完全版!チラシ原稿の作り方|ノンデザイナー向け9つの手順で完成

初めてチラシを行う方、これまで何となくやってきて効果が上がらなかった方は、「何から手を付けるのかわからない」「どうすればもっと効果の上がるチラシを作れるのだろう」「できるだけコストを絞りながらチラシ広告を実施したい」等悩んでいらっしゃると思います。

Web広告と比べると、包括的にチラシ広告の原稿作成~配布実施まで説明したサイトは意外に少なく困った方もいらっしゃるでしょう。この記事では、原稿作成から配布実施まで、順を追って説明します。

1.チラシ原稿作成の準備をする

チラシの原稿作成を行う時は、いきなり作成ソフトを起動してデザインを始めるのではなく、原稿作成の準備をしてから取り掛かります。よい準備ができるかどうかでチラシの実施効果は8割決まるといわれています。チラシ原稿作成の準備の手順は下の4つです。

▼チラシ原稿作成準備の手順4つ

1)チラシの目的と目標を考える
2)誰に/何を/どう伝えるかを整理する
3)申し込み導線を設計する
4)チラシの用紙サイズを決める

1)チラシの目的と目標を考える

チラシ原稿作成準備の最初のステップは、チラシを行う目的を明確にし、チラシで得られる効果の目標を数字で考えることです。目的がはっきりしているとチラシに掲載する情報や要素を絞り込むことができます。また、反応数の目標を持っておくことでチラシの効果検証ができ、その後の改善につながります。以下では業界別によくあるチラシの目的や目標数の例を挙げます。

▼チラシの目的や目標数設定の例

・塾のチラシ:目的は夏期講習の問い合わせ獲得、目標は問い合わせ15件
・飲食店のチラシ:目的は新メニューのPR、目標は来店者数昨月日+30組
・不動産のチラシ:目的は新規分譲物件の問い合わせ獲得、目標は問い合わせ数3件

2)誰に/何を/どう伝えるかを整理する

チラシ原稿作成準備の第二のステップは、チラシを通じて誰に/何を/どう伝えるのか(WHO/WHAT/HOW)を整理することです。整理するときは、「誰に」は届けたいターゲット、「何を」は伝えたいメッセージの中身、「どう伝える」は表現したい世界観、という視点で考えてみてください。この3つの要素を「誰に、何を、どう伝える」という形式で事前に整理することで統一感が出て、伝わりやすいチラシを作ることができます。以下では業界別に誰に/何を/どう伝えるかの例を挙げます。

▼誰に/何を/どう伝えるかの例

・塾のチラシ:「中学3年生でこれから受験期を迎える子供の親」に、「夏期講習にかける教師やスタッフの熱意」を、「やる気と信頼感を感じられる世界観」で伝える
・飲食店のチラシ:「30~40代の近隣に住んでいるママさん」に、「新メニューのおいしさ」を、「夏のさわやかさを表現した清涼感のある世界観」で伝える
・不動産のチラシ:「新規分譲物件の近くに住んでいる夫婦」に、「新しい分譲物件で体験できるゆとりのある暮らし」を、「高級感を感じられる世界観」で伝える

3)申し込み導線を設計する

チラシ原稿作成準備の第三のステップは、申し込み導線を設計することです。実店舗を持たない場合は申し込み導線を、実店舗がある場合は問い合わせや来場の導線を明確に設計します。導線をはっきり作っておかないとチラシの効果が測定できなくなってしまいます。以下によくある申し込み導線の例を挙げます。

▼申し込み導線の例

申し込みを促すチラシの場合(イベントチラシや、通販のチラシなど)
・電話番号:電話がつながる時間、曜日を書きます。特に祝日休日に関しては記載がないとクレームにつながるので注意します。
・郵送先、FAX番号:書き込み式の申し込み表を載せます。地方では未だにFAXの申し込みも多いです。
・SNSアカウント:「Twitter:@xxx」のように簡潔にアカウント名を載せます。
・申し込みサイトのURL、そのURLにつながるQRコード:ページを持っていない場合は、Googleフォーム他無料ツールで良いので申し込みフォームだけでも作ります。
・申し込みサイトに誘導するキーワード:検索広告の設定を忘れないでください。来店や来場を促すチラシの場合(美容院や学習塾のチラシなど)
・地図:Google Mapのコピー掲載は禁じられていますので注意しましょう。
・電話番号:電話がつながる時間、曜日を書きます。特に祝日休日に関しては記載がないとクレームにつながるので注意します
・SNSアカウント:「Twitter:@xxx」のように簡潔にアカウント名を載せます。
・公式サイトのURL,そのURLにつながるQRコード:持っていない場合は、ポータルサイトに登録しリンクを張ることをおすすめします
・公式サイトに誘導するキーワード:検索広告の設定を忘れないでください。

これらの申し込み導線を設計する際は、どれか一つに絞らず全て掲載することを。当社が過去イベントを行った例ではサイトのURLを掲載するだけだと20程度の申し込みだったのが、Web・電話・FAX・・・と用意すると結果的に倍近くの申し込みとなったこともあります。加えて、申し込み・問い合わせ導線を設計する際は、申し込み・問い合わせを後押しする要素も付けるとよりよいです。クーポンをつけたり、「問い合わせの際にチラシを見たというとxxをサービス」といった文言をつけたりしましょう。QRコードについては「QRコード付きチラシで失敗する6つの理由!成功方法も紹介」で詳しい作り方を紹介しています。

4)チラシの用紙サイズを決める

チラシ原稿作成準備の第四のステップは、チラシの用紙サイズを決めることです。チラシのサイズは、大きくなればなるほどインパクトは大きくなりますが、その分印刷や配布にかかる値段も高くなります。迷った場合は、折込チラシならよく使われているB4、ポスティングチラシならA4かB5がおすすめです。チラシのサイズについては「チラシのサイズのおすすめは?サイズ別の費用相場や利用シーンを解説」の記事でも詳しくまとめています。

2.チラシ原稿の作成手順5つ

ここまでの手順に沿ってチラシ原稿作成の準備が整ったら、実際にチラシ原稿を作成していきます。上記の準備でそろえた方針とずれないように、以下の手順に沿って読み手に伝えたいことが表現できる原稿を作っていきます。

▼チラシ原稿の作成手順5つ

1)必要な事項を整理し、レイアウトを考える

最初の作成手順は、必要な事項を整理しレイアウトを考えることです。準備の段階で整理した「目的」「誰に/何を/どうやって伝えるか」「申し込み導線」を踏まえ、チラシに必要な事項を整理します。必要事項が整理できたら、紙面のスペースを有効に使えるレイアウトを考え、全体感を作ってから個々の事項を作りこんでいきます。

【チラシに掲載したい要素を整理する】

まずは下の図のように、チラシに掲載する要素を整理します。 

【レイアウトを考える】

次に、レイアウトを作りこんでいきます。初心者の方におすすめしているのは、「シンメトリー(左右対称型)・レイアウト」または「グリッド(格子型)・レイアウト」という型に当てはめて作っていく方法です。

▼シンメトリー・レイアウト

用紙の真ん中に軸を作り、「上から下」「左右対称」に掲載したい要素を配置していくレイアウトです。

▼グリッド・レイアウト

「グリッド・レイアウト」は、用紙を格子状のエリアに分け、各要素をそれぞれのエリアに当てはめてゆくレイアウトです。

レイアウトについては「チラシレイアウトの基本|見やすくする7つのコツ&テンプレサイトも」の記事で詳しくまとめています。

2) ビジュアルを選ぶ

チラシ原稿作成の第二の手順は、メインビジュアルを選ぶ作業です。チラシ原稿を作成するときは文字情報の作りこみより先に、ビジュアルを決めることをおすすめします。メインビジュアルは大きくスペースをとればとるほど効果的になる一方、文字情報から作りこんでしまうとどうしてもメインビジュアルに割くスペースが小さくなりがちなためです。次のような手順でメインのビジュアルを選びましょう。

▼ビジュアルを選ぶ手順5つ

1.ターゲット層がGoogleなどでサービスに関連したことを検索するとき、使いそうなキーワードを考える
2.商用利用可能な画像サイトで、1で考えたキーワードで画像検索をかける
3.出てきた画像のうち、ぱっと見で目についた画像を複数選ぶ
4.目についた画像のうち、「チラシで伝えたいこと」か「ターゲットがなりたい姿」と関連性の深い画像を選ぶ

4がうまくいかなければ、3に戻ってもう一度画像を複数探します。それでもダメなら2に戻ってキーワードを変えて3に進んでください。イメージとあわない場合は、キーワードを英訳して検索するとおしゃれな画像が出てくることが多いです。画像サイトは、下記のようなサイトを活用できます。

▼PhotoAC

出典:PhotoAC (2021年5月9日閲覧 トップページ)

▼ShutterStock

出典:ShutterStock (2021年5月9日閲覧 トップページ)

下記のサイトを使うと、選んだ画像から背景を取り除くことができ画像をより使いやすくなります。商用利用は有料なので注意してください。

▼removebg

出典:Remove.bg (2021年8月29日閲覧 トップページ) 

3) キャッチフレーズを考える

チラシ原稿作成の第三の手順は、キャッチフレーズを考えることです。キャッチフレーズを考える時には、準備の時にまとめた「誰に/何を/どうやって」を思い出し、ターゲット像の持っている悩みや、好みそうな雰囲気、ほしいと思っている便益を考えます。そして「自分に合いそうだ」と思ってもらえるように、その悩みが解決できそうなフレーズや好ましい雰囲気、得られる便益を表現してゆきます。「【テンプレート有】 おしゃれなチラシデザイン例を紹介!作成のコツも解説」の記事で取り上げた実際のチラシの例を参考にしながら解説します。

【花屋のキャッチフレーズ】

キャッチコピー:いい日には、いい花がある。 あなたにいい日を届けたい。

まずは「近所のお花屋さん」のターゲットになりそうな「主婦層・OL層」に、「お花を通じて日常が少し華やかになる」という便益を「シンプルでやわらかな雰囲気」で伝えたい、という風に整理します。これを端的に表現するために、「いい日には、いい花がある。 あなたにいい日を届けたい。」というキャッチフレーズをつくりました。

【レンタルオフィスのキャッチフレーズ】

キャッチコピー:#在宅ワークもう飽きた

「コロナ状況下で長く在宅ワークにつかれたサラリーマン層」に「在宅のイライラから解放されるシェオフィス」の便益を「黒ベースで締まった感じが出るシンプルな世界観」で伝えたい、という風に整理します。ターゲット層の悩みをシンプルに表現するために「♯在宅ワークもう飽きた」というフレーズを作りました。笑顔で業務をしている女性の画像と合わせてちぐはぐ感を出すことで、よりキャッチフレーズを印象付けています。

キャッチフレーズのつけ方については「チラシはタイトルが重要?反響を生むための10のコツを解説!」の記事でも「タイトルの作り方」として詳しくまとめています。 

4) 配色とフォントを決める

チラシ原稿作成の第四の手順は、表現したい世界観に従って配色とフォントを決めることです。配色を決める際には、ベースカラー・サブカラー・アクセントカラーの3つを決めてゆきます。それぞれの色の使用割合は「6:3:1」,「70%/25%/5%」などが良いとされています。アクセントカラーには濃い目の色を選びましょう。

▼配色バランスの例

ただし、いきなり色のバランスを考えるのは難しいでしょう。そういった場合は、次で紹介するを使うと、バランスの良い配色のアイデアを集められます。

▼Color Hunt

出典:Color hunt (2021年8月30日閲覧 トップページ)

Color Huntは色の組み合わせのアイデアが集まるサイトです。この中からベースカラー・サブカラー・アクセントカラーの3色の組み合わせをピックアップしてゆきましょう。

配色が決まったら、メインで使うフォントを選びます。チラシで使われる代表的なフォントを大きくまとめると、ゴシック体・明朝体・筆書体・手書きの4種類です。

それぞれの書体の特徴についてまとめました。

▼ゴシック体・明朝体・筆書体・手書きそれぞれの特徴

フォントの特徴ゴシック体明朝体筆書体手書き
可読性フォントによるフォントによる
視認性フォントによるフォントによる
印象統一感・力強さ安定感・繊細高級・伝統的可愛い・若い
適した商材の例男性向け化粧品・健康食品和風・歴史物子供向け

実際にはフォントは上記4種類から、無数に枝分かれしています。表現したい世界観とマッチしたフォントを選びましょう。フォントの選び方については「効果が出るチラシのフォントとは?おすすめフォントも紹介」の記事で詳しくまとめています。

5) ソフトやツールでデザインする

チラシ原稿作成の最後の手順は、イラスト作成ソフトやツールでデザインを起こすことです。上記の手順で作りこんでいった、レイアウト、ビジュアル、キャッチフレーズや世界観を形にしていきましょう。イラスト作成ソフトやツールはプロ用のものからテンプレートを使って初心者でも簡単に作れるようになっているものまで、さまざまです。4つのソフト・ツールを以下で紹介します。

▼Adobe illustrator

出典:Adobe illustrator (2021年8月30日閲覧 トップページ)

Adobe illustratorはチラシデザインの現場で最も使われているソフトです。プロ用のソフトですが、YouTubeなどで使い方解説の無料動画が数多くアップロードされており、最近では使う敷居が低くなっています。利用には公式サイトから有料会員登録が必要ですが、7日間の無料プランも公開されています。(2021年8月30日現在)

▼GIMP

出典:GIMP (2021年8月30日閲覧 トップページ) ダウンロードはこちらから(2021年8月30日閲覧)

GIMPは無料のペイント・画像加工ソフトです。無料とはいっても、プロ向けのツールとしてそん色ないくらいに幅広い機能を持っています。有料ソフトは敷居が高いという方におすすめです。

上記のようなソフトを使ってデザインをすると、自由度は高いですが、ノンデザイナーの方にはゼロから作るのが難しいかもしれません。そういった方には下のようなツールや、パワーポイントのテンプレートを使ったサイトをおすすめします。

▼Canva

出典:Canva (2021年8月29日閲覧 トップページ)

「Canva」はブラウザベースで直感的な操作でチラシを作れるデザイン作成ツールです。もともと用意されているテンプレートが洋風でおしゃれなものが多く、ノンデザイナーの方でもこれらをもとに作ることでデザイン性の高いチラシを簡単に作れます。Canvaを使ってチラシを作る方法については、「無料でチラシ作成!おすすめアプリ4選|チラシ作成の実践例2つ」の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。 

▼パワポン

出典:パワポン (2021年8月29日閲覧 トップページ)

「パワポン」はパワーポイントで編集できるチラシテンプレートサイトです。特徴はパワーポイントを使ってテンプレートからチラシを作れ、専用ソフトの勉強が必要ないことです。無料でテンプレダウンロードできるテンプレートが1,520件(2021年8月30日現在)もあり、用途や業種別に使いやすく分類されています。利用には「パプリ」の会員登録が必要です。

【コラム】配布計画と印刷発注がWeb上で簡単にできるサイトを紹介

チラシ原稿を完成させた後には、「どこに」「何枚」「いつ」配るのかという配布計画の作成が重要です。特に配布計画の良し悪しは、デザインと同じくらいチラシ広告の効果に影響があるので、しっかり作りこむ必要があります。配布計画の立てるときは、一般的にはチラシ原稿のターゲット像とする人が多く住んでいるエリアを国勢調査などのデータを使って調べます。

またチラシ原稿完成後には、併せて印刷の準備もしておきましょう。最近はインターネット上で安価に印刷を入稿発注できるサービスが多数ありますが、多くはillustrator等で入稿用のフォーマットに編集しなおす必要があります。

配布計画の作成は「エリアの情報を調べるのが面倒だ」、印刷は「入稿用の編集に手間がかかる」といわれる方もいらっしゃいます。「ポスティング・オリコミ・プランナー」を使うと、Web上で簡単に配布計画と印刷発注ができます。

▼ポスティング・オリコミ・プランナー

出典:ポスティング・オリコミ・プランナー (2021年8月30日閲覧 トップページ)

特に配布計画についてはWeb広告のように「こういった属性の人が多い地域に配りたい」という指定をして配ることができます。例えば、「20代の女性が多い地域に配りたい」「年収が1,000万以上の人が多く住んでいる地域に配りたい」「理美容サービスの消費が多い地域に配りたい」などといった指定ができます。

▼ポスティング・オリコミ・プランナーでの配布計画策定例

出典:ポスティング・オリコミ・プランナー (2021年8月30日閲覧 プラン例)

上記は、港区麻布十番を中心に「楽器の消費額が多い」「6歳以下の子供がいる夫婦」で配布計画を作った例です。「ポスティング・オリコミ・プランナー」は見積もりまでWeb上で会員登録なしで行えるので、お見積りを試してみてはいかがでしょうか。

3.まとめ

チラシの原稿をうまく作るためには、いきなり紙面づくりに取り掛かるのではなく、適切な準備をして、正しい手順で作業を進めることが重要です。正しいやり方に沿って原稿作成することで、ノンデザイナーの方でも十分効果のあるものができあがります。

また、できあがったチラシ原稿の印刷や印刷したチラシの配布計画についても事前に検討しておきましょう。原稿作成から配布まで丁寧に計画実行することで、より高い効が期待できます。

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