オフラインマーケティングとは?│より効果を高める施策は?

オンラインで商品・サービスを宣伝しているが、オフラインでも検討をされている方で「オフラインにはどのような施策があるのか」「オフラインマーケティングは効果があるのか」など悩まれていることも多いのではないでしょうか。

この記事では、オフラインマーケティングの施策について説明をしています。また、オフラインマーケティングの効果を高める施策について解説しています。

1.オフラインマーケティングとは?

オフラインマーケティングとは、ターゲットの自宅に直接配布したり、ターゲット層に効率的にリーチを広げたりできるマーケティング手法を指します。まずは、オフラインマーケティングの定義やオンラインマーケティングとの違いについて解説します。

宣伝活動にマス媒体・ネットを用いない手法

オフラインマーケティングとは、マスメディアやインターネットを用いないマーケティング活動を指します。

まず、マーケティング媒体にはATL(Above the Line)とBTL(Below the Line)という分け方が存在します。ATLはマスメディア4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)を使った広告です。一方で、BTLとはマスメディア4媒体を使った広告以外の広告で、チラシやDM、交通広告、SNS、Webサイトなどの広告全般を指します。そして、BTLの中のデジタルの販促かどうかで、オフラインとオンラインに分けられます。以下に、ATLとBTLの違いを図で示しました。

オフラインマーケティングは、不特定多数のターゲットへの訴求や特定の地域や施設、駅を利用するターゲット層への訴求に効果を発揮します。

オフライン広告の特徴や活用方法については「オフライン広告とは? 主要6種類の特徴や効果的活用法を解説」の記事で紹介しています。

オンラインマーケティングとの違いは?

オフラインマーケティングとオンラインマーケティングでは、初期コスト、導入のスピード、ターゲティング、効果測定などの特徴の違いがあります。オンラインマーケティングは、オンラインを用いた広告宣伝を利用して、ターゲット層にリーチを広げていくマーケティング活動を指します。データ分析を活用することで、購入見込みが高い消費者や商品・サービスに関心のあるターゲット層にアプローチすることができます。

しかし、ターゲットにとっては商品・サービスを購入する流入経路が「オフライン」か「オンライン」なのかは重要ではなく、もっとも便利な方法を選んでいるに過ぎません。オンラインかオフラインかにとらわれずに、消費者にとって最良の手法を選ぶことがマーケティング戦略を成功させるポイントとなります。マーケティング戦略では、オフラインとオンラインそれぞれ期待できる効果が異なります。チラシやDMなどのオフライン施策と、SNS、Web広告などのオンライン施策を組み合わせたり、融合させたりすることで高い効果を発揮します。

【コラム】O2OとOMOの違い

マーケティング戦略において、「O2O」や「OMO」というマーケティング概念があります。 O2OとOMOの違いは、マーケティングの概念で「オフライン」と「オンライン」を区別しているかどうかの違いです。

O2Oとは、「Online to Offline」の略で、オンラインの情報によって、オフラインでの購買行動へ導く、あるいは、オフライン情報によってオンラインでの購買行動へ導くマーケティング概念の一つです。例えば、オンラインで割引クーポンやポイントクーポンを配布して、リアル店舗で使ってもらう施策や、あるいは、リアル店舗で商品を確認してから、Webサイトで購入をしてもらう施策のことです。

また、OMOとは、「Online Merges with Offline」の略で、オフラインとオンラインの融合を意味します。オンラインとオフラインを分けて考えるのではなく、消費者にとって利便性の高いサービスを提供するマーケティング概念の一つです。OMOの事例としては、楽天と西友が共同運営しているネットスーパー「楽天西友ネットスーパー」があります。西友で取り扱う生鮮食品や日用品などが、ネットで簡単に注文することができます。また、西友の店舗で楽天ポイントが使え、貯まるようになり、楽天IDと統合されることで、顧客とのコミュニケーションが密にできるようになっています。

*参考:楽天と西友のネットスーパー│トップ(2022年7月13日)

OMOを導入することで、消費者はオンラインを利用して時間や場所を選ばず買い物できるため、機会損失を最小限に抑えることができます。オンラインとオフラインの融合ならではのメリットを得ることが可能となります。

2.オフラインマーケティングの施策6つ

オフラインマーケティングは、施策ごとに得意とする分野が分かれています。ここでは、オフラインマーケティングの主な施策を6つ挙げ、それぞれの特徴や活用方法について詳しく解説していきます。

(1)プリントメディア
(2)ダイレクトメール
(3)セミナー・イベント
(4)コールセンター(テレアポ)
(5)交通広告・屋外広告
(6)店頭広告

(1)プリントメディア

プリントメディアとは、印刷物を使って、ターゲットに商品・サービスの広告宣伝をするオフラインマーケティング施策の一つです。ここでは、不特定多数を対象とした折込チラシやポスティング、フリーペーパーなどの紙媒体と定義して説明します。

プリントメディアを活用した施策は、広く情報を届けたいケースとターゲットを絞って情報を届けたいケースの大きく2つに分けられます。浅く広く情報を届けたい場合は、配布する地域を狙った折込チラシやポスティングを活用します。また、ターゲットを絞って情報を届けたい場合は、読者層がある程度限定されているフリーペーパーやフリーマガジンに掲載します。商品・サービスのキャンペーンやイベント集客の告知に活用され、広告宣伝の目的や商材にあった紙媒体を選ぶことで、より多くターゲットに有益な情報を届けることが可能となるため、高い効果が期待できます。

紙媒体の種類やメリット・デメリットについては「紙媒体の種類や特徴│紙媒体を活用するメリットは?」の記事で紹介しています。

(2)ダイレクトメール

ダイレクトメールとは、チラシやカタログなどの印刷物を個人あるいは企業に郵便物として送り、直接ターゲットに働きかけ行動を喚起するマーケティング施策の一つです。ダイレクトメールは、通信販売、住宅会社、自動車販売店、金融保険、貴金属などの業種でよく活用され、見込みの高いターゲットに対して、商品やサービスを宣伝できるほか、印刷物と一緒にサンプルやクーポンを同封するなど自由度が高いところが特徴です。定期的に送り先をメンテナンスすることで高い効果を発揮します。

また、企業における決定権のある部署や担当者に宣伝する際は、郵送のダイレクトメールだけではなくFAXDMもよく活用されています。ただし、ファックスは受信側に受信料や用紙代などの負担となりますので、ファックス停止希望の受付け窓口(電話番号、ファックスなど)を用意しておきましょう。

(3)イベント・セミナー

イベント・セミナーとは、ターゲットにリアルな体験やターゲットが知りたい情報を提供できるオフラインマーケティング施策の一つで、イベント会社が開催するイベントに出展する場合と自社独自でイベントやセミナーを開催する場合があります。イベント・セミナーは、自主的に参加をした興味関心の高いターゲットと対面で直接コミュニケーションができることで成約率を高めることができる点が特徴です。イベントやセミナーを活用することで、見込みの高いターゲットに最適な情報やサービスを提供することができ、さらに効率的に多くのターゲットと接触できるため、有効的な手段といえます。

(4)コールセンター(テレアポ)

コールセンター(テレアポ)は、電話を利用して、直接ターゲットに商品・サービスを案内するオフラインマーケティング施策の一つです。見込み客の開拓や、潜在客の購買意欲促進に活用され、オンラインに馴染みの薄い高齢者層向けの商品・サービスに有効な手段といえます。また、訪問営業に比べると、アプローチコストを抑えることができます。一方で、オペレーターの専門知識や最適な回答が求められるので、育成に時間や費用が掛かってしまうのがデメリットです。

(5)交通広告・屋外広告

交通広告・屋外広告は、特定の場所でターゲットに繰り返し見てもらい、企業や商品・サービスに興味関心を持ってもうオフラインマーケティング施策の一つです。電車内の中吊り広告や駅構内の広告、車体ラッピングなどのほか、野立て看板、屋上看板、大型ビジョンなどが該当し、家庭以外の場所で接触するメディアOOH(Out-of-Home)に含まれています。

SNSとの相性がよい媒体といわれ、QRコードや検索キーワードを使ってウェブサイトへ誘導する手法が多く使われ、口コミによる拡散も期待できます。ただし、交通広告・屋外広告は競合が多い媒体で、デザインにより反響が左右されるため、QRコードの読み取りやすい掲載位置や覚えやすい検索キーワードといったデザインの工夫が必要です。

(6)店頭広告

店頭広告とは、店外や店内で商品・サービスのPRと合わせどのような店舗なのかを知ってもらうマーケティング施策の一つです。店頭で商品・サービスの情報を伝えることで、ターゲットに購入を促すことや購入時の判断材料の目的に効果を発揮します。例えば通りがかりの人に、新商品の紹介やキャンペーンなどの情報を提供することができます。目を引きやすいデザインであることに加えて、わかりやすい場所に設置しなければ、ターゲットに伝わり難くなってしまい、効果が期待できません。

店内ディスプレイやのぼり、ポスター、スタンドなどさまざまな種類があります。下記に主な店頭広告の種類と特徴をまとめました。

種類特徴
のぼり旗縦長の布に出力しポールに通したもの。イベントの目印や告知、商品の宣伝として使う。一般的なのぼり旗のサイズは600×1800㎜。
ポスターイベントやキャンペーンの告知として張り出す。大きさはA4~B2など掲出場所やポスターを見る位置によって決まる。
バナースタンドイベントや店内、店外に設置されている自立式の看板。サイズはさまざまで、布製や紙をスタンドに取り付けたものがある。
デジタルサイネージ多くの人が行き来するような場所や交通量が多い場所に、大きなモニターに映像を流す看板として設置する。
電子POP店の商品棚や売り場で、小さなモニターに映像を流すことで、購買意欲を向上させる。
パネルデザインでキャンペーンを訴求できる。
リーフレットターゲットが持ち運びやすいサイズのチラシで商品やサービスを訴求する。サイズはA4の三つ折りが一般的。
卓上POPテーブルやカウンターの上など、目の付く場所に置くPRツール。新商品の紹介やおすすめ商品を紹介できる。
ノベルティ商品・サービスの名称やロゴを入れたアイテムを無料で配布する。ターゲットが欲しそうなアイテムや商品・サービスのイメージに合ったアイテムが有効。

それぞれの店頭広告の特性を理解して、目的に合った広告を活用しましょう。

3.オフラインマーケティング施策の効果を高めるポイント3つ

オフラインマーケティング施策の効果を高めるには、オフラインの特性を理解した上で、オンラインを活用することが成功の鍵となります。オフラインマーケティング施策の効果を高める主な3つのポイントについて解説します。

・ターゲットに合わせた媒体を選ぶ
・デジタルと融合させる
・PDCAサイクルを回す

ターゲットに合わせた媒体を選ぶ

オフラインマーケティング施策の効果を高めるポイントは、広告の目的や商品・サービスのターゲットに合わせた媒体を選ぶことです。ターゲットに合った媒体を選ばないと、広告宣伝費を掛けた割には、反響につながらなくなってしまいます。例えば、高齢者向けの商品・サービスを宣伝する際は、折込チラシやダイレクトメールを使って訴求したほうが高い効果が見込まれます。高齢者にとっては、折込チラシやダイレクトメールは馴染みのある世代で、後で見返すことができる媒体だからです。健康食品や介護サービス、宅配サービスなどの業種がおすすめです。下記は、広告の目的や商品・サービスのターゲットと媒体選定の一例です。

目的ターゲット媒体選定
保険相談イベントでの集客小さなお子さんがいる若い夫婦ポスティング、ノベルティ、SNSなど
通販の新規顧客獲得シニア層新聞折込チラシ、DMなど
住宅会社の現場完成見学会の集客ファミリー層DM、ポスティング、のぼり旗、Webサイトなど
パン屋のオープン集客お店周辺の主婦層ポスティング、ポスター、バナー、SNSなど
大学のPR高校生

 

交通広告、デジタルサイネージ、Webサイト、SNSなど

「誰に」「何を」を訴求したいかを明確にして、ニーズに沿った媒体を選びましょう。

デジタルと融合させる

オフラインマーケティング施策の効果を高めるポイントは、オフラインをオンラインに切り替えるのではなく、リアルとデジタルと融合させることです。デジタルシフトは急速に進んでいる中で、消費者の利便性向上や楽しい買物体験を実現し、機会損失の減少につなげていきます。

事例として、ユニクロの折込チラシをWeb上に掲載して、オンラインで商品を購入できるサービスがあります。消費者がセール期間に店舗に買い物に行く時間がない場合、オンラインでチラシの商品を購入することができます。商品は自宅に送ってもらうか、後日、店舗で商品を受け取ることもできます。消費者にとっては、店舗で受け取りをすれば、送料も掛からず、支払いは事前に済ませてあるので、空いた時間にスムーズに商品を受け取れるメリットがあり、店舗に置いていないサイズ展開もオンラインであれば購入することができます。一方で店舗側も貴重な機会を損失せずに売上につなげることができます。

*参考:ユニクロ│折込チラシ(2022年7月13日)

オフラインの折込チラシをデジタルと融合することで、消費者の利便性や満足度向上を実現しています。

PDCAサイクルを回す

オフラインマーケティング施策の効果を高めるポイントは、課題の抽出から改善、実行を繰り返すPDCAサイクルを回して目標に近づいていくことです。まず、PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとったもので、PDCAのサイクルを繰り返し行うことで、継続的に販促の改善を促す技法です。

以下は、住宅会社のポスティングのPDCAの一例を記載しました。

広告目的:完成見学会を開催して見込み客を獲得する

Plan(計画)…見学会で20組の見込み客を獲得する

Do(実行)…見学会開催場所を周辺2㎞にチラシをポスティング

Check(評価)…見学会来場は10組。来場の時間帯が重なり十分な接客が出来なかった

Action(改善)…「集合住宅世帯」にターゲットを絞ってポスティングする。また、事前にWebサイトから予約ができる予約専用フォームを設置する

ポスティングは、ただ配るだけでは反響が見込まれません。配布先のエリア選定やチラシの掲載内容などの課題を見つけ、PDCAを回し続けることで、より高い成果を発揮して目標達成に近づくことができます。

当社が提供しているポスティング・オリコミ・プランナー(POP)を使えば、Web広告のように属性を指定した配布計画を立てることが可能となります。例えば住宅会社の場合、「共同住宅に居住している」や「世帯年収500~700万円未満」など、ターゲットとなる属性が多く居住する地域を優先的に配布することで高い効果が見込まれます。

▼ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)を使った住宅会社の一例

*参考:ポスティング・オリコミ・プランナー|属性選択例(2022年6月15日)

4.まとめ

インターネットを介さないオフラインマーケティング施策は、たくさんの種類があり、施策ごとに得意とする分野が分かれています。それぞれの特性を理解した上で、最適な施策を打ちましょう。また、オフラインとオンラインのどちらも活用することで、より高い効果が期待できます。

PoPin’では、チラシ広告初心者の方で、もっと概要寄りのデザイン作成やチラシ配布の方法について知りたい方のために、以下のような記事を用意しています。ぜひご覧ください。

▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事

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