チラシは行動喚起につながる？新聞読者向けアンケート

チラシ媒体による販促を検討している方や既に定期的にチラシを配布している方にとって、チラシは効果があるのかどうか、また消費者がチラシを見てどうような行動しているか気になる方も多いはずです。

この記事では、新聞折込チラシが新聞購読者に与える影響に関するアンケート調査を行い、その結果から分かること、本アンケートに基づく考察と提言をまとめました。

1．チラシが読者に与える影響に関するアンケート調査

より効果的なチラシ施策を図る上で、チラシ読者の閲覧状況や接触後の行動傾向を知ることは重要です。そこで、新聞折込チラシが新聞購読者に与える影響についてアンケート調査を実施しました。

▼アンケート調査の目的

チラシ媒体を検討する際、新聞購読者にチラシが与える影響について理解したうえで、効果的な配布計画につなげていきましょう。

アンケート概要

今回のチラシの行動に関するアンケート調査の概要は以下のとおりです。

▼アンケート概要

調査方法は、エリアの特定や調査対象者の本音の回答を得ることができる戸別訪問調査です。地域情報に詳しい新聞配達員を調査員として対象者の自宅を訪問して回答を収集しました。 

検証しようとした仮説

次に今回のアンケート調査で検証したようとした仮説を整理します。

▼検証しようとした仮説

2．質問別│チラシが読者に与える影響に関するアンケート結果

「チラシが読者に与える影響に関するアンケート」では、静岡市（葵区駿河区）で新聞を購読している世帯の方から回答をいただきました。ここでは、質問ごとに結果を見ていきましょう。

▼質問内容

なお、アンケートに回答していただいた方の性別と年代は以下のとおりです。 

性別の比率は男性962人（33.7％）、女性1891人（66.3％）でした。

▼性別

年代別に回答者の比率を見ると、60代が30.1％、70代が27.0％、続いて50代で17.1％となっており、50代以上で全体8割以上でした。本アンケートは、新聞を購読しているお宅が対象ということと合わせ、一軒一軒訪問をしているため、在宅率が高いシニア層の回答が多い傾向となりました。

▼年代

（1）曜日ごとのチラシ閲覧状況

折込を検討した際、どの曜日にチラシを折込すると高い効果が見込めるのでしょうか。「それぞれの曜日のチラシについて、あなたの行動に最も近いものを選んでください」という質問を設け、新聞購読者の曜日ごとのチラシ閲覧状況をまとめました。

曜日ごとのチラシ閲覧状況は、「よく見る」と「時々見る」を合わせると土曜日が69.0％、金曜日が63.3％、日曜日が61.3％と続きます。週末にチラシを見る方が増える傾向にあります。こちらは生活パターンとして週末に買い物に行く方が増えるためです。また、休日にゆっくりチラシを見ることができる日曜日の閲覧率が高いのも特徴です。

▼曜日ごとのチラシ閲覧状況

以下では、静岡県折込出稿統計調査の曜日ごとの折込枚数比率と業種別の曜日別集計の一部を抜粋しました。金曜日と土曜日はチラシが多く折込される曜日です。それぞれのデータを見てみると、折込チラシの枚数と曜日ごとの閲覧状況には関連性があるといえます。

▼曜日ごとの折込枚数比率

※出典：静岡オリコミ│静岡県折込出稿統計（2021年上半期版）

チラシが新聞に折込される曜日は業種ごとに違いがあります。ターゲットが主婦の百貨店、スーパー、ドラッグストアなどの小売店は平日に折込をいれますが、ターゲットが広いセールやイベントなどのキャンペーンで来店を促す場合は週末に折込チラシを入れる傾向があります。以下は、新聞に折込される曜日の比率を業種ごとにまとめた資料です。

▼業種別の曜日別集計

※出典：静岡オリコミ│静岡県折込出稿統計（2021年上半期版）

（2）チラシを見た後の行動

チラシは保存性の高い媒体といわれていますが、実際はどうなのでしょうか。「チラシを見た後の行動について、あなたの行動に最も近いものを選んでください」という質問を設け、新聞購読者がチラシを見た後の行動について結果をまとめました。

チラシを見た後の行動は、「よくする」と「時々する」を合わせると「保存する」が33.8％、「買い物に行く」が25.7％、「ネットで調べる」が7.7％、「電話問合せ」が4.6％と続きます。チラシを見た後に何らかの行動を取る人の中では、「保存する」と回答した方が最も多く、チラシ媒体の特性として、再度読み返したり、手元に置いておいたりと保存性に優れているといえます。

▼チラシを見た後の行動

（3）その他よくする行動

（2）の質問項目以外で、新聞購読者はどのような行動をとっているのでしょうか。「その他よくする行動があれば教えてください（自由回答）」という質問を設け、新聞購読者がよくする行動について結果をまとめました。

その他によくする行動で、最も多かったのが、「他店と値段や商品を比べて買い物に行く」、続いて「特定の業種や店舗のチラシを見る」でした。消費者は、チラシを見て買い物の計画を立てたり、特定のチラシを定期的に見たりしていることが分かりました。また、〇〇のチラシが欲しいと思っている方が一定数いるようです。

▼その他よくする行動

（4）チラシと新聞の閲覧比較

そもそもチラシを読みたいと思っている人はどの程度いるのでしょうか。「チラシと新聞、どちららかというと楽しみにしているのは」という質問を設け、新聞購読者は、チラシと新聞のどちらを楽しみしているのかについて結果をまとめました。

結果は、新聞が66.6％、チラシが33.4％でした。およそ3割の方が、新聞よりもチラシを楽しみにしるということは、消費者のライフスタイルの中で、チラシを見ることが習慣化されているのではないでしょうか。

▼チラシと新聞の閲覧状況

3．本アンケートに基づく考察と提言

本アンケートの結果に基づいて、分析内容と広告主が行動とるべき行動をまとめました。

チラシを見ている人はこんな層の人

「曜日ごとのチラシ閲覧状況について」のアンケート結果では、「よく見ている」「時々見ることがある」と答えた方の中で最も多かったのは40代女性でした。

定期的にチラシを見ることが習慣化していると推測されるので、折込する曜日を検討する際は、業種ごとに折込が多い曜日に合わせることをおすすめします。

▼曜日ごとの業種傾向一例

20代女性の47.4％は興味があるチラシを保存する

「興味があるチラシを保存するか」のアンケート結果で、「よくする」「時々する」と答えた女性は、20代が47.4％、30代が44.2％、40代が43.2％、50代が44.0％、60代が41.6％、70代が37.0％でした。チラシを保存する方の世代は20～70代まで4割前後と幅広く、中でも比較的若い世代の方が高い結果となりました。ターゲットが20～40代女性の場合は、「何度も見られる」保存性の高いチラシを作成することで反響を高める効果が見込まれます。

▼保存性の高いチラシ内容一例

ネットで調べる人は30代の女性

「興味があるチラシについてネットで調べるか」のアンケート結果は「よくする」「時々する」と答えた女性は、20代が21.1％、30代が23.3％、40代が20.4％、50代が10.9％、60代が4.5％、70代が4.3％でした（以下、グラフ）。

20～40代の女性の2割は、チラシを経由して、さらにネットで調べるという結果でした。チラシのターゲットが20～40代女性の場合は、ネットへの導線を意識してチラシを作成しましょう。

▼ネットの導線一例

4．まとめ

本アンケート調査では、新聞購読している方にとって、新聞折込チラシを見ることが習慣化しており、一定層はチラシの情報から買い物の計画をしていることが分かりました。新聞折込チラシは、媒体特性を理解し、ターゲットを深く知ることで高い反響が見込まれます。

なお、この記事では「チラシが新聞購読者に与える影響に関するアンケート調査」をご紹介しています。PoPin’では、チラシ広告初心者の方で、デザイン作成やチラシ配布の方法について広く知りたい方のために、以下のような記事を用意しています。ぜひご覧ください。

▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事