美容院チラシによくある4つの失敗例|事例から学ぶ成功ポイントも紹介

美容室の集客方法としてチラシのポスティングは有効な手段の1つです。しかし「ポスティングを実施したが、まったく反応がなかった。」というケースも珍しくありません。何が原因で失敗してしまったのか、チラシの効果を高めるにはどうしたら良いのか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、美容院の実施するチラシのポスティングにおいて思うように結果が出ない4つの事例と、成功に導くための4つのポイントを紹介しています。

1.よくある4つの失敗例

美容室などの地域に密着した業種にとって、チラシのポスティングは効果的な集客方法の1つです。店舗の存在を近隣住民へ直接的に伝えることができ、チラシを見られた方に店舗の雰囲気や魅力をアピールすることができるからです。しかしチラシのデザインや配布方法を誤るとまったく効果が出ず、失敗に終わってしまいます。ここでは、美容室のポスティングにおいてよくある4つの失敗例を解説していきます。

・他の美容室との差が分からない
・お店に来てもらうための情報や仕掛けがない
・美容室チラシは1回配布しても集客につながりにくい
・美容室のメインターゲットがいる世帯に届いていない

他の美容室との差が分からない

他の美容室との差が分からないチラシは集客効果が見込めません。店舗のコンセプトや、技術的な強みなど店舗の独自性がチラシから読み取れることが重要です。他の美容室との違いこそが自店の強みであり、お客様に通っていただける理由となります。大体のチラシの読み手は今行きつけの美容室があり、そこよりも良いと思える要素がなければ、試してみようという行動にはつながりません。

▼店舗の特徴が分かりにくいチラシ例
美容室のチラシを作成する際、おしゃれな雰囲気を創り出すため、見た目のデザインに重きを置いてしまいがちです。その結果、自店の特徴をアピールするポイントが無くなってしまい、他の美容室との差が分かりにくいチラシになってしまいます

お店に来てもらうための情報や仕掛けがない

「お店に行ってみようかな」と思ってもらえたとしても、店舗の地図や連絡先の情報、限定クーポンなどのそのお店に行きたくなる情報や理由を明確に提示しないと最後の一押しにつながりません。店舗の雰囲気や行きやすいといった理由だけでは行動につながりません。なぜならそのチラシは読み手にとって行ってみようかなと思っても行動を起こせないチラシだからです。

例えば、下記のチラシから赤く囲った部分が抜けてしまうと、店舗の場所や連絡先など店舗情報が分からなくなり、そこへ行くメリットも感じないため、店舗へ向かわせることができません。

▼後押しとなる情報がないチラシとあるチラシ

QRコードを掲載すれば割引クーポンや店舗情報などWebから確認できるので、来店の後押しとなる情報を省略しがちです。しかし、チラシの読み手は来店の後押しとなる情報も含めて、その店舗がどのような店舗かを判断し、来店意欲が高まらないとQRコードでさらに詳しい情報を知ろうとは動いてくれません。

美容室チラシは1回配布しても集客につながりにくい

美容室のチラシをポスティングしても1回だけでは集客の効果は見込めません。美容室を探したり乗り換えたりするタイミングは、人によって時期がさまざまなので、タイミングが合わなければチラシを見てもらえたとしても来店意欲と結びつかず、集客効果は期待できません。

「チラシ5,000枚をポスティングすれば5,000世帯に届いているから1回配れば十分だ」と配布回数についてこのような誤解をしてしまい、さらに反響が低いと「チラシでは反響が出ない」「ポスティングには効果がない」と考え、チラシ配布を1回で終わらせてしまいがちです。

美容室のメインターゲットがいる世帯に届いていない

ポスティングをする際、配布する対象エリアの世帯情報を把握・分析し、メインターゲットが多く居住していることを確認した上でチラシをポスティングしなければ、その効果は出にくくなります。世帯情報の把握ができていないと、こちらの設定したメインターゲットが配布対象エリアにどれだけ居住しているか判断できないため、実は配布したエリアにはメインターゲットが少なく、チラシが届いても来客を見込めない層にばかり届いてしまったということになり、どれだけ優れたチラシを配布しても効果が出づらくなります。また配布対象エリアの情報を把握するにはどうすれば良いのか分からず、そこを飛ばして配布してしまいメインターゲットに届かないことがよくあります。

2.失敗例から学ぶ美容室チラシ成功のポイント4つ

美容室のチラシをポスティングする上で注意しなければならないポイントが明らかになりました。その点を踏まえチラシのポスティングを成功に導くために押さえるべきポイントを4つ紹介します。

・お店の特徴がわかるチラシにする
・スムーズに行動できる導線を用意する
・チラシの回数を増やして好感度や親近感を高める効果を狙う
・マーケットデータを活用してムダを省く

お店の特徴がわかるチラシにする

美容室のチラシでは店舗の特徴を明確にすることが必要です。店舗の特徴とは、例えば店内の雰囲気や美容師個々の技術力、店舗のタイプなど。自店と競合他店舗のチラシを比較された際、仮に競合店のほうが割安だったとしても自店にしかない特徴をアピールすることで、価格以外の部分で競合他店舗との差別化を図ることができます。そして、その特徴はチラシ読者がお店を選ぶ際に自分が理想とする美容室かを判断する材料になります。

チラシ上で自店の特徴を明確化するときは、「ターゲットはこういう人だ」「こういう便益や世界観がお客様に刺さるだろう」と具体的に想定することが重要です。このように「誰に、何を、どうやって」を考えることが自店のブランドイメージを創り出し、それがチラシ読者のニーズと重なることで、チラシの反響に大きな影響を及ぼしてきます。価格を上回る魅力をチラシ読者に感じてもらうことが、チラシによる販促効果を高める上での大きなポイントとなります。

下のチラシは店舗の特徴を意識して作成したイメージとなります。また、どのあたりに店舗の特徴を反映させたのかをさらに下の図で解説しています。

▼店舗の持つ特徴を意識して作成した美容室チラシイメージ

店舗の特徴をチラシで表現するためには、まずターゲットの設定が必須です。ターゲットは自店の特徴(美容師の得意な技術や店舗の雰囲気など)にマッチした方を設定するのがポイントです。ターゲットを設定しましたら、そのターゲットに響く内容のデザインを作成します。ここでは子供のいる30~40代の女性をターゲットとしました。チラシのデザインは全体的にナチュラルな雰囲気のデザインでターゲットとして捉えた年代に共感しやすい内容とし、来店意欲の向上につなげています。またキャッチコピーによって、自店舗の特徴をチラシの読み手に分かりやすく伝え、他店舗にない優位性をアピールすることが重要です。

▼チラシ解説

スムーズに行動できる導線を用意する

チラシ読者が自店に興味を持ってくれたときに、そのまま行動に移しやすい環境をチラシ上で作り出しておくことが必要です。住所や地図・電話番号が載せられていなければ、店舗への行き方がわかりませんし、連絡のしようもありません。住所や電話番号は表記に間違いがないか確認し、読み手が一目で確認しやすい場所へ配置しましょう。それに隣接するような位置へ地図を配置すると読みやすさが増し、スムーズな行動へとつながります。その際配置する地図はムダな情報を省き、必要な情報を際立たせることがポイントです。

※チラシに掲載する地図の作り方についてより詳しい解説はこちらをご覧ください。「チラシに載せる地図の作り方は?シンプル・おしゃれな仕上げ方も解説」

また、限定クーポンなどで来店するメリットを押し出し、来店意欲を高める施策も重要なポイントとなります。ユーザーからしてみればクーポンがあるのと、ないのとではお得かどうかの違いの目安になり、やはりお得なほうへ行ってみようという心理が働くため、クーポンがある方が有効です。

チラシの回数を増やして好感度や親近感を高める効果を狙う

チラシを1回配布しただけでは、なかなかチラシ読者の印象には残らないため、定期的にチラシを配布し、ザイオンス効果(繰り返し接すると印象や好感度が高まる効果のこと)を狙うのも有効です。美容室を探したり乗り換えたりするタイミングで、良い印象を思い出してもらうことができるからです。

▼配布回数と好感度上昇のイメージ

またチラシ読者に印象を残すためには最低でも3カ月に1度は配布を行いたいです。一般的に女性のお客様の来店周期は2~3カ月に1度と言われています。来店意欲の高まるタイミングを逃さないために、この来店周期を意識した頻度での配布がポイントとなります。

マーケットデータを活用してムダを省く

チラシの配布エリアを検討するときにマーケットデータを活用すると、ターゲットのいる比率の高い地域へチラシ配布が可能となり、ターゲットの少ない地域への配布を控えられます。このように地域を絞った配布で、集客効果アップも狙いつつチラシのムダを省くことができ、広告費用も抑えることができます。

例えば「仕事や子育てで忙しい30代から40代の女性が、時間のない中でも簡単かつ美麗にスタイリングできる髪型」を提供できることが自店の特徴(強み)だとします。それを踏まえますとターゲット像を以下のように想定できます。

・女性    ・30代~40代   ・就業あり
・既婚    ・子どもあり    ・理美容サービス支出多め

ここで想定したターゲットが配布エリアに多く居住していれば、来店の可能性が高まるでしょう。そこで配布エリアにターゲットが居住しているかどうか把握するためにエリアマーケティングの分析ツールなどを活用します。それにより配布を検討していたエリアの実情を把握することができますので、ターゲット像と実際の居住傾向がマッチしているのかを判断でき、効果的にターゲットへ訴求できるようになります。またターゲットが少ないエリアなども把握できますので、そういったエリアへの配布をカットすることにより配布部数を減少させられるため、結果的に広告費用の減少にもつながります。

エリアマーケティングの分析ツールで代表的なのがGIS(地理情報システム)です。GISはさまざまなデータをコンピューターの地図上に表示することができ、ターゲットがどこに多く住んでいるかを可視化・分析することができます。

▼GIS表示例 30代女性人口比率の高いエリア

エリアマーケティングに関してより詳しい解説はこちらをご覧下さい。「エリアマーケティングとは?|無料で使えるマーケティングツール

また当社が提供しているポスティング・オリコミ・プランナー(POP)を使えばターゲットに合わせた配布設定がWeb上で簡単にプランニングできます。POPを使えば「家族構成」「性別」「世帯年収」など、およそ250種類の属性から最適なものを選択することができ、さらに折込チラシやポスティングの配布計画まで一括してプランニングできます。POPの配布プランは以下4つのステップで簡単に設定することができます。

▼POPを使った配布計画方法

1. ターゲットの設定
2. 配布条件の設定
3. 配布地域の設定
4. シミュレーション結果の表示と再編集

▼ポスティング・オリコミ・プランナー

*参考:ポスティング・オリコミ・プランナー|トップ(2022年3月11日)

 3.まとめ

美容室のチラシを配布する際、気をつける点としてチラシのデザインに自店の特徴が明記されているか、訴求したいターゲットにとって有効性があるか、配布方法が適切かといった点がポイントとなってきます。このようなポイントを確実に押さえて美容室のチラシ配布を成功に導きましょう。

なおPoPin’では、チラシ広告初心者の方で、もっと概要寄りのデザイン作成やチラシ配布の方法について知りたい方のために、以下のような記事を用意しています。ぜひご覧ください。

▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事

 

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