ることです。店舗周辺を描写しておけばいいというわけではありません電車を利用される顧客はどの駅からどのようにやってくるのか、自動車を利用される顧客はどのインターチェンジからどの道を通ってくるのかを考えて作ることが大切です。
STEP2|スタート地点を決める
まずは、顧客がどこからどのように来店されるか、交通手段別に目的地までのルートを想定し、スタート地点を決めます。
今回は当社のグループ会社である江﨑新聞店の神田麹町支店を目的地に設定します。Googleマップで検索してみると最寄り駅はJR「水道橋駅」、都営三田線の「水道橋橋」からも想定できるため、2カ所をスタート地点としてみます。
次に、Googleマップから必要な範囲の地図を切り取り、Wordに貼り付けます。その際、車での来店も意識し主要道路が表示されるようにしましょう。
図のように目的地やスタート地点を分かりやすく色分けしておくと作業がスムーズに進むでしょう。ツールバー[挿入]➡[図形]➡[四角形]から形状を選択し配置できます。さらに、図形の枠線の色や太さ、塗りつぶしも設定できます。例えば、枠線の太さはツールバー[書式]➡[図形の枠線]➡[太さ]から線の太さを選択できます。
▼スタート地点を決める【ポイント】
・土地勘がない場合はGoogleのルート検索やストリートビューを使う
STEP3|ルートを決める
次にスタート地点から目的地までのルートを決めます。ここで大切なのは分かりやすいルートを選択することです。多少遠回りでも初めて来店する顧客にも分かりやすいルートを選択しましょう。また自動車の場合は「一方通行」や「時間帯規制」など交通規制による制限を確認しておきましょう。
今回想定したルートを地図に書き込みます。線の書き方はツールバー[挿入]➡[図形]➡[線]から選択して配置します。線の太さや色の加工は枠線と同じ方法で変えられます。
続けて、周辺の道路や線路を書いていきます。この時、実際の道路と同じように線をひくのではなく、多少のカーブなどは出来るだけ直線で表現しましょう。
▼ルートを決める【ポイント】
・道路の線を書き込む時は出来るだけ直線で表現する
STEP4|目印を設定する
ルートが決まったら、途中の目印を設定します。特にを記載するときは目印となる建物を表示し、ルート間違えが起こりにくい工夫が必要です。その他、学校・警察署・郵便局・公園など公的な建物を入れるのもポイントです。夜間でも確認しやすい24時間営業のコンビニなどの目印も設定しておきましょう。
今回は目印として学校、コンビニ、パチンコ店を設定し、曲がり角には信号を表示してみます。どこに、何の建物か分かるように、四角形のボックス内に名称をいれて配置します。作り方はツールバー[挿入]➡[図形]➡[四角形]から形状を選択し地図上に配置。その配置した図形をクリックし[書式]➡[文字の配置]でテキストを入れることが出来ます。
▼目印を設定する【ポイント】
・夜間でも明かりが灯っているコンビニなどを目印に設定する
STEP5|見やすく仕上げる
チラシの地図を見やすく仕上げるためには、無駄な情報を省き、必要な情報を適度にデフォルメして見せることが大切です。もちろん正確な地図を作成することは大事ですが、厳密な地図と全く同じように書いてしまうと、情報が多すぎて見づらい地図になってしまいます。
最後に、ここまで地図のベースとして使用してきたGoogleマップを外します。このままでは情報が伝わりにくく、見にくい地図のままです。
ここから線路や駅名・目的地を見やすく加工して、きれいな地図に仕上げていきます。ほとんどのパーツは「図形」や「線」を使って作ります。道路は太さを変えると目的地は目に留まりやすいように目立つ色や形を選ぶことをおすすめします。目印は邪魔にならないようにシンプルに描写。名称はチラシのイメージに合った書体を選ぶと見やすい地図になるでしょう。
▼見やすく仕上げる【ポイント】
・目印は目的地より目立たないようにシンプルに描写する
・線路は路面と地下鉄で描写を変える
2.見やすい地図を作る小技3つ
ここでは、見やすい地図を作るための小技を3つ紹介します。
(1)線路の作り方
線路の描写はさまざまですが、今回は最もスタンダードに使われる線路の作り方を紹介します。以下の手順に沿って進めていけば、簡単にきれいに線路を作ることが出来ます
1)「挿入」➡「図形」➡[線]を選択して直線を引きます。
※[Shift]キーを押しながらドラッグすれば、水平・垂直な線を引けます。
2)直線を右クリックし「図形の書式設定」をクリック、以下のように設定します。
「色」黒
「幅」8~10pt(線路っぽく見えやすい)
[実線/点線]破線
3)「挿入」➡「図形」➡[四角形]から線路用の四角を挿入します。
4)まずは2)で作った破線をコピーします。次に3)で作った四角を右クリックし「図形の書式設定」をクリック。「塗りつぶし」から「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択、「クリップボード」をクリック、[図をテクスチャとして並べる]にチェック。
5)最後に線の色を黒にすれば出来上がり。サイズを変えても白黒の間隔はそのままです。
(2)地図画像のPDF化
作成した地図はPDF化してからチラシに使用するときれいに見えます。PDF化することによって文字、図形、表などのレイアウトが崩れずきれいに表示され、地図の拡大や縮小による画像の粗さや文字の潰れを防ぐことができます。PDFの作成手順は以下のとおりです。
1)画面左上の「ファイル」をクリック
2)「名前を付けて保存」➡「保存場所」を選択。「ファイル名」を付けて「ファイルの種類」で「PDF」を選択するとPDFファイルとして保存されます。
下記の図は最も一般的画像ファイルJPGとPDFの画像を拡大し比較したものです。PDFの方が画像や文字が鮮明に写っています。
(3)QRコードを載せる
冒頭で説明した通り、されていますが、地図QRコードにして載せることは可能です。掲載している地図の情報が変わったり、自分のいる場所が分からなくなってしまったりした場合にGoogleマップはとても便利なツールです。ここではGoogle マップを活用した「地図QRコード」の作成方法を紹介します。
1)Googleマップで目的地を入力
2)「共有」もしくは左上メニュー内の「地図を共有または埋め込む」をクリック
3)別のウィンドウが開き「リンクをコピー」をコピー
4)コピーしたGoogleマップのリンクをクルクルマネージャーの「URLを入力」にペーストし「作成」をクリック。ダウンロード後、しっかり読み取れるか確認してから使って下さい。
*出典:クルクルマネージャー|(2021年6月2日閲覧 トップページ)
3.チラシの地図を作れるソフト・アプリ4選
ここではチラシの地図作成に役立つソフト・アプリ4つの特徴や活用についてご紹介します。
ソフト・アプリ名 | 特徴/ユーザー | 活用シーン |
---|---|---|
(1)Excel | ・マス目があり距離感を図りやすい ・Excelに慣れている人 | 集客・販促チラシ |
(2)PowerPoint | ・パーツ配置の自由度が高い ・デザイン性にこだわりたい人 | イベント・ポスター |
(3)テンプレート | ・多種・多様なテンプレート ・万人向け | 観光案内・ドライブMAP |
(4)♪案内地図 | ・操作がかんたんで分かりやすい ・初心者向き | ショップカード・案内状 |
Word以外のMicrosoftサービスを活用する
チラシの地図は、ExcelやPowerPointでもWordと同じように作成することができます。パソコンを使って仕事をされている方であればOfficeを利用するケースは少なくないと思います。普段からExcelやPowerPointを使っている方であれば、抵抗感なく作成することができるかもしれません。
(1)Excel
表計算ソフトとして使われるExcelですが、地図の作り方はほとんどWordと同じです。もともとマスと呼ばれるマス目があるため、パーツの配置や距離感を図りやすいところが利点。図形やアイコンの取り揃えも同じであるため、普段からWordよりExcelの使用頻度が高い方であればこちらのほうが使いやすいと感じるかもしれません。
(2)PowerPoint
プレゼンテーション用ファイルのPowerPointを利用する場合も作り方やパーツの種類は基本的にはWordと同じです。ただ、WordやExcelと比較するとパーツ配置の自由度が高く、パーツ自体にも装飾ができチラシの雰囲気に合わせたオリジナルパーツを作ることができます。特にデザイン性の高い地図を作りたい方におすすめです。
(3)テンプレート
OfficeテンプレートはWordやPowerPointで使用でき、初めて作る方にもおすすめです。Microsoft公式サイトからダウンロードすれば、誰でも使うことができます。カラフルでデザイン性が高く、バリエーションも豊富。アプリケーションやテーマ・用途別に細かく分類されていて、地図作成に適したテンプレートもあります。
*出典:Officeテンプレート|(2021年6月2日閲覧 トップページ)
無料ソフト・アプリを活用する
地図作成は無料ソフト・アプリを活用する方法もあります。インターネット上には無料・有料のものがたくさん存在し、その中からどのソフトを使ったらいいのか迷ってしまうことがあると思いますここでは、無料で使えるおすすめのソフト・アプリを紹介します。
(4)♪案内地図
とにかく簡単に地図を作りたいという方には「♪案内地図」がおすすめです。まずは、自分のパソコンに「♪案内地図」をダウンロードします。使い方はパーツを選んでマス目に沿って配置していくだけ、パーツも豊富で楽しく作れそうです。必要以上の機能を付けていないので、操作がシンプルで初心者の方でもかんたんに使えます。注意点としては出力が拡張メタファイルになるため、一度ペイントソフト等に保存しなおさないと、PNG、JPEG、GIF形式にできない点です。
*出典:♪案内地図|(2021年6月2日閲覧 ダウンロードページ)
【コラム】こだわりがある場合は外注もあり?相場は?
デザインへのこだわりがある場合は外注もありです。例えば、おしゃれな手書き風な地図に仕上げたいけど、手書き風地図の作業手順を確認しながら進めていくのは手間と時間が掛かるし、自分で1から作っていくのは少し不安だと感じる方も少なくはないでしょう。せっかく作っても自分のイメージと違うことや、ユーザーに分かりにくい地図になってしまっては意味がありませんので、自信がなければプロに任せることをおすすめします。
プロに地図作成をお願いするならスキルマーケット「ココナラ」をおすすめします。あなたの手書きの地図や住所を元に、クリエイターがおしゃれな地図やかわいらしい地図、手書き風の地図などを作ってくれます。設定費用はクリエイターや制作内容によってさまざまですが2,000円から発注可能です。
*出典:ココナラ|(2021年6月2日閲覧 トップページ)
4.まとめ
チラシの地図を作る方は、初めて来店する顧客の視点や気持ちになって作ることが大切です。今回は主にWordを使った地図の作り方について紹介してきましたが、さまざまなソフトの中から使いやすいものを利用するのが良いでしょう。また、ゼロから作る地図は時間も手間も掛かります。自分で作ることが難しそうな方は外注サービスを利用することをおすすめします。