集客や売上を伸ばすための販促ツールで成果が出ない場合には自社の販促企画や商材と販促ツールの役割と特性を事前に理解し活用していくことが大事となります。本記事では、販促ツールの理解を深め成果を出すために活用シーン、具体例、メリットをまとめました。
1. 販促ツール活用前におさえておくべきこと
販促ツールを利用する上で自社商品とツールがマッチしていない場合、狙い通りの成果を出せず販促予算を無駄にしてしまいます。販促予算を無駄にしないためにプッシュ型販促ツールとプル型販促ツールの役割について解説します。
販促ツールの役割
販促ツールの役割は、自社商材を購入してもらうために消費者へ購入意欲を促進することです。例えば、カタログやPOP、チラシなどがよく使われています。消費者が商品検討段階であれば販促ツールにより自社商材の使用イメージを連想させ、購買行動に働きかけることができます。
一方で、販促ツールをただ使えば効果が出るわけではありません。例えば、チラシの場合は、小さな商圏でも大きな商圏でも使用されますが、商材内容や対象とする消費者を明確にターゲティングしていない場合は販促効果も薄れてしまいます。
プッシュ型とプル型
販促ツールは大きくプッシュ型とプル型に分けられます。プッシュ型とは消費者に直接アプローチする方法で、自社商材を知らない消費者に対して知ってもらうために働きかけるツールとして使用されます。プル型は消費者から企業へ接触してくれることを待つ方法で、自社サイトなどに訪れた人を引き込む、カタログを読んでもらって興味を惹かせるなどがわかりやすい例でしょう。まずは、自社商品を知ってもらうことが優先なのか、認知度がある商品を多くの消費者に購入してもらうことが優先なのかを考えてプッシュ型とプル型を選定することがポイントとなります。
下記はプッシュ型とプル型の概要、具体例、メリットをまとめた表になります。
プッシュ型 | プル型 | |
---|---|---|
活用シーン | 商品やサービスを知ってもらうために消費者へアプローチする | 商品やサービスに興味関心をもってもらい消費者を引き込む |
具体例 | チラシ、DM、POP、ノベルティ | Web、カタログ |
メリット | 潜在ニーズの掘り起こしができる。積極的なアプローチにより認知度を高めることができる。 | 消費者から直接問い合わせをもらうことができるため、成約率が高い。 |
2.【販促ツール別】特性と向いている施策例
販促ツールの種類には、チラシ、DM、POP、ノベルティ、Web、カタログなどがあり、販促効果を高めるには販促ツールの特性や得意分野を把握した上で、適したツールを選ぶことが重要となります。ここでは、販促ツール別にツールの特性や施策例を紹介していきます。¬¬
(2)DM
(3)POP
(4)ノベルティ
(5)Web
(6)カタログ
下記はツールの種類、特性、施策例をまとめた表になります。
ツールの種類 | 特性 | 施策例 |
---|---|---|
(1)チラシ | 簡単に配布ができる | 折込チラシ、ポスティング |
(2)DM | 伝えられる情報が多い、顧客一人一人に最適化できる | パンフレット送付、パーソナライズDM |
(3)POP | 通行人に興味を惹かせることができる | 店内POP、のぼり |
(4)ノベルティ | サービス認知や企業認知をさせることができる | イベントや展示会での配布 |
(5)Web | ホームページはサービスや商品を詳しく掲載できる | 自社サイト運営、リスティング広告 |
(6)カタログ | 多くの商品やサービスを網羅的に掲載できる | 通販カタログ、店頭設置カタログ |
(1)チラシ
チラシは、広域に自社商品やサービスの情報を消費者へアプローチできるツールです。
▼チラシの特性
訴求できる層:新聞購読世帯、年配層
訴求できる情報:家の中でじっくり読んでもらえる内容を両面に掲載可能
ツールの強み:配布枚数が多くても1日で配布ができ、テーブルメディアと呼ばれるように食卓へチラシを届けることができる
ツールの弱み:新聞離れにより無購読の若い層への訴求
★向いている施策
・スーパーやドラックストアなどのセール曜日指定チラシ
・高所得者向け老人ホームや介護施設の訴求チラシ
・葬祭業の訴求チラシ(b)ポスティング
訴求できる層:セグメント配布により戸建て、賃貸世帯
訴求できる情報:配布方法により紙面内容を変更し掲載可能
ツールの強み:新聞無購読世帯への訴求、若い層への訴求
ツールの弱み:配布枚数が多いと配布期間が長く、新聞折込チラシと違いポストからすぐに破棄される可能性もある
★向いている施策
・若者向けイベントチラシ(軒並み配布)
・家の塗り替え訴求チラシ(戸建てセグメント配布)
・住宅購入訴求チラシ(賃貸セグメント配布)
購読者離れによる世帯到達率低下に伴い、新聞折込チラシに変わってポスティングを利用することも多くなってきています。新聞折込チラシとポスティングを選ぶときには、それぞれがカバーできるエリアや配布にかかる期間が異なるため、配布エリアや配布完了日をもとに決めることをおすすめします。それぞれの条件に適していない方法を選んでしまうと、希望していたターゲットに届けられない、キャンペーン開始日にチラシがまだ届いていないといったことが起こる可能性があります。
(2)DM
DMは、顧客情報をカスタマイズし一人ひとり内容を最適化することで、リピーター育成の効果が見込めるツールです。オンライン化が進み自宅時間が増えてきたため、再びDMが注目されています。
▼DMの特性
訴求できる情報:顧客別にカスタマイズした情報
ツールの強み:顧客にあった内容を豊富に掲載可能、購入や利用経験がある企業からのDMは開封率が高まる
ツールの弱み:住所データの更新を正確に行わないと精度が落ちてしまう
★向いている施策
・休眠顧客の掘り起こし
・新規顧客をリピーター化させる(御礼DM、クーポンDM)
・購入履歴を活用したパーソナライズ
DMを実施する前に顧客リストの見直しと顧客ごとにカスタマイズするメッセージ、訴求内容を確認することで高い効果が見込めます。
(3)POP
POPは、目立つデザインにすることで商品やサービスをアピールし興味を惹かせることができるツールです。店内でのPOPは購買意欲を高める、商品を手に取ってもらうことにより追加購入の後押しをさせることができます。
▼POPの特性
訴求できる情報:商品説明
ツールの強み:商品を確認しながらサービスを詳しく説明でき購買意欲を促すことができる
ツールの弱み:無計画にPOPを量産すると煩雑になり、商品情報が消費者へ伝えきれない恐れがある
★向いている施策
・商品説明や口コミ紹介を入れて意思決定を後押し
・タイムセールや特売品の意思決定を後押し
・値引きと商品説明の組み合わせにより意思決定を後押し
しかし、POPを無計画に設置したり、情報量が多すぎたりすると敬遠される場合があります。POPを設置する場所や内容確認を事前に計画する場合、入口付近は目玉商品への誘導POP、レジ付近にはお買い得商品のPOPを配置することで商品やサービスの理解が進み、売上アップにつながります。
(4)ノベルティ
ノベルティは、配布することで消費者が喜んでもらえる、使い道のある商品の場合は企業名や商品、サービスを知ってもらう効果が見込めるツールです。毎日使用できるノベルティは認知度を上げることができ、書きやすいペンや使いやすいポーチやバッグはイメージアップにもつながります。
▼ノベルティの特性
訴求できる情報:企業名、ロゴ、商品名
ツールの強み:企業や商品アピールができ、強い印象を残せます
ツールの弱み:配布する商品によりコストが高くなる場合や、消費者に不用意なものだとイメージダウンになる可能性がある
★向いている施策
・キャンペーン開催
・新商品発表
・ブースでのプレゼンテーション
ノベルティ商品の選定はターゲット、商品、予算を決めて制作することで効果を高めることができます。特に毎日使用するペンやカレンダーは潜在的に企業名や商品を刷り込むことができます。
(5)Web
Web(ホームページ)は、ターゲットが自発的に検索し、たどり着いているため、購買意欲の高い見込み顧客からの問い合わせ効果が見込めるツールです。
▼Webの特性
訴求できる情報:訴求したい商品の詳細
ツールの強み:自社商品などに興味がある消費者をホームページに誘導でき、購入意欲を高めることができる
ツールの弱み:情報不足の場合は、ページ訪問者に対して不安や疑問をもたれてしまう
★向いている施策
・ターゲットを絞り認知拡大
・写真や動画を使用しブランドイメージを浸透
・情報発信により自社のファン作り
成功例として、Webの強みは更新性で、その強みを生かし商品やサービスの最新情報・詳細を更新することでページ訪問者のニーズを満たしたり、他社にない自社商品の強みなどを提供ができ信頼感や安心感を得たりすることができます。ただし、更新するだけでは見てもらえないので、Web広告やメルマガの配信といったWebページを見てもらうための工夫が必要となります。
ターゲットや目的を明確にしないと作っても成果があがりづらくなります。まずは、どのようなターゲットに読んでもらいたいか、問い合わせを増やしたいのか、売上を増やしたいのか、来店を増やしたいのかなどを明確にしましょう。ページの制作は、知識やスキル、手間が必要となるので、専門の業者に依頼するのがおすすめです。ターゲットや目的を自社で考えておくと成果につながりやすいWebページを制作できます。
(6)カタログ
カタログ(店頭設置カタログ)は、商品やサービスに興味を持ち始めた消費者へ購買行動を後押しすることができるツールです。最近ではインターネット上で閲覧できるデジタルカタログを利用する企業も増えてきています。
▼カタログの特性
訴求できる情報:商品ラインナップ、スペック、使用方法など多くの情報を掲載可能
ツールの強み:オリジナルデザインやページ数も自由に設定ができ、デジタルカタログにすれば印刷費や改訂コストを抑えることが可能
ツールの弱み:紙カタログの場合は気軽に読めるが、印刷費や改訂での費用が掛かってしまう
★向いている施策
・視覚に訴える商品演出
・DXへの取り組み、エコへの貢献をアピール(デジタルカタログ)
・営業支援
カタログはターゲット層(高齢者や若年者)や環境(紙やデスクトップ、タブレット、スマホ)を考慮して制作することが重要です。例えば、高齢者向けには見やすいように大きな文字で紙カタログを制作し、若者向けには荷物としてかさばらないようにWebカタログにすることで受け入れやすいカタログとなり効果的に商品やサービスを訴求できるようになります。
3.まとめ
商品やサービスをどんなターゲット層にどのように見せるかを事前に検討することでより効果的な販促ツールを選ぶことができ、認知度向上や購買意欲を刺激し購入させるきっかけづくりができます。
当社が提供しているポスティング・オリコミ・プランナーを使えば、商品やサービスのターゲット層(属性)へプッシュ型販促ツール(折込チラシ、ポスティング)にて訴求ができます。配布エリアを選定する際に参考にしてください。
また、プッシュ型販促ツール(折込チラシ、ポスティング)を使用した配布計画の作り方の記事を用意しています。ぜひご覧ください。
▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事
(1)ポスティング、新聞折込、新聞以外への折込、デジタルチラシ・・等手法の特徴を知る記事
(2)ポスティングのやり方・コツを知る記事
(3)折込広告のやり方・コツを知る記事