国内には大小問わず2,400超の化粧品メーカーがあり、各社がさまざまな媒体を使って宣伝をしています。そのなかで、ターゲットに届くチラシ、思わず買いたくなるチラシを作るためには工夫が必要です。
この記事では、新商品の紹介、季節のおすすめ商品の紹介のテンプレートをご用意しました。化粧品のチラシを作るうえで必ず押さえておきたいこと3点、おしゃれなデザインのチラシを作るコツ6点を解説していきます。
1.無料テンプレート|化粧品チラシ2選
化粧品の紹介チラシを作りたいけれど、デザインに自信がない、作ったことがない、なんだか難しそうと思っている方に、無料でダウンロードできるテンプレートをご紹介します。使い勝手のよい新商品の紹介チラシと季節に応じたおすすめ商品のチラシの2点、ご用意しました。文字や写真を変えるだけでオリジナルなチラシが作れるので、ぜひご活用ください。
(1)新商品紹介チラシ
化粧品の新商品が出たときは特によくチラシが使われています。新商品のPRで集客をはかり、既存商品を改めて知ってもらうチャンスにつなげていきましょう。
▼新商品紹介チラシのテンプレート
※画像をクリックするとパワーポントデータがダウンロードできます。
こちらのチラシの作成ポイントは、ターゲットが憧れるような女性のフェイスライン。また、商品に合わせた色合いを意識し、色使いを抑えて洗練された大人の雰囲気を出しています。さらに、新商品のPRをするときは、まずは試してみようと思わせるよう、特別価格の試供品などのオファーを提供することが有効です。
(2)季節に応じたキャンペーンの紹介チラシ
化粧品は季節に応じた商品があるので、季節ごとにキャンペーンを告知することができます。季節のおすすめの化粧品を紹介しながら、集客につなげるキャンペーンを展開してみましょう。
▼季節に応じたおすすめ商品の紹介チラシのテンプレート
※画像をクリックするとパワーポントデータがダウンロードできます。
冬のキャンペーンチラシ例です。チラシの作成ポイントは、ターゲットの目に留まるよう、おすすめしたい季節商品を目立たせ、。また、基礎化粧品のサンプルをプレゼントしてシリーズで使ってもらえるよう働きかけています。加えて、季節限定ノベルティグッズのプレゼント、既存商品とのセット購入で割引など、お店独自の特典をぜひ提案してみてください。
【コラム】ダウンロードできるテンプレサイト集
ご自分でチラシを作る場合、参考になるテンプレートサイトを3点紹介します。どれも無料でダウンロードして利用可能です。デザインが苦手な方や、チラシを初めて作るなど不安のある方でも、簡単にチラシ作成できます。チラシのテンプレートは、ダウンロードして作成するタイプとオンライン上で作成するタイプがあります。
▼化粧品チラシのテンプレートサイト
・パワポン
・クイックデザイン
Canva
Canva(キャンバ)にはあらゆる場面で活用できる無料のテンプレートや写真素材が豊富に用意されています。化粧品のテンプレートは約3,900点、写真素材は約40万点もあります。テンプレートを1点選ぶと似たようなテンプレートを表示してくれるので、比べられて選びやすいのが特徴です。希望のテンプレートを選んで、ブラウザ上で写真や文字を変更するだけで誰でも簡単にデザインできます。できあがったデータはダウンロードが可能なのでご自分で印刷したい方におすすめです。
テンプレートの利用は無料ですが登録が必要(無料)です。またチラシだけでなくハガキ、名刺、ポスターなど幅広く展開できます。よりデザイン性を求めるのであれば、使える機能が増える有料プランがおすすめです。
※出典:Canva|化粧品 – 無料と有料のテンプレート – Canva
パワポン
パワポンはパワーポイントで作るチラシテンプレートを掲載しています。化粧品に特化したテンプレートはありませんが、美容関連のテンプレートが約90件、小売・販売業関連のテンプレートが300件弱あるので参考になります。テンプレートの利用にあたっては、アスクルのネット印刷「パプリ」会員ID(登録無料)が必要です。
テンプレートのダウンロードは無料で無制限です。チラシ作りが初めての方でも、解説に沿って画像やコピーを編集する3ステップで本格的なチラシが簡単にできます。QRコードが無料で作れるのもお得です。できあがったチラシは自宅やオフィスのプリンターで印刷できますが、100枚以上の印刷なら安くてきれいなパプリをおすすめします。
※出典:パワポン|美容でつかえるチラシテンプレート(2021年10月15日)
クイックデザイン
クイックデザインは、パソコンが苦手な人でもデザインできるように開発されたツールです。まずは「初めてのお客様へ」をご覧ください。使い方が親切に書いてあるので、デザインへのハードルが下がります。次に「制作のヒント」を参考に進めていきましょう。デザインの下準備をする、操作を間違えたら一つ戻る、など分かりやすく丁寧に説明されています。
化粧品に特化したテンプレートはありませんが、業界別「美容」と「飲食店」が参考になります。提供するテンプレートの数は他社に比べて少ないのですが、一つのデザインで色違い、サイズ違いを展開しています。さらにチラシに加え、名刺、ショップカード、パンフレット、金券まで作ることができます。ページのトップにカスタマーサポートセンターの電話番号を掲載しているので、テンプレートを初めて使う方にも安心です。オンライン上で作成し、印刷はネット印刷「キングプリンターズ」利用が必須になります。
※出典:クイックデザイン|化粧品・エステサロンのチラシ(2021年10月15日)
2.化粧品チラシ作成前に必ず押さえておきたいこと3点
化粧品のチラシを作成する前に、まず以下の3点をご確認ください。押さえておきたいポイントを解説しています。ここを飛ばしてチラシを作成してしまうと、商品の魅力を効果的に伝えることができなくなります。
(2)商品の魅力を明確にする
(3)薬機法、景品表示法の表示違反に気をつける
(1)ターゲット層を設定する
化粧品のチラシを作るときは、始めに誰をターゲットにするかを明確にします。化粧品を購入する消費者はティーンエイジャーからシルバーエイジまで幅広く、ターゲットを間違えると反響が期待できません。なお、世代別だけではなく、「絶対日焼けしたくない」など商品の機能に期待する人、「小じわとサヨナラしたい」など悩みを持つ人に絞る方法も考えられます。
いずれにしてもターゲットを明確にして、その層に刺さるデザインやビジュアルを考えていきましょう。チラシを手にした人に、「私にぴったり。使ってみたい」と思ってもらえるように作ることが大切です。
(2)商品の魅力を明確にする
次に、最も知ってほしい商品の魅力を決めます。その化粧品のブランドイメージを伝えたいのなら、高級化粧品、ナチュラル素材、お手頃で惜しみなく使えるなど伝えたいイメージを明確にします。素材を伝えたいのなら〇〇産のオイル配合、オーガニックなど明記します。
機能を紹介するなら毛穴カバー、UVケア、ニキビ肌に、保湿力、エイジングケアなどのアピールが欠かせません。その際、あれもこれも熱く語りたくなるかもしれませんが、文字が多くなってしまうと読んでもらえなかったり、アピールしたいことが薄れたりします。チラシに掲載する情報は厳選しましょう。
(3)薬機法、景品表示法の表示違反に気をつける
化粧品のチラシを作成するときは、「薬機法(旧薬事法)」と「景品表示法」という2つの法律に気をつけなければなりません。薬機法*1は、化粧品に加えて、医薬品や医薬部外品、医療機器に関して広告の表示方法について厳しく定めています。広告で表示できる効能効果は薬機法で56種類のみとなっています。景品表示法*2は、過大な景品やプレゼントなどの提供や消費者をだますような大げさな表示を禁止する法律です。これらの法律を遵守したチラシの表現にするコツは3つあります。
▼チラシ表現のコツ
例)シミ・そばかすを消します→シミ・そばかすが出てくるのを遅らせます2.オノマトペ(擬態語、擬音語)を利用し言い換える
例)肌荒れが治る→つるつるお肌を目指す3.購入者の悩みにアプローチする
例)肌の血行がよくなる→肌本来の力をサポート
*1 出典:e-gov法令検索│薬機法
*2 出典:e-gov法令検索││景品表示法
3.化粧品チラシを作成するコツ6点
化粧品のチラシを作成する必須ポイント3点を押さえたら、次はよりよいチラシを作るコツ6点を紹介します。
(2)商品写真はクオリティの高いものを使う
(3)目に止まるキャッチコピーをつける
(4)お客様の声を掲載する
(5)チラシを受け取った人だけの「特典」を強調する
(6)どこで購入できるか明記する
(1)おしゃれなビジュアルを中心にデザインを考える
化粧品チラシを作るときは、まず、おしゃれなビジュアルを決めることが大切です。掲載する商品画像のサイズ、商品の掲載点数、モデルの画像を使用するかどうかなど決めましょう。ターゲットが商品を使うことで得られる未来の自分をイメージできるようなビジュアル選びがポイントです。ビジュアルを決めたら、次にどの写真をどこに置くか、配置を考えます。
先に文字情報から作りこんでしまうと、ごちゃごちゃしてビジュアルが活きません。ビジュアルと配置を決めてから、文字を考えましょう。数あるチラシの中から、第一印象で手にしてもらうためにもビジュアルは重要です。自社製品を知ってもらえるかどうかの分かれ目になります。
(2)商品写真はクオリティの高いものを使う
化粧品のチラシを作るうえで、クオリティの高い商品写真を使いましょう。化粧品はブランドのイメージが重要です。せっかくおしゃれなビジュアルやデザインを考えても、肝心の写真がボケたり、安っぽかったりしたら台無しです。高級ブランドはもちろん、お手頃ブランドの場合も写真のクオリティには十分気をつけてください。
その化粧品を使っている「私」、その商品を使ってきれいになった「私」をイメージしてもらうためにも、思わず使いたくなる写真を使いたいものです。できればプロのカメラマンに撮影してもらうことをおすすめします。
(3)目に止まるキャッチコピーをつける
化粧品を思わず買いたくなるチラシは、キャッチコピーがとても重要です。紹介したい商品の魅力や特徴がパッと見て分かること、他のチラシに埋もれないようなインパクトがあることが挙げられます。
チラシがお客様の目に止まり、手に取ってもらい、ほしいと思ってもらえるキャッチコピーは、なかなかハードな課題です。2章『化粧品チラシ作成前に必ず押さえておきたいこと3点』の(1)「ターゲット層を設定する」を思い出してください。商品のユーザー、商品をおすすめしたいユーザーを明確にすることで、アピールポイントが浮かびやすくなります。ご自分がお客様の立場で、こう言われたら手に取りたくなる、使ってみたくなるというフレーズをイメージしてみてください。
(4)お客様の声を掲載する
化粧品のチラシには、お客様の使用感をある程度載せることができます。「小じわが目立たなくなってきた気がする」「ほてった肌にひんやり気持ちがいい」「香りに癒される」「リッチな気分になれる」など、気持ちに特化した感想であればOKです。
しかし、薬機法の制限により、チラシで効果をうたうことできませんので注意しましょう。効果を思いきりうたって、「あくまでも個人の感想です」と逃げの一句を入れるのもNGです。「薬機法」と照らし合わせてみてください。
(5)チラシを受け取った人だけの「特典」を強調する
チラシを手にした人だけが得られる「特典」を用意しましょう。化粧品のチラシにも、「お得感」は欠かせません。それはおしゃれなビジュアル中心、クオリティの高い写真、目に止まるキャッチコピーで仕上げたチラシにも言えることです。ただし、おしゃれな雰囲気を壊さないよう、「あなただけ」というフレーズで特別感を演出したいものです。合わせて「先着〇名様、期限は〇〇まで」とうたい、購買意欲につなげていきましょう。
ここで気をつけたいのが、過度な特典や景品をつけないことです。(3)「薬機法、景品表示法の表示違反に気をつける」(内部リンクを設置)を参考にしてみてください。あなただけのちょっとした特典、足を運びたくなる特典を提案しましょう。
(6)どこで購入できるか明記する
思わず買いたくなるデザインの化粧品チラシに、基本情報は欠かせません。おすすめしたい商品はどこで買えるのかターゲットが迷わないよう、明確に記載しましょう。販売している店舗の住所、電話番号、アクセス方法、ホームページ、QRコードなどを確実に入れましょう。また、通販商品の場合は購入方法も忘れずに入れてください。ターゲット層の年代が高い場合は、切り取って投函できるチラシにしたり、FAX申し込みも受け付けたりすると購入のハードルが下がります。
【コラム】化粧品チラシの配布計画
化粧品チラシの集客効果を高めるためには、配布計画をしっかり練ることが重要です。配布計画とは、「いつ」「どのエリアに」「何枚」「どのような手段で」配布するかということ。お店が望むターゲットを絞った配布計画を立てることで、同じ予算で集客率を上げることができます。
配布エリアは国勢調査などのデータを使って調べられます。「女性人口30~40歳が多いエリア」「化粧品(クリーム、化粧水など)の支出金額が多いエリア」、など、ターゲットとなる属性が多く居住する地域にピンポイントで配布しましょう。
チラシの配布方法には、主に新聞折込、ポスティング、同梱媒体(地域情報誌への挟み込み)の3案があり、それぞれに得意とする条件があります。お店のキャンペーン告知や期間限定クーポンなど日にちの制限がある場合、お店周辺や学区など地域設定の制限がある場合は、それぞれに対応可能な新聞折込やポスティングが使いやすいでしょう。また、チラシのターゲットが「中高年層」の場合は新聞折込、「若年層」の場合はポスティングというように、媒体の特性を活かして使い分けることをおすすめします。
以下は当社が提供しているポスティング・オリコミ・プランナー(POP)でターゲティング配布計画をした一例です。配布エリア設定を検討する際に参考にしてください。
▼POPプラニング例
新聞折込で「東京都港区麻布十番」を中心5㎞商圏で設定した場合、「女性人口30~40歳」「化粧クリーム(美容)」で属性を設定すると配布部数は39,900部になります。カテゴリは最大5つまで、配布地域は2~10㎞まで選択が可能です。(2021年11月15日)
*参考:ポスティング・オリコミ・プランナー|配布計画
4.まとめ
化粧品のチラシはテンプレートを継続して利用することが可能です。テンプレートの使い方を覚えれば、日付やキャンペーン内容などを変えながらご自身でチラシを作り続けることができます。また、プロに作成を依頼する場合でも、ご自身で考えたデザインのラフを提案できれば、より効果的なチラシを作ることができるでしょう。
なお、この記事では「化粧品チラシ」に特化したコツを紹介しました。ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)では、チラシ作成初心者向けに以下のような記事をご用意しています。他の業種にも利用できるので、合わせてご覧ください。
▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事
(1)デザインの一番基本となる、レイアウトの決め方を知る記事
(2)タイトル・キャッチコピーの作り方を知る記事
(3)チラシに使うイラスト素材の探し方を知る記事
(4)フォントの選び方を知る記事
(5)厚さ・紙質などチラシに使う用紙の選び方を知る記事
(6)おしゃれなチラシの作り方を知る記事・ポスティング・新聞折込どっちがいい?など配布の仕方を知りたい
(1)ポスティング、新聞折込、新聞以外への折込、デジタルチラシ・・等手法の特徴を知る記事
(2)ポスティングのやり方・コツを知る記事
(3)折込広告のやり方・コツを知る記事