手書きチラシは手作り感があり目立つため、広告手法として有効です。しかし、手書きチラシは自由度が高い分、どのようなデザインにすればよいか、どういった情報を掲載すればよいか分からないことがあります。
この記事では、手書きチラシの制作例を店舗オープン・求人募集・イベント告知など目的別に紹介します。制作手順も併せて解説しますので、手書きチラシを制作する際に参考にしてください。
1.目的別|手書きチラシの見本
手書きチラシはどのようなデザインにしたらよいのでしょうか。ここでは、手書きチラシのデザイン見本を「オープン・自己紹介」「スタッフ募集案内」「イベント開催案内」などの目的別にご紹介します。見本画像の下にそれぞれ見本の良い点を記載していますので制作時の参考にしてください。
オープン・自己紹介の手書きチラシ
【手書きチラシ例:パン屋がオープンを告知するチラシ】
この手書きチラシでは、メインメッセージである「パン屋のオープン」を全面に出すためイラスト、屋号、日付、オープンの文言を大きく表示しています。また、お客さんに案内するため手書きの地図や営業時間、連絡先を入れたり、来店を後押しするための先着情報、特典情報を記載したりと工夫しています。
手書きチラシは安心感を与えることができるため、相手に触れての施術が必要な美容院や歯科医院のオープン・自己紹介チラシに向いています。また、手書きチラシは親しみやすさも感じられるため、カフェのオープン告知にも適しています。
スタッフ募集案内の手書きチラシ
この手書きチラシでは、親しみをもってもらうために「タイトル」と「正社員の声」を手書きで載せています。一方で募集要項など情報量が多い部分は手書きに近いフォントをWordで打ち、カッチリとしたレイアウトに仕上げました。
手書き求人チラシは飲食店や介護職、販売などアルバイトが多く、規模もそれほど大きくないアットホームに働ける職場でのスタッフ募集のチラシでよく使われます。手書きチラシにすることで職場や働いている人のイメージができ、楽しく安心して働ける期待を持たせることができるからです。
イベント開催案内の手書きチラシ
この手書きチラシではお祭りのイメージを前面に出すために、商用利用無料の素材サイトからお祭りイラストの素材をダウンロードし、印刷して一つ一つ切り貼りしました。文字量が多い部分は手書きに近いフォントをWordで手打ちし、作業を簡単にしています。
【コラム】手書きチラシを作ることのメリット・デメリット
パソコンでチラシデータを作ることが当たり前の時代、あえて手書きのチラシで訴えることにより他にはない様々な利点があります。
まず手書きチラシであるだけで異質な存在感を放ち、人の目を引く目立つチラシになります。さらにチラシ読者とクライアント双方でメリットがあります。
チラシ読者のメリットは見て楽しめるところです。手書きによる面白さや丁寧さ、温かみが込められる事により受け取る方は安心感や親近感を持ちやすくなります。肩の抜けたタッチで「売り込みされる」警戒心を解くことができるなどの特徴があります。
クライアントのメリットは自分で制作する事によるコスト削減です。それによりどんなチラシが効果的か何度でもテストできることと、何度も撒くことができて認知度向上につながることです。
一方で手書きチラシはレイアウトのバランスが崩れやすい、誤字脱字をしやすい、修正することが難しいなどのデメリットもあります。
2.手書きチラシの基本の作り方
手書きチラシはパソコンで作るより手間がかかるため計画的に作ることが重要です。要領よく制作するコツは以下の4つです。
制作に必要な道具は原稿制作に・紙・鉛筆・消しゴム・ハサミ・のり・ペン・マーカー・色鉛筆です。制作ソフトはMicrosoft WordとCubePDF(無料ソフト・原稿をPDFやJPEGに変換するソフト)で十分できます。作成した原稿をパソコンに取り入れ、素材を印刷するためにA4のスキャナー付きプリンター(B4やA3でも可)を使います。
(1)ターゲット・掲載情報を整理する
手書きチラシは誰に向けて発信するか決めると制作しやすくなります。若い家族向け、50代~60代主婦向け、または男性向けなど商品やイベントはどんな年代層に見てもらいたいかイメージしましょう。
そのターゲットの好みに合わせた配色、フォント、装飾、写真、また機能的にも地図の有無、文字の大きさ、QRコードの導線など必要な要素が変わります。例えば女性向けなら可愛いイラスト、シニア向けならわかりやすい地図や大きな文字などターゲットを決めてそれに合った掲載情報を整理しましょう。
(2)レイアウトを決める
手書きチラシのターゲットと掲載情報を決めたら、レイアウトを作成します。レイアウトを作成するにはたくさんの参考事例を集めて自分のイメージに近いものを選びます。Googleの画像検索もしくはPinterest(ピンタレスト)で「手書きチラシ」を検索しサンプルを集めます。
サンプルを集めてチラシのイメージができたら紙にだいたいのレイアウトを書いていきます。まずはどこにどのような情報を入れるかを大まかに書きます。優先順位が高いのはチラシに明記が必要であるお店の名前・住所・連絡先です。続いて営業時間や地図など、掲載することでお客さんが来店しやすくなる情報を入れます。
(3)文字情報を入れる
手書きチラシの制作手順3つ目は、文字情報を入れることです。文字情報は部分ごとに作成しましょう。情報の塊ごとに作成することで、後から場所や大きさの変更ができます。同じ紙に全て書き込むと、失敗した際にやり直しに時間がかかってしまいます。文字を書いたらスキャナーでパソコンに取り込むか、アナログで作業する場合は紙の上に配置します。また文字を書くことに慣れていない方は無理に全て手書きで書かず、「手書き風のフォント」を使うことをオススメします。
(4)イラストや線などで装飾する
手書きチラシの制作手順4つ目は、イラストや線などを使った装飾です。自分でイラストを描ける場合や写真(商品やお店スタッフの顔など)がある場合はスキャナーでパソコンに取り込むか、紙の上に配置してアナログで作業して装飾します。
絵が描けない場合は、商用利用可能の無料イラスト素材からイメージに合う手書き風のイラストを探してパソコン上で配置します。ここからは、これまで紹介した3つのチラシのメイキングをお見せします。
▼パン屋の手書きチラシのメイキング
▼求人の手書きチラシのメイキング
▼夏祭りの手書きチラシのメイキング
※各画像は、イラストAC|無料イラストなら「イラストAC」をもとに弊社で作成
【コラム】パソコンで手書き風チラシにするコツ
パソコンでチラシを手書き風に見せたい場合は「手書き風フォント」を使うと入力したテキストがまるで手で書いたようになります。パソコンに手書き風フォントがない場合は商用利用可能な無料素材サイトからダウンロードして使うことができます。
イラストも同様に手書きに近い素材を選ぶことで手書き風チラシにできます。パソコン上で作るためオリジナル性や自由度は薄くなりますが、アナログで制作するより整ったレイアウトになります。
手書き風のフォントやイラスト素材は、手書きチラシを作りたいけれど上手い字が書けない方やイラストが描けない方、時間をかけたくない方におすすめです。
3.まとめ
手書きチラシでは他にはない個性的なチラシを作ることができます。それだけでなく手書きによる丁寧さ、温かみによって受け取る側に安心感や親近感を与え、警戒心を解くことができます。
クライアントのメリットは自分で制作する事によるコスト削減でチラシの効果を何度でもテストできる、認知度が上げられることです。一方、制作過程で一度失敗するとやり直しが簡単にできないというデメリットがあります。
しかし手書きチラシ自体がチラシ作りの練習になるため、いずれ外注を使うにしても良いチラシを作っていくための練習になります。手間はかかりますが手順を守り一つひとつ丁寧に仕上げていくことで人の目を引くチラシが作れます。ぜひ積極的に取り組んでみてください。