ジオターゲティング広告とは?|実施すべき3つのケースと注意点を解説!

近頃、販促や集客に関する手段の1つに「ジオターゲティング広告」というワードをよく耳にするようになりました。しかし「ジオターゲティング広告」にはどのような特徴があってどういったことに有効なのか、はっきりとよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では「ジオターゲティング広告」の特徴や仕組みを解説するとともに、どういったシーンで有効活用できるのか、注意点や事例も交え紹介していきます。

1.ジオターゲティング広告とは?

ジオターゲティング広告とはいったいどのようなものなのでしょうか。販促や集客に関連するシーンにおいて、その特徴や仕組みを解説していきます。

ユーザーの位置情報に基づいて特定の対象者に訴求できる広告手法

ジオターゲティング広告とは、スマートフォンの接続情報などのデータから得たユーザーの位置情報をもとにターゲットを選んでWEB広告の配信を行う広告手法です。

ジオターゲティング広告は他の広告手法とは大きく異なる点があります。基本的な内容を理解することで、自社にとってメリットがある施策かどうか判断すると良いでしょう。

(1)ジオターゲティング広告の特徴
(2)ジオターゲティング広告の仕組み
(3)ジオターゲティング広告が効果的なシーン

(1)ジオターゲティング広告の特徴

ジオターゲティング広告はユーザーの実際の行動に基づいたターゲティングができるため、特定エリアでの認知向上や実店舗への来店促進に向いています。

ジオターゲティング広告はリアルタイムの位置情報を取得することで、今現在特定のエリアにいるユーザーへ広告を配信できます。また過去の移動履歴などの情報も取得することができるため、ユーザーの行動や興味・関心にマッチした広告の配信が可能となります。

(2)ジオターゲティング広告の仕組み

ジオターゲティング広告はスマートフォンなどのデバイスからユーザーの位置情報を取得して広告を配信しています。ユーザーの位置情報を取得する手段にはGPS、Wi-Fi、Beaconなどがあります。

▼位置情報の取得手段

名称特徴精度データ量
GPS人工衛星を利用し広範囲の検知が可能やや低い多い
Wi-FiGPSでは難しい地下や店舗ごとの検知も可能高いやや多い
Beacon半径数10cm単位で精度の高い検知が可能かなり高い少ない

近年、位置情報サービスの技術向上が加速しており、より精度の高い位置情報の取得が期待されています。

ユーザーの位置情報を取得した後、自社の商品やサービスにマッチするターゲットを洗い出し、そのターゲットに対してWeb広告を配信します。配信自体はジオ―ターゲティング広告の配信を行っている会社に依頼するのが一般的です。ジオターゲティング広告の配信会社を選定したら、広告出稿の内容を決め配信を実施します。配信会社によって内容は異なりますが、配信対象となるターゲット・広告内容・配信ボリューム(エリアなど)を決めることが必要になってきます。

参考例としてジオターゲティング広告を取り扱っている「スマオリ」様の配信までの流れをご覧ください。

▼出典:スマオリ

(3)ジオターゲティングの費

ジオターゲティング広告の費用は、「最低出稿金額」と「課金方法に応じた費用」が発生します。課金方法には広告の表示回数で課金される「インプレッション課金」とユーザーが広告をクリックしてリンク先のサイトを訪れるたびに課金される「クリック課金」があります。

「最低出稿金額」は30万~100万前後と広告配信会社によって設定が異なりますので、事前の確認が必要です。また「インプレッション課金」は広告表示1,000回で200~700円前後、「クリック課金」は1クリック150~300円前後が相場と言われています。

費用をかければ広告効果は高くなるかも知れませんが、あくまでも予算に見合った最低出稿金額と課金方法を選択してジオターゲティング広告を実施することをおすすめします。

2.ジオターゲティング広告を実施すべき3つのケース

ジオターゲティング広告を実施する場合、どのようなケースに有効か、以下3つのケースを解説します。

(1)実店舗への来店を促したい
(2)潜在顧客にアプローチしたい
(3)広告費用を抑えて宣伝したい

(1)実店舗への来店を促したい

ジオターゲティング広告は自店舗を利用する可能性が高いユーザーに対して広告配信することができ、実店舗への来店を促すことに有効です。

ジオターゲティング広告は行動履歴から導き出したターゲットを「見込み客」と考え、そこへダイレクトに訴求することができます。店舗近隣の見込み客に対してセールやキャンペーンの広告を配信するなど、インターネット経由の集客施策によってユーザーを実店舗の来店に導くOtoO(Online to Offline)という手法との親和性が高いと言えます。

例えば新車販売の店舗に来店を促す場合、競合他社の店舗に訪れたユーザーや中古車販売店に訪れたユーザーなど車の購入を検討しているであろうターゲットにジオターゲティング広告を訴求するといったケースが該当します。

(2)潜在顧客にアプローチしたい

ジオターゲティングはユーザーの行動履歴から興味関心やニーズを知ることができるため、潜在顧客へアプローチすることに有効です。

ジオターゲティングではユーザーがどういった店舗に足を運んでいるか、どのような場所に長く滞在しているかなどの行動履歴を追うことで、そのユーザーの特徴を判断することができます。「スポーツジムに通っている」「週末は必ずラーメン店に行く」などそのユーザーの趣味や嗜好が反映されますので、自店・自社の商品やサービスにマッチする潜在顧客の存在が明らかになり、広告を配信するなどアプローチしやすくなります。

例えば新作のランニングシューズをPRしたい場合、位置情報を活用しスポーツ用品店やジョギングコースを頻繁に訪れているユーザーをターゲティングします。それにより「ランニングシューズを購入される可能性がある人」をターゲットとした広告を効率的にアプローチすることができます。

(3)広告費用を抑えて宣伝した

ジオターゲティング広告はターゲティングにより、ムダな配信がなくなるので、広告費用を抑えた宣伝が可能です。

ジオターゲティングでは位置情報を活用することでターゲットの活動エリアや過去に訪れた場所などを確認することができます。その情報をもとに広告配信エリアを設定できるので、配信エリアを絞り込み、見込み客となるターゲット以外への広告配信を抑えれば、広告費用を抑えることにもつながります。

例えばフィットネスクラブの会員獲得に向けた広告を出したい場合、「店舗最寄りの駅を利用し、競合店舗の利用実績がある女性」というようにターゲットを絞り込みます。対象者のみに広告配信することで、不特定多数のユーザーにばらまくようなムダ配布は無くなり広告費用を抑えられます。

3.ジオターゲティング広告実施前に押さえておくべき注意点

ユーザーの現在地や行動履歴から効率の良い宣伝が行えるジオマーケティング広告ですが、メリットだけではなく注意しておくべき点も存在します。

(1)短期的な売上アップを狙う場合は向いていない
(2)ターゲットを絞り過ぎると効果が見込めない
(3)効果測定の結果からPDCAを回すのが難しい

(1)短期的な売上アップを狙う場合は向いていない

ジオターゲティング広告は商品の購入やサービスの申し込みなど短期的な成果に向いていません。

ジオターゲティング広告が効果的な場面は「新商品発売」や「リニューアルオープン」など認知拡大や来店促進であり、「特売セール」や「入会半額キャンペーン」などユーザーにダイレクトな行動を求めるケースではメリットを発揮しづらいでしょう。

広告配信を計画的に実施することで認知拡大から来店者数が増え、売上向上に結び付くといったように段階を経て成果につながります。そのためジオターゲティング広告をどの場面で実施するかが重要となってきます。

(2)ターゲットを絞り過ぎると効果が見込めない

ジオターゲティング広告はターゲットを絞り込めることが特徴の1つですが、絞り込み過ぎると広告効果が少なくなってしまう場合があります。

自店・自社の商品やサービスに合わせ見込み客となるターゲットを選定する際に、いくつもの条件を付け加えたくなりがちですが、その条件すべてを満たすユーザー以外は除外されてしまいます。結果的に表示されるユーザーの数が十分でなくなってしまうため、絶対数が少なければ認知拡大や潜在顧客へのアプローチには結びつきません。

(3)効果測定の結果からPDCAを回すのが難しい

ジオターゲティング広告は効果測定の結果を分析しづらく、PDCAサイクルを回すのが難しいと言えます。

ジオターゲティング広告の配信結果は数値として確認することができますが、指標となるクリック数や表示回数、実際の来店客数を単純に見てもその結果が良いのか悪いのか判断しづらい部分です。どのような広告効果があったのか、改善すべき点はどこなのかなど分析しなくてはなりませんが、Webマーケティングやジオターゲティング広告に精通していなければ数値を読み解くことは困難です。

このようにジオターケティング広告の配信結果にどんな改善点があって、次にどんなアクションを起こすべきか見えづらい状況ではPDCAサイクルを回すことはできません。そのため配信結果の分析が難しい場合は、プロに依頼することも有効な手段の1つです。

4.ジオターゲティング広告の活用事例

ここでは、販促の課題に対してジオターゲティング広告を活用した事例を架空の企業をモデルとしてご紹介します。

自動車ディーラーA社の事例

架空の自動車ディーラーA社が、メイン顧客層以外の層への新車販売拡大を目指し、ジオターゲティング広告を実施したケースで考えてみましょう。実施するにあたり課題や目的を明確に設定することが、効果測定を行う上でも重要なポイントとなります。

▼ジオターゲティング広告実施に関する設定

【課題】
メインターゲットである30代~50代の男性以外の層を開拓し顧客を増やしたい。

【目的】
店舗および自社取り扱い車種の認知を拡大する。

【目標】
メインターゲット層以外の層のCTR(クリック率)が平均値以上になることを目指す。

上記のように課題、目的、目標を設定した上でジオターゲティング広告を実施します。

▼ジオターゲティング広告実施フロー

今回の事例では、ジオターゲティング広告の配信によりCTRが上昇し、目的である認知拡大につながる可能性が確認できました。

今回の目的は認知拡大ですが、ジオターゲティング広告の施策をPDCAサイクルにより実施することで、最終的なコンバージョンにつながる可能性が高まります。

5.ジオターゲティング広告のおすすめサービス8

現在、ジオターゲティングが利用できる広告媒体は多数あります。ここではその中でもおすすめのサービスを8つ紹介します。

サービス名サービス概要おすすめ理由おすすめのケース、
利用シーン
GeoLogic Ad「鉄道通勤者、特定の自動車保有者、マンション居住者」など多彩なターゲティングが可能。

店舗周辺に「今いる人」「住んでいる人」「過去に訪問した人」へ広告配信ができる。

他の媒体にはない特殊なターゲティングができるため、より効果の高いターゲティングによる訴求ができる。他のサービスと比べ低価格で出稿が可能なため、初めてジオターゲティング広告を実施する方におすすめ。
ASE Ad国内最大規模の位置情報データベースを持ち、LINE・Twitter・FacebookなどのSNSへの出稿も可能。リーチ母数は国内最大級。

全国の狙ったエリアに来訪しているユーザーに広告配信できる。

SNSにも発信ができ、より効果の高いターゲティングができる。また来店計測も可能。さまざまな業種の集客や認知拡大に効果を発揮するため、どのサービスを利用して良いか分からない方におすすめ。
Profile Passport ADスマートフォンの位置情報データを使い、広告・プッシュ通知・分析などの様々なソリューションを提供。

特定地点に来訪した履歴があるユーザーに広告配信できる。

学生パックやゴルフパックなど位置情報と属性ターゲティングにしたさまざまなパッケージが便利。学生、空港、病院、娯楽系などをセグメント化したターゲティング広告サービスを利用したい方向け。
Real PeopleSoftbankのキャリア情報を活用したサービス。各社との連携で豊富なターゲティングが可能。

リアルタイムでさまざまなユーザーに広告配信できる。

アプリに依存しないため、高精度なターゲティングを活用したBtoCマーケティングに最適。自らジオターゲティング広告の配信・効果測定・分析ができるので、個人商店や小規模な企業にもおすすめ。
Adgramお出かけ前や移動中によく使われる乗換案内アプリのデータが使用可能。また手ごろな料金で広告掲載できる。

旅行業や不動産、人材系サービスで多く活用されている。

「駅にいる人」や「電車に乗っている人」というターゲティングができる。位置情報アプリから取得された大量の移動情報を使って、ターゲティング広告サービスをしたい企業の方向け。
Shufoo!Audience Targeting Ad電子チラシShufoo!を閲覧した年間3,000万人のログデータを活用。主婦層に向けた広告配信に最適。買い物に行く行動範囲や店舗のカテゴリを分析し、買い物意欲の高い主婦をターゲティングできる。スーパーや飲食店、衣料品店など地域密着型の小売業での集客に効果的。
モバイルちらし店舗周辺にいる人たちのスマホにリアルタイムで広告配信。性別・年代・エリアに基づきターゲティングできる。広告のデザイン作成も必要なく、テンプレートから選べ、エリアや地図上で自由に設定可能。店舗周辺のユーザーから集客したい方や、指定のエリアにチラシではなくWEB広告を配信したい方に便利。
ターゲティングが可能な関連サービス
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※POPは属性でターゲティングする配布計画です

ターゲットを絞り込んで、ムダな配布を省き、配布費用の削減につながる。新聞折込やポスティングでターゲティング広告を検討されている方におすすめ。

各社サービスはさまざまなデータを活用して、ターゲティングに最適な広告配信システムを提供していることがわかります。各々の特徴を理解し自店・自社に合ったサービスを利用しましょう。

6.まとめ

ジオターゲティング広告は現在広く普及しているスマートフォンなどの位置情報を活用してターゲットを絞り込んだ広告配信が可能です。認知拡大や潜在層へのアプローチに向いており、また実店舗の集客など地域密着型の施策に向いておりますので、該当する業種の方はこの機会にジオターゲティング広告を検討されてみてはいかがでしょうか。

当社ではWeb広告のように属性を指定した配布計画を立てることが可能なPOP(ポスティング・オリコミ・プランナー)を提供しております。ジオターゲティング広告のようにスマートフォンに直接広告を配信できるわけではありませんが、ターゲットを絞り込んだ新聞折り込みやポスティングにご興味がある方はぜひご覧ください。

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