販促方法とは|販促の基本から目的にあった手法を選ぶポイントまで

販促とはお客様に興味を持たせる入り口から、実際に商品やサービスを購入してもらうために行う一連の活動すべてです。

販促にはたくさんの方法があり、どんな販促が自社にあっているか、販促の成功のために何をすればいいか、そんなお悩みをお持ちの方は多いと思います。金銭的にも、時間的にも思いついたことすべてを試してみることは難しいのが現実です。

この記事では、販促を行う目的を3つに分け、目的別に手法を解説しています。また販促の選択時に活躍する3W1hの活用方法を紹介しています。

1.【販促の目的別】販促方法の種類と特徴

サービス、情報収集の手段、販促チャンネルの多様化に伴い、商品やサービスの魅力を伝えることは容易ではなくなっています。販促により成果をあげるためには、まず販促する目的を整理した上で、目的に合った方法を選択することが重要となります。

販促の目的として代表的な3つを挙げ、それぞれの目的に合った販促方法とその特徴について解説します。

▼販促の代表的な3つの目的

(1)認知度向上のため
(2)既存顧客のリピート率向上のため
(3)常連客の育成のため

(1)認知度向上のため

認知度向上を目的として販促方法を選ぶときは、多くの入り口を作るという観点で考えると良いでしょう。多くの入り口を作り商品やサービスの印象を残すことで、認知度向上と購入へとつなげやすくなるからです。

ここでは、認知度向上に役立つ販促方法として、下記5つをピックアップしてご紹介します。

・テレビCM
・新聞折込チラシ
・WEB広告
・街頭でのビラ配布
・看板

どれだけ魅力的な商品やサービスでも、そもそも顧客に認知されていなければ、売上は伸びません。新商品を販売する際はもちろん、既存の商品をこれまで接点のなかった顧客にも紹介したいといった場合にも、こちらの販促の手法は有効になります。顧客の記憶に残り、一度試してみようと思える方法を考えましょう。

それでは、次の認知度向上に役立つ5つの販促方法の特徴について見ていきます。

▼認知度向上を目的とした販促方法

テレビCM概要・誰に:テレビ視聴者
・何を:サービスの宣伝となる映像
・どうする:テレビ番組の前後や途中で届ける
向いている企業・サービス・放送時間や放送地域の選択により広範囲に一斉に認知度を上げるキャンペーン
・伝達速度が速いので、新商品の告知のための宣伝
・記憶や印象に残りやすいのでイメージの構築を目指す企業
メリット・さまざまな方に見てもらい短期間で認知度を高めたい場合に効果的
注意点・制作に時間がかかる、高額な費用がかかる
・費用体効果を慎重に見極める必要がある
新聞折込チラシ概要・誰に:新聞購読世帯
・何を:チラシ
・どうする:新聞と一緒に配布する
向いている企業・サービス・購読層は高齢層や主婦層が多いため、高齢者向けやファミリー向けのサービス
メリット・新聞と一緒に配布されることで、受け取る側の信頼性が高い
・折込日や配布地域を指定して配布することで、タイムリーな効果を得られる
・折込チラシを見たその日に行動を起こさせることに向いている
注意点・新聞の購読率が低い若い世帯の多い地域では、販促効果を見込めない
・即効性がある反面、興味が持続しにくいので定期的な配布が必要
WEB広告概要誰に:インターネットの特定のページを見ている人
何を:画像や動画などの広告
どうする:ターゲット属性を絞って届ける▼属性の絞り込み例
・性別、年齢、地域などの基本的なデータ
・趣味関心などの行動データ
代表的な広告方法・ディスプレイ広告
画像や動画、テキストを使用した広告で、Webサイトやアプリなどの広告枠に表示される広告
・リスティング広告
GoogleやYahoo!といった検索エンジンの、検索結果の画面に表示されるテキストの広告
・リターゲティング広告
自社のWEBサイトに訪れたユーザーを追跡し、別のWEB上でも広告を表示する手法
・ネイティブ広告
一見、広告ではなくネットの記事や投稿であるかのような形で見せる広告
メリット・商材や目的に合わせたターゲットに絞って的確な広告配信が可能となる
・広告の内容の変更や広告の停止を自身の操作で即座に反映できる
・少額から運用をはじめられ、効果測定などをデータ化できるサービスを活用すれば、戦略的に販促を行える
・収集したデータを用いて調整や改善を行いより効果的なものを目指せる
注意点・効果を最大化していくためにはデータを適切に解析し、課題の発見や選定を行う
・WEB広告への深い理解と十分な知識が必要
街頭でのビラ配布概要・誰に:特定の場所を通行する人
・何を:チラシ
・どうする:手渡しで配布する
活用シーン・地域住民の集客を効果的に行えるので、実店舗のオープンやリニューアルまたはキャンペーンの告知に有効

▼実施時のポイント
クーポン付きのチラシやサンプルを一緒に配布すると、手に取ってもらえる可能性が高まる

メリット・空き時間を利用すれば自分たちで行えてコストを抑えられる
・時間や場所を選ぶことで、通勤者や買い物客、学生など幅広い層の方に働きかけられる
注意点・街頭でのビラ配布は、歩道で行う場合は警察署の、公園や駅で行う場合は施設の許可を取る必要がある
看板概要誰に:特定の場所を訪れる人
何を:看板に掲示した広告
どうする:目立つように設置して見てもらう
活用シーン・店舗の存在を伝えるための店頭看板
(営業時間やサービス内容などの情報を記載することで、お店を見つけてもらう)
・遠くの人にもアピールするための壁面看板
(建物の壁面に設置することで、遠くからでも強いインパクトを与えることができる)
・店舗までの道順案内板
(大通りに面していない店舗や新規顧客を呼び込むために臨時のイベントを開催するケースなど)▼実施時のポイント
・通行人にとって見える位置に読みやすいように置くことが大切
メリット・一度設置すれば、壊れない限り長期間にわたり宣伝できる
注意点・たくさんの情報を伝えることは難しく、一瞬で認知できるように内容は工夫が必要
・看板の設置環境によっては劣化する

認知度向上のために莫大な費用を掛けられる企業は限られています。また一時的に認知度を向上させても、記憶に残ることは難しいです。継続して販促を行い記憶に残るようにすることも大切です。

(2)既存顧客のリピート率向上のため

既存顧客のリピート率向上を目的として販促方法を選ぶときは、「顧客がお店を忘れない」という観点で考えるとよいでしょう。再来店を促しリピート率向上につなげやすくなります。

ここでは、既存顧客のリピート率向上を目的とした販促方法として、下記4つをピックアップして紹介します。

・ポイント制の導入
・実演販売
・商品サンプル配布
・LINE公式アカウントの運用

こちらの販促では、もう一度利用したいと思わせる仕組みを作ることが大切です。販促の効果を最大化するために、いかに販促で差別化できるかが大切になります。顧客との継続的な関係構築の方法を考えましょう。

ここからは、リピート率向上に役立つ4つの販促方法について、それぞれの特徴を見ていきましょう。

▼既存顧客のリピート率向上を目的とした販促方法

ポイント制の導入概要誰に:ポイントカードを持っている顧客
何を:ポイント
どうする:利用状況に応じて発行し、ポイント数に応じて特典を付与する
活用シーン・特定の曜日や日付にポイントを多く付ける
(水曜日ポイント2倍デー、毎月10日ポイント2倍デーなどの設定で、定期的に店舗に足を運ぶ理由づくりができる)
・2回目の来店時に特典を用意する
(早い段階でメリットがあると、お得感を感じやすく継続利用してもらえる)
メリット・値引きとは違った付加価値の提供
・店舗や企業側の顧客情報の把握
注意点・利用しないと思われたら処分されてしまう
・一度導入すると、基本的には永続的に運営をしていくため、きちんとした運営体制が必要
(ルールの把握や徹底など社員教育が必要になる場合もある)
実演販売概要誰に:店舗や特定の場所にいる方
何を:実際に売っているアピールしたい商品
どうする:目の前で商品を使用し、商品の機能や性能、使用方法を直接説明する
相性のよい商品・食品や飲料、調理器具、家電、健康器具
(効果や利便性が目に見える商品と高相性)
メリット・クレームにつながりにくい
(販売員と顧客がコミュニケーションをとりながら商品の解説をするため)
・顧客の悩みに直接提案やアドバイスをすることで、商品を長く買い続けてもらえる
・商品の感想や不満を顧客から直接聞き、改善につなげられる。そのことを実演販売で紹介し、顧客の共感を得られ販売につなげることができる
注意点・販売スキルが重要
(商品の魅力的な説明だけでなく、顧客とのコミュニケーション能力も求められる)
商品サンプル配布概要誰に:特定の場所を通行している方、またはホームページなどで応募があった方
何を:小分けにした商品のサンプル
どうする:商品そのものを配布し、実際に使用してもらう▼配布方法の一例
・街頭や店舗で配布する
・購入した商品にサンプルを同梱する
・ホームページから応募してもらう
活用シーン・購入の後押し
店舗で購入を迷っている顧客に対し商品のサンプルを渡し、決断の後押しをする・顧客の発掘
イベント会場でサンプルを配布し、興味関心を持ってもらい購入を促す
メリット・無料で配布することで多くの顧客に体感してもらえる
・ダイレクトに顧客の反応が得られる
(アンケートやヒアリングを一緒に行うことで、生の声を集めることが出来る)
・今まで使用していた商品から変更するきっかけになる。また気に入って購入しているため、継続して購入されやすい
・ネットをあまり使用しない顧客や客層に対し、直接アピールできる
注意点・サンプルの作成や配布にコストが余分にかかる
(配布する数量が多いほどそれに応じて費用は大きくなる)
LINE公式アカウントの運用概要誰に:LINEで友だち登録してくれた顧客
何を:クーポンや情報、メッセージ
どうする:LINEを通して提供する▼運用の流れ
LINE公式アカウントを設定し、顧客に友だち登録を促し、友だちになったユーザーにアプローチする
友だちを増やす方法・店舗POPや掲示物、スタッフの声がけ
・友だち登録を条件としたキャンペーン
・名刺にLINEのQRコードを記載する
・ウェブサイト・メルマガから誘導する など
代表的な機能・メッセージの配信
友だち追加したユーザーにメッセージを送る機能
・チャット機能
ユーザーからの問い合わせに対して、1対1で直接コミュニケーションができる機能
・クーポンの発行
店舗で使用できるクーポンを作成し、メッセージとして配信できる機能
・ショップカードの発行
来店や商品の購入の特典として付与するポイントを発行、管理できる機能
メリット・無料で始められる
(自社でアプリを構築、運用したりするよりも手軽に始められる。)
・幅広い年代のユーザーが利用しているので幅広い世代にアピールできる
注意点・登録にメリットがないと友だち登録されない
(顧客に喜んでもらえて、コストが少ないものを考える必要がある)
・LINEをはじめたことの積極的な告知が必要
(誰にも知られない状態ではその後の展開につながらない)

商品やサービスがリピートされない理由として、特別な理由ではなく、なんとなくということが一番多いのではないでしょうか。こちらの販促ではそんな方に忘れられない努力を続けていく必要があります。

(3)常連客の育成のため

常連客の育成を目的として販促方法を選ぶときは、「顧客の満足度アップ」という観点で考えるとよいでしょう。顧客の満足度がアップすれば、常連客へとつなげやすいとされています。

ここでは、常連客の育成を目的とした販促方法として、下記3つをピックアップして紹介します。

・メールマガジン発行
・定期購入サービス
・バースデーDM

常連客の育成は販促のもっとも重要な目的です。顧客と長期的な関係を築くことを大切にし、利用頻度を高めてもらうために有効な方法です。顧客が離れていかないような濃厚なコミュニケーションづくりの方法を考えましょう。

それでは、常連客への育成に役立つ販促方法についてそれぞれの特徴を見ていきましょう。

▼常連客の育成を目的とした販促方法

メールマガジン発行概要誰に:メールアドレスを登録してくれた方
何を:顧客が興味・関心のある内容のメール
どのする:定期的に一斉に送信する▼メールアドレスの取得方法の一例
・自社のホームページ上に会員登録フォームを用意する
・顧客から直接メールアドレスを聞く
・購入手続きの際にメールマガジンの登録を同時に行う
活用シーン・商品の購入後に顧客の悩みや課題解決に役立つ情報を提供
・メールマガジン会員だけの特典を付け、継続的な購入を促す
メリット・タイムリーな情報発信
(印刷や郵送などの手間がなく、いつでも情報発信ができる)
・印刷物のDMよりコストが抑えられる
注意点・顧客に届いていない可能性がある
(受信側で迷惑メールと判断されて、実は顧客に届いていなかったということがある)
・顧客が気軽にメールアドレスを登録しやすい仕組みを整えることが重要
・飽きさせないクオリティの高いものを発行することや発行頻度など、工夫が必要
定期購入サービス概要誰に:定期購入を申し込んだ顧客
何を:顧客と契約した内容の商品
どのように:定期的に商品を届ける▼定期購入の特典例
・継続することで安く購入できる
・次回の購入で使えるポイントの付与
・継続年数に応じたキャンペーンの実施
・配送料が無料になる
向いている商品・化粧品
(定期的に購入する必要がある消耗品のため)
・定期的に発行をしている雑誌や書籍
・健康食品
(「3カ月で効果を実感」などと宣伝することで、長く購入するメリットが伝わる)
種類・サブスクリプション(サブスク)
(1カ月単位で固定の料金を支払うことにより商品やサービスを利用もしくは入手できる方法)
・リピート通販
(定期的に一定数量の同じ商品を届ける方法)
・頒布会
(一定の料金と頻度で毎月違う商品が届く方法)
メリット・定期購入に申し込んでいる顧客に新しい商品やサービスなどを宣伝できる
・顧客にとっても毎回注文する手間が省ける
注意点・顧客の購買意欲をどうやって継続させるか重要
・定期購入の最初の一歩を踏み出すことに躊躇する顧客も多い
バースデーDM概要誰に:誕生日を迎える顧客
何を:誕生日のお祝いメッセージとプレゼント
どうする:郵送やメールで送る▼特典の一例
・誕生月の期間限定で優待や値引き
・DMを持参の方にプレゼントの提供
目的、狙い・あなた(顧客)だけに向けたメッセージで特別感を演出
・しばらく購入のない顧客に対し来店のきっかけづくり
メリット・誕生日という理由がはっきりしているので反応率がいい
注意点・ダイレクトメールを送ることの同意を得て個人情報を取得する
(個人情報を扱うので、トラブルにならないよう注意が必要)

常連客育成には顧客との接触回数を増やすことが欠かせません。そのためには顧客の情報の収集が必要です。情報発信で継続的なつながりを大切にしましょう。

販促の方法は豊富にあります。新規の顧客に向けた販促とリピート客に向けた販促では方法は変わります。このポイントがずれてしまうと、せっかくの効果が半減してしまうかもしれません。また販促は全てが即効性のあるものではありません。販促によって求める成果を出すためには、販促の目的をしっかりと定め、販促方法ごとの特徴をよく理解した上で実践することが大切です。

2. 販促方法の正しい選択に役立つ「3W1H」

数多くある販促方法の中から、自分にあった最適なものを選ぶのは難しいです。ここでは、飲食店を例に3W1Hのフレームワークを活用して、効果的な販促方法を選ぶ手順を解説します。

▼3W1Hとは

(1)Why(なぜ)
(2)Who(だれに)
(3)What(何を)
(4)How(どうやって)

まず前提としてすべての企業や店舗に共通して効果的な販促方法はありません。業種や規模、立地、客層の違いや、販促に求めるものが異なるからです。ここでは飲食店を例に、どのように販促方法を決めていくか具体な手順で解説します。

(1)Why(なぜ)

まずは、販促方法を考える上での軸を明確にするために、Why(なぜ)を深掘って考えましょう。Why(なぜ)とは販促における目的を導き出すためのフレームで、この後のフレームで検討する内容の基礎となります。以降のフレームでの検討を通じて、目的達成や課題解決を実現できる販促方法を選ぶための判断基準を明確にしていきます。

今回は飲食店を例にして考えてみるので、下記のように飲食店でよくあるWhy(=販促の目的)を3つ設定しました。以降のフレームワークでもこの3つを軸に検討していきます。

▼飲食店のWhy(なぜ)の一例

【1】ランチの来店者を増やしたい
【2】テイクアウト利用者を増やしたい
【3】新メニューの認知度をあげたい

ただし、上記のままでは目標値が設定されておらず、具体的に取るべき手段を決めることができません。そのため、それぞれ下記のように客観的な数値で目標を測れるよう設定しなおしました。

▼【改良版】飲食店のWhy(なぜ)の一例

【1】ランチの来店者を増やしたい→ランチの来店者数を110%に増やす
【2】テイクアウト利用者を増やしたい→テイクアウト利用者を110%に増やす
【3】新メニューの認知度をあげたい→新メニューの売上を110%に増やす

上記で定めた目的を達成するために、Who、What、そしてその手段となるHowを考えていきます。またWhy(なぜ)を共有することはスタッフに意欲を与えて、積極的に取り組んでもらうためにも欠かせないプロセスです。

(2)Who(だれに)

Who(だれに)とは販促におけるターゲットを導き出すためのフレームです。誰に対して販促をするのか深堀りしていきます。Whoを考えるときは、ただ漠然とイメージするのではなく、Whyの実現に最も適した人物像を年齢・性別・職業・家族構成・趣味、といった具体的な属性をもとに決めます。最も購入している消費者層へアプローチを増やし、売上をさらに伸ばす場合、逆に売れていない消費者層へアプローチを行うことで売上を拡大する場合など目的の達成に対してさまざまです。

▼【1】「ランチの来店者数を110%に増やす」のWho(だれに)を考えるケース

設定したWho:シニア層の女性

→店舗でランチをよく利用する客層から、Whoを深掘りしてみました。

1.店舗の近所に住んでいる
2.仕事を退職して、時間に余裕がある
3.友だちとゆっくりランチするのが楽しみ

▼【2】「テイクアウト利用者を110%増やす」のWho(だれに)を考えるケース

設定したWho:30代の女性

→テイクアウトを利用してもらいたい客層から、Whoを深掘りしてみました。

1.日常的にSNSをチェックしている、自分でもSNSをやっている
2.育児と家事で忙しいけど、イベントは大事にしている
3.感染症の対策が気になる

▼【3】「新メニューの売上を110%に増やす」のWho(だれに)を考えるケース

設定したWho:30代の男性

→新メニューを考えた時に思い浮かべた客層から、Whoを深掘りしてみました。

1.お店の近くで働いている
2.体を引き締めるためにダイエットをしている
3.クーポンや値引きを積極的に利用する

例えば「20代前半の女性」をターゲットに設定しても、定職の有無、配偶者の有無、子どもの有無、などさまざまな価値観、行動様式、生活ニーズが考えられます。Who(だれに)の条件を明確にすることで、伝える方法や内容を適切に設定でき、プロモーションの精度が上がりやすくなります。また、顧客のイメージを統一することで、販促の方向性に一貫性を持たせることができるので、目標達成に向かって効率的に販促を進められるでしょう。

(3)What(何を)

What(何を)とは販促における提供したい価値を導き出すためのフレームです。Who(だれに)で設定したターゲットに合致したWhat(何を)を考えます。商品やメニューだけでなく、「顧客に提供する価値」について客観的にみることが必要です。店舗のアピールポイントや商品を買うことで得られるメリットを、ターゲットに納得してもらいやすい形で伝えます。ここで大切なのは、できるだけターゲット自身の気持ちになりきり、どんなメッセージに対して興味が高まるのかをシミュレーションすることです。例えば、静かにゆっくり食事を楽しみたい顧客に向けたメッセージと、短時間で効率的に食事をしたい顧客に向けたメッセージではまったく違ってきます。

ここでは、提供する価値、アピールポイント、活用シーンを書きだしました。それらが設定したWhoに興味をもってもらえるか、メリットと思ってもらえるか検討します。

▼【1】「ランチの来店者数を110%に増やす」のWhat(何を)を考えるケース

設定したWhat: 植物がたくさんで居心地がいい空間でゆったりランチ

・植物がたくさんあって落ち着いた空間
・季節の野菜をふんだんに使った自慢のランチ
・友だちや家族でゆったりとランチを楽しむ

▼【2】「テイクアウト利用者を110%に増やす」のWhat(何を)を考えるケース

設定したWhat: 写真映えするテイクアウトで家族の家時間を楽しむ

・美味しくて彩り豊かな写真映えするテイクアウト
・テイクアウトの容器をプラスチックから竹を利用したものに変えて高級感アップ
・感染症対策のためにイベントや記念日に相応しい高級感のあるテイクアウトを自宅で楽しむ

▼【3】「新メニューの売上を110%に増やす」のWhat(何を)を考えるケース

設定したWhat: 男性向けのボリュームとダイエットの両立の夏の新メニュー

・ボリュームとダイエットの両立するメニュー
・ボリュームのある肉料理が自慢で男性に人気
・きちんと食べたいけど体のラインも気になる人に活用して欲しい

ターゲットを絞ることは、絞り込まれた顧客側からすると、自分の好みや趣味趣向に一致するお店となります。そうした満足感が集客アップにつながるはずです。

(4)How(どうやって)

最後に、Why、Who、Whatで設定した内容に合致したhow(どうやって)、つまりどんな手段で販促するかを考えます。How(どうやって)を考えるときは、目的達成に適していてターゲットに伝えたいメッセージが最も伝わる方法を選びます。新聞折込チラシやポスティング、SNS、グルメサイト、口コミサイト、ホームページを立ち上げるといった方法がよく利用されます。中でも、ツイッターやFacebook、Instagram(インスタグラム)といったSNSは、若い世代向けの手法としてよく使われています。

▼【1】「ランチの来店者数を110%に増やす」のHow(どうやって)を考えるケース

設定したWhy: ランチの来店者数を110%に増やす
設定したWho: シニア層の女性 近所に住む・時間に余裕がある・友だちとのランチが楽しみ
設定したWhat:植物がたくさんで居心地がいい空間でゆったりランチ
設定したHow: 折込チラシと看板→シニア層にアピールできて、なおかつ地域集客効果の高い方法を検討し、折込チラシと看板を選択しました。
1.周辺の方に宣伝するために内装の写真が大きくデザインされた折込チラシ
2.折込チラシに食後のコーヒー1杯無料クーポンを付ける
3.看板にランチメニューを記載し、店舗前を通る人に興味を持ってもらう

▼【2】「テイクアウト利用者を110%増やす」のhow(どうやって)を考えるケース

設定したWhy: テイクアウト利用者を110%増やす
設定したWho: 30代の女性 SNSを利用している・イベントは大事・感染症対策が気になる
設定したWhat:写真映えするテイクアウトで家族の家時間を楽しむ
設定したHow:ホームページとInstagram(インスタグラム)→写真で視覚的にアプローチでき、なおかつ多くの30代の女性が利用し、飲食店の検索に用いている方法を検討し、ホームページとInstagram(インスタグラム)を選択しました。
1.ホームページとInstagram(インスタグラム)を連携させて誘導することで集客につなげる
2.衛生管理と感染症対策を確実に行っていること、環境に配慮した容器の使用をホームページで発信
3.1週間前にテイクアウトを予約すると5%オフになることをホームページとInstagram(インスタグラム)で告知する

▼【3】「新メニューの売上を110%に増やす」のhow(どうやって)を考えるケース

設定したWhy:新メニューの売上を110%に増やす
設定したWho: 30代の男性 お店の近くで働いている・ダイエット中・クーポンや値引きは積極的に利用
設定したWhat:男性向けのボリュームとダイエットの両立の夏の新メニュー
設定したHow: LINE公式アカウントの運用→多くの男性が日常的に利用しなおかつメッセージの開封率が高く、無料で導入できるLINE公式アカウントの運用を選択しました。
1. 属性を絞り込んでメッセージが送れる「セグメント配信」機能を活用する
2. LINEで友だち登録すると新メニューに使えるクーポンを贈呈する
3. LINEのメッセージ配信機能でダイエット中の栄養面のサポートを考えたメニューであることを伝える

「Where」(いつ)「where」(どこで)「how much」(いくら)についても検討することで、判断材料が増え、販促の精度が高まるので、余裕があれば同じ要領で実施してみると良いです。

販促方法が決まったら実際に行っていきます。しかし販促をおこなうだけで満足していては、集客できても維持するのは難しいです。効果を検証することが大切です。上手くいかなかった場合に何が良くなかったのか、次にどうすれば良いか検証しましょう。

【コラム】チラシを使った販促方法の効果を高めるコツ

インターネットやSNSが普及した今でも、チラシは多くの企業や店舗の販促で使用されています。しかし、思ったような効果が出ていない、もっと反響を挙げたいという悩みが多いのもチラシの販促ではないでしょうか。費用対効果や反響を高めるには、ターゲットが多いエリアに配布し、無駄な配布を減らすことが重要となります。

そこでおすすめなのが、属性を指定した配布計画を立てることができるポスティング・オリコミ・プランナー(POP)です。「年齢層」「性別」「世帯年収」など抽出できる属性はおよそ250種類にのぼり、自社が求める属性がきっとみつかります。さらに、チラシの配布計画までが一括で簡単にプランニングでき、WEB上でいつでも利用ができるので、時短にもつながります。

ここでは飲食店を例に静岡県浜松市中区和合町を中心に「60-70歳女性人口」でかつ「カフェ・喫茶店 外食費」の属性で設定してみました。

▼ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)を使った飲食店の一例

*参考:ポスティング・オリコミ・プランナー|シミュレーション画面(2022年7月15日)

すぐに設定した内容に対して部数と金額が提示されます。部数や予算を変更したい場合には、範囲指定で半径を変更する、または丁目指定で町名を選択して縮小や拡大ができます。納得できたら、そのまま注文までWEBで完結できます。

3.まとめ

販促方法は数多く存在します。この記事では大きく「認知度向上」「既存顧客のリピート率向上」「常連客育成」の3つの目的を実現する上で役立つ販促方法を紹介しました。また飲食店を例に、フレームワークスを活用することで効果が期待できる販促方法を選択する手順を紹介しました。販促による高い効果を得るためには、実際に自社で何が課題となっているのかを検討した上で、最も適した販促方法を見つけてください。

なお、この記事では「販促方法」に特化して紹介しています。PoPin’では、チラシ広告初心者の方で、もっと概要寄りのデザイン作成やチラシ配布の方法について知りたい方のために、以下のような記事を用意しています。ぜひご覧ください。

▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事

☆チラシを検討している方に!
Web広告のように、ポスティング広告・オリコミ広告をデータで絞ってターゲティング配布。政府統計データに基づいて、「ポスティング・オリコミ・プランナー」があなたの見込み顧客属性の人が多く住んでいるエリアに優先配布するプランニングを行います。
Web上のサービスだから、いつでもどこでもポスティング広告・オリコミ広告のプランニング&発注が出来ます。減らそう無駄配布、増やそう広告効果。プランニングだけなら会員登録なしで行えます!
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