ご自身で整体のチラシを作成しようと考えたとき、「広告に使える表現は?」「どのようにチラシを作れば集客効果が高まるの?」など悩まれている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、法律に抵触しない表現やルールを守りながらも汎用的に使えそうなチラシテンプレートを2つご用意しました。また、整体チラシの集客効果を高める5つのポイントについて解説します。さらに、整体チラシの配布計画についても紹介します。
1.【無料テンプレート】整体のチラシ2選
整体院のチラシを作成する際に活用できる無料テンプレートをご用意しました。開院を告知する「開院チラシ」と通常の営業時に使える「通常チラシ」の2パターンがあります。それぞれの活用シーンや作成ポイントをご紹介します。
・開院チラシ
・通常チラシ
開院チラシ
整体の開院チラシにはテンプレートがよく使われます。無料でダウンロードできるテンプレートを用意したので、チラシ作成時に活用ください。
▼整体の開院チラシのテンプレート
※画像をクリックするとAIデータをダウンロードできます。
こちらのテンプレートは、開院情報を近隣の方に知らせることが目的です。ポイントは、店名と地図を目立つように配置したです。店舗の名前を印象づけ、さらに地図をわかりやすく載せることで、お客様に来院までの動線イメージを持ってもらいます。さらに、QRコードからWebサイトへ誘導することで、整体院の詳細情報を紹介しています。
チラシの整体院の認知度を高め、申し込みにつなげることができます。
※チラシ内のQRコード作成方法については「QRコード付きチラシで失敗する6つの理由!成功方法も紹介」で詳しく解説しています。
通常チラシ
定期的なアナウンスをチラシで行えば、整体院の存在を地域に浸透させられ、新たな顧客の獲得にもつながります。定期的に使えるチラシのテンプレートを用意しましたので、チラシの作成時に活用ください。
▼整体の通常チラシのテンプレート
※画像をクリックするとAIデータをダンロードできます
体のメンテナンスやリフレッシュをしたいチラシ読者に「自分のことだ」と理解してもらえるようにするためです。さらに、施術者の写真と簡単なコメントを載せています。施術者の姿がイメージできると、チラシの読み手は安心感が持てます。
【コラム】ダウンロードできるテンプレサイト集
整体チラシのテンプレートをダウンロードできるサイトを2つご紹介します。初心者の方でもテンプレートを活用すれば、短時間でデザイン性の高いチラシを作ることができます。
▼整体チラシのテンプレートサイト
・パワポン
・ラクスル
パワポン
出典:パワポン|整体でつかえるチラシテンプレート(2021年11月19日)
パワポンはパワーポイントのチラシテンプレートを提供しています。テンプレートは無料でダウンロード可能ですが、アスクルのネット印刷「パプリ」に会員登録が必要です。簡単に素早く、本格的なチラシデザインが作成できるところが特徴です。
ラクスル
※出典:ラクスル|整体チラシの無料デザインテンプレート(2021年11月19日)
ラクスルはオンライン上でチラシを全て無料で作れるテンプレートがあります。制作から印刷まで一括でおこなうことができますが、ラクスルで印刷することが条件となります。チラシの作成から配布までトータルで注文できるところが特徴です。
※上記チラシのテンプレートを使う際は、ご地域の媒体社や所属する業界団体、各自治体省庁にチラシの表現内容の確認をとることをおすすめします。
地域の媒体社によって使用できる広告表現の解釈が異なる可能性があるからです。
2.整体のチラシ作成のポイント5つ
こちらでは申し込みが増える整体チラシの作成ポイントを5つご紹介しますそれぞれについて詳しく解説をします。
▼整体のチラシ作成ポイント
(1)チラシ表現に注意
(2)心惹かれるキャッチコピーが大事
(3)整体院の特徴をアピール
(4)施術者の写真とコメントを載せる
(5)整体院の詳細情報を載せる
(1)チラシ表現に注意
訴えかけたい言葉をストレートに載せたいところですが、チラシで表現する言葉には注意が必要です。整体のチラシの作成時に特に注意したい表現ポイントがあります。
景品表示法に注意
景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は、一般消費者が実際には質の良くない商品やサービスを購入してしまわないように、不当な表示から守るための法律です。消費者が誤認してしまうような比較優良広告や誇大広告にならないように、誤解をあたえる表現は止めましょう。
整体のチラシでは、比較優良広告となる「日本一の整体技術」や、誇大広告となる「最新の技術」や「1か月で治ります」というような言葉は使えません。
*参考 e-Gov法令検索 不当景品類及び不当表示防止法 第5条
医療をイメージする言葉に注意
整体は、民間資格の医療類似行為となりますので、「治療」「治す」「痛みがなくなる」「根本から治す」「痛みを消す」などの医療をイメージする表現は使えません。「問診」「診察」「患者」などの表現も同様の理由で使えないため注意しましょう。
治療や診察の表現は、このように置き換えれば誤認を防ぐことができます。
×治療→施術
×治す→緩和・リフレッシュ
×診察→相談・打ち合わせ
あはき法第7条、柔道整復師法第24条を基準に
整体のチラシは、「鍼灸院」で適用されるあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(通称:あはき法第7条)、「接骨院や整骨院」で適用される柔道整復師法(第24条)等の広告規制を守って作成しましょう。なぜなら、整体のサービスは法に基づいた広告制限がない為、チラシに掲載できる範囲の判断が難しいところがあり、地域の媒体社によっても広告掲載範囲の基準や解釈が異なるからです。また、これらの広告規制を守れば、医療法、景品表示法にも抵触する心配がありません。
ただこの場合、チラシに載せられる内容は「施術所の名前・住所・連絡先」、「営業時間・休日」、「予約や出張施術の可否」、「地図や駐車場情報」と限定されます。整体はあくまで癒しやリラクゼーションを目的とした民間のサービスです。医療行為と誤認する恐れのある言葉を使わないかたちで、リフレッシュ・リラクゼーションサービスを訴求するチラシ作成をおすすめします。「体をリフレッシュ」程度のキャッチコピーだけにとどめて構成しましょう。
▼整体のチラシで使えそうな表現例
・お客様の身体の痛み具合を相談しながら、回復につなげる施術を行います
・痛みを緩和するよう努めます
・からだをリフレッシュしましょう
また、掲載しない方がよい表現をまとめました。参考にしてください。
▼整体のチラシで掲載しない方がよい表現
×具体的な施術方法やその写真
×適応症(腰痛、肩こり、骨盤矯正 等)の記載
×スタッフの出身校や経歴の表示
×施術料金の表示
×お客様の声
2017年6月14日医療法の改正、そして、2018年6月に新たに施行された医療広告ガイドラインによると、例えば整体の広告で「腰痛が治った」「肩凝りの治療」などと表現することは、医療広告とみなされ広告規制の対象となるようです。医療広告ガイドラインに違反すると、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。今後の法改正によって「整体」に関する規制が強化されることも十分考えられます。お店の誤ったチラシで、お店に対する信頼が失われることもさけられません。広告表現には細心の注意が必要です。
*参考:厚生労働省|医療法における病院等の広告規制について
*参考:e-Gov法令検索|あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
*参考:e-Gov法令検索|柔道整復師法
(2)心惹かれるキャッチコピーが大事
整体そのコピーを目にとまる箇所に配置することで、チラシをさらに読み込んでもらえます。
チラシのコピーに使うフォントにもこだわりたいところです。ベーシックな「ゴシック体」や、親しみやすい「明朝体」などがおすすめです。ただ、先ほども触れたとおり、適応症(肩こり・腰痛・関節痛 等)などの具体的な症状の記載は避けた方がよいでしょう。参考までにキャッチコピーの一例を紹介します。
▼整体のキャッチコピー例
・からだの悩みを相談してください
・あきらめていませんか?その体の痛み
・その痛み、いつまで我慢しますか?
※チラシのキャッチコピーに使うフォントに関しては「効果が出るチラシのフォントとは?おすすめフォントも紹介」でも詳しく解説しています。
(3)整体院の特徴をアピールする
ご自身の整体院の特徴をアピールすることは集客効果につながります。例えば、お客様に寄り添う整体院であることをアピールしたい場合は、施術の流れを掲載し、施術の前に相談するタイミングがあることを示します。親身に相談できる整体院であることをチラシ読者にアピールすれば、施術に対する安心感がもて、申し込みにつながります。ただし、あはき法などの広告表現規制を踏まえると、具体的な施術方法や施術写真などをチラシに掲載することは避けた方がよいでしょう。
表示例:受付→相談→施術→説明
(4)施術者の写真とコメントを載せる
チラシの読者は事前に、施術者がどんな人かを知ることができれば、チラシの読者は「来院した自分」をさらに想像することができます。そして、お店に対する安心感がより一層深まり、申し込みにつながるはずです。
▼整体のチラシで使えそうなコメント例
(5)整体院の詳細情報を載せる
地図は、目安となるような建物名を入れたわかりやすい地図を作成することを心がけましょう。知っている名称があるだけで親近感と想像力が掻き立てられます。
▼整体のチラシで載せたい基本情報例
・整体院の名称、住所、電話番号、地図
・営業時間、駐車場の有無
・ホームページのURL、QRコード
・予約方法、出張施術の実施について
さらに、チラシ以外の情報については、ホームページを有効活用して詳細を伝えましょう。チラシを使って上手にホームページへ誘導できれば、さらにお客様の信頼を得ることにつながり来店を促すことができます。チラシのQRコードを読み取ってホームページへ誘導し、そのまま電話予約するケースも少なくありません。ネット上に予約フォームやLINEなどのSNSを準備することをおすすめします。
※2018年6月に新たに施行された医療広告ガイドラインによると、今までは規制の対象外であった医療機関のホームページでも、誇大広告などの不当な表示に対し罰則を課すことができるようになったそうです。さらには2017年8月24日から「医業等に係るウェブサイトの監視体制強化事業」も行われ、監視は強化されています。整体は医療ではないから「ホームページは何でも自由に」とは考えず、法律に抵触しそうな表現は使わないようにした方が賢明です。
*参考:厚生労働省| 医業等に係るウェブサイトの監視体制強化事業
【コラム】整体チラシの配布計画
整体チラシの実施をするときは、「どこに」「何枚」「いつ」配るのかという配布計画にもこだわりましょう。エリアやターゲットを絞った配布計画をつくれば、同じ予算でも広
告効果を高めることができるからです。配布エリアは「年齢・性別」、「マッサージ料金の支出金額が多いエリア」、「整骨・はり灸院治療代の支出金額が多いエリア」など、ターゲットとなる属性が多く居住する地域を狙ってチラシを配布するとことをおすすめします。
当社が提供しているポスティング・オリコミ・プランナー(POP)では「整骨・はり灸院治療代の支出が多い」方が多く住まれている地域へのターゲティング配布計画を行うこともできます。以下に一例を示しますので、配布エリア設定を検討する際に参考にしてください。
▼POPプラニング例
チラシ折込で港区麻布十番を中心2㎞商圏で設定した場合、「整骨・はり灸院治療代の支出が多い」「男性人口40~50歳」で属性を設定すると配布部数は4,450部になります。カテゴリは最大5つまで、配布地域は2~10㎞まで選択が可能です。(2021年11月1日)
*参考:ポスティング・オリコミ・プランナー|配布計画
3.まとめ
整体のチラシは、表現できる内容や規制を守りながら、目的に応じたチラシを作成することがポイントです。また、ご自身でチラシを作成する際は、テンプレートを活用することで簡単に作成することが可能となります。一生懸命チラシを作成し配布しても、逆に信頼を損ねてしまっては大変です。チラシに載せる内容や表現に充分注意しましょう。また、
法改正の情報などもチェックしておく必要があるでしょう。疑問があるようでしたら、地域の媒体社や所属する業界団体、各自治体省庁にチラシの内容や表現の確認をとることを
おすすめします。
この記事では「整体のチラシ」に特化した情報を中心に紹介しました。
PoPin’では、チラシ作成初心者の方で、もっと概要寄りのデザイン作成やチラシ配布の方法について知りたい方のために、以下のような記事を用意しています。ぜひご覧ください。
▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事
・チラシデザイン作成の基本を知りたい方
(1)デザインの一番基本となる、レイアウトの決め方を知る記事
・ポスティング・新聞折込どっちがいい?など配布の仕方を知りたい