自社の製品やサービスをPRする手段として直接ターゲットに訴求できるセミナーは有効です。多くの方に参加いただくことが理想なのですが、漠然と集客活動を行っても思うように人は集められません。
「どんな集客方法が良いかわからない」「集客の効果を高める方法を知りたい」といったお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事ではセミナーで集客する場合に効果的なおすすめの集客方法を紹介します。また集客を行う際に集客効果を高める3つのコツも併せて紹介します。
1.セミナー集客のメリットとデメリットとは
自社でセミナーを開催し集客することの目的は、製品やサービスのアピールであったり、顧客との関係構築であったりしますが、そもそもセミナー集客という手段が適切かどうか考えることが必要です。そのジャッジはセミナー集客のメリットとデメリットを理解し、自社の方針に合っているか確認したうえで判断するとよいでしょう。ここではセミナー集客にはどのようなメリットとデメリットがあるのかを解説します。
・見込み客にリーチしやすい
・自社の製品やサービスをダイレクトにアピールしやすい
・一度に多くの顧客にアプローチできる
◆デメリット
・対面の営業活動よりもコストが増える可能性がある
・かけたコストがムダになる可能性がある
セミナーによる集客のメリット
セミナー集客にはWeb広告や対面営業にはないさまざまなメリットがあります。以下はセミナー集客における代表的なメリットです。
見込み客にリーチしやすい
セミナーには自社の製品やサービスにある程度興味や関心を持たれた方々が集まるため、見込み客にリーチしやすい特徴があります。
見込み客とは自社製品やサービスを認知しており、「必要としている」というニーズを持っているが、まだ購買に至っていないという方々で、将来の顧客と言える存在です。セミナーには基本的にこのようなニーズを持った方々が集まる可能性が高いので、Web広告などで一般消費者へ広範囲にアピールするよりも、自社製品やサービスを必要としてくれる方々と出会える確率が高いと言えるでしょう。
自社の製品やサービスをダイレクトにアピールしやすい
セミナーでは自社の製品やサービスに興味・関心のある方が参加しているためダイレクトにアピールしやすく、参加者の購買意欲を高めるのに有効です。
セミナーの参加者は自社の製品やサービスの説明を見聞きするために来られていますので、こちらの説明には真剣に耳を傾けてくれます。またセミナーは開始されれば、席を離れることが難しくなりますので、集中して話を伺っていただくことができ、Webのように離脱率が高くなるといったことは見受けられません。
セミナーでは時間をかけ実物を見せながら直接参加者に製品やサービスの魅力を伝えることができます。Webやカタログ上では分かりづらい点なども、その場で参加者とダイレクトに口頭でやりとりができますので、参加者の疑問点は解消されやすく「興味があった」から「購入したい」へと購買意欲を高めていくことにつなげられます。そのため商品やサービスのPRを考えている企業はメリットを受けやすいでしょう。
一度に多くの顧客にアプローチできる
自社製品やサービスに興味・関心のある顧客複数人に対し、まとめてプレゼンテーションが行えるため、営業効率が高まります。
1対1の営業活動も有効な営業手段の1つですが、複数人にアプローチするには同じことを何度も繰り返し、多くの手間と時間がかかってしまいます。セミナー集客では1度に複数人に対して同じ密度の内容を訴求することができますので、営業効率の面から見てどの企業においても有効性が高いと言えます。
セミナーによる集客のデメリット
セミナー集客は漠然と行っても効果は得られません。集客のためには事前の準備や告知の方法など工夫が必要となります。そういった準備や工夫を行う際にデメリットが生じてしまう可能性もありますので注意が必要です。
対面の営業活動よりもコストが増える可能性がある
セミナーを開催するには自社が想定するタイムスケジュールで利用できる会場を確保しなければなりません。自社所有の会場なら良いのですが、他社に賃借する場合は費用負担が発生してしまいます。対面の営業活動では訪問する際に費用が発生しますが、交通費など1件あたりの費用はそれほど多くないでしょう。しかしセミナー会場を賃借する際、時間や曜日、会場の規模により費用が大きく変化します。場合によっては数十万円となるケースも珍しくありませんので、開催予算に応じて適切な会場をどのように確保するのか検討する必要があります。
また集客したいターゲットが来場しやすいかをどうかまで考慮しなければ、集客につながりませんので、セミナー会場を賃借する際は予算とコストのバランスを注意する必要がりあます。
かけたコストがムダになる可能性がある
想定するターゲットに合わせた集客方法でなければセミナーへの参加者は現れず、運営コストがかかるだけの催しになってしまいます。
オンラインやオフラインの施策を複数組み合わせてターゲットに合った集客の戦略を考えなければ、ターゲットがセミナー開催の情報を目に留める可能性が低くなり、集客には結びつかない可能性が高くなるでしょう。
2.セミナー集客を増やすオンライン施策6つ
セミナー集客の方法はいくつもありますが、ここではセミナー集客に効果的なおすすめのオンライン施策6つをご紹介します。
(2)自社ホームページ&ランディングページ
(3)SNS
(4)メーリングリスト
(5)SEO対策
(6)LINE広告&公式アカウント活用
(1)ポータルサイト
セミナー情報を集約するポータルサイトへの掲載は有効な手段の1つです。セミナーに特化したポータルサイトでは、全国各地のさまざまなセミナー情報を閲覧できます。セミナーへの参加意欲のあるユーザーが多く利用するため、自社セミナーに関連するテーマをサイト内で検索してくれるユーザーがいたとしたら、ポータルサイトを通じてセミナーを見つけてくれ、参加してもらえる可能性が高まりますので、集客の期待が持てます。
また自社ホームページやSNSのアカウントをお持ちでなくても、集客ツールとして利用できる点がおすすめです。
▼代表的なセミナーポータルサイトとその特徴
サイト | 特徴 |
---|---|
こくちーずプロ | セミナーやイベントなどの告知ページ・申し込みフォームの作成サービスです。誰でも簡単に参加者を無料で集客できます。 |
セミナー情報.com | 日本全国のビジネス・投資など人気のセミナーを検索できるサイトです。セミナーのラインナップが豊富です。 |
Peatix | 登録ユーザーが700万人を超え、イベント・セミナーを公開するだけで多くの人にアプローチできます。 |
セミナーズ | ビジネスからフィットネスまでさまざまなセミナーが掲載されている日本No1のセミナーポータルサイト。無料で誰でもかんたんに掲載することが可能です。 |
自社の行うセミナーの特色に合わせ、どのポータルサイトに掲出することが効果的か検討すると良いでしょう。無料掲載が可能であれば、複数のサイトに掲載することも有効です。
(2)自社ホームページ&ランディングページ
自社のホームページにセミナー用ページを作成することでセミナーの宣伝に利用すると良いでしょう。そもそもホームページを閲覧しに来ること自体が自社に何らかの興味があるという根拠になりますので、セミナー開催の情報などにも興味を示していただける可能性があります。
セミナー用のページには、セミナーの内容や申し込み方法など閲覧者が気になるであろう情報を掲載し、セミナーへ参加しやすい環境を作りだすことが有効です。これにより閲覧者の参加意欲を高め、集客につながる可能性が高まります。
またランディングページを作ることも有効です。ランディングページは1つのテーマに焦点を当て、縦長の1ページに情報を集約したページになりますので、セミナー開催の情報をスムーズに閲覧できます。またセミナー開催の情報+参加を促すというシンプルな構成で、リンクやバナーのボタンが無く、代わりにコンバージョンボタン(CTA)を配置するのが特徴です。コンバージョンボタン(CTA)には「セミナー参加」という具体的な行動を促し、閲覧者を参加者に転換(コンバージョン)させる意図があります。
このようにランディングページは直接的に製品やサービスについて強い訴求ができ、閲覧者がアクションを起こしやすいページ設計ができるため集客の効果が期待できます。
(3)SNS
SNSを利用すると多くの人にアプローチすることができるので、セミナーの集客にも有効です。
SNSを利用している人口は年々増加しており、国民の約7割が何らかのSNSを利用していると言われています。セミナーの集客においても自社のアカウントから情報を発信することでフォローしてくれている顧客全員に周知でき、リツイートなどによって情報が拡散する可能性もあります。こういった性質を利用することでフォロワーやお友達を増やすことができれば、そこから関係性を築いて集客につなげることができます。
また自社アカウントの認知度が低い場合は、社員や関係者の個人アカウントからもセミナー情報をシェアするなどして、拡散させると集客に結びつく可能性があります。
(4)メーリングリスト
自社で顧客のメーリングリストを所有している場合、登録されている顧客にメールマガジンなどを同時配信することができるため、セミナー開催の告知に費用をかけず、集客の効果を高める可能性があります。
メーリングリストに登録されている顧客は、もともと自社と何らかの接点があり、自社の製品サービスをまったく知らない方に比べ関心を示してもらえる可能があります。セミナー開催の告知をメルマガで配信した場合でも肯定的な反応を示してくれやすく、集客につながる手段の1つと言えるでしょう。
またメーリングリストの顧客について、「どういったニーズを持っているか」など顧客の特徴ごとにグループ分けをしていくことでセミナー開催の告知に反応がありそうなグループにだけメール配信ができ、より集客に結び付けやすくなります。
(5)SEO対策
セミナー集客においてもSEO対策により自社のホームページやランディングページが検索エンジンで上位に表示されることで、検索者からは閲覧頻度の高いサイトと認識され、サイトの信頼度が高まります。また上位表示されることでサイトへの流入数が増えるため、集客効果を高めることに有効です。
そもそも上位表示ページは検索者のニーズを満たしているコンテンツです。つまり上位表示を狙うことで、セミナー集客ページにおける検索者のニーズを満たす内容に近づけられ、結果的に集客も期待できます。ただし検索者のニーズをコンテンツに反映することは、WEBに関する一定の知識や技術が必要となります。SEO対策は無料でできる施策であり少しでも多く集客したいという方におすすめです。
(6)LINE広告&公式アカウント活用
LINEを活用することでセミナー情報を迅速に告知・リマインドできるので、セミナー集客においても有効なツールの1つとなります。現在国内で約9千万人が利用しており、単なるコミュニケーションツールとしてだけではなく、ビジネスにおける集客ツールとしての利用価値が高いことも証明されています。またLINEの特徴として、メッセージの配信が日常的に使用しているプラットフォームに届くため開封率が高く、ユーザーと接触できる機会が多いことが挙げられます。セミナー集客においてもこの影響力を活用することは有効な手段と言えるでしょう。
LINE広告の運用には費用が発生しますが、多くのユーザーへの広告露出が見込め、他のSNSではリーチできなかったユーザー層にもアプローチできます。また緻密なターゲティングも可能なため、自社の製品やサービスに興味がありそうなユーザーに狙って広告を配信できるのでセミナー集客においても有効な手段となります。予算に余裕がある場合は選択肢の1つとして検討すると良いでしょう。
3.セミナー集客を増やすオフライン施策3つ
ここまでにセミナー集客に効果的な“オンライン”の施策を紹介しましたが、“オフライン”の施策にも効果的なものがあります。こちらではセミナー集客におすすめのオフライン施策3つをご紹介します。
(2)ポスティング
(3)DM/FAX DM
(1)新聞折り込み
チラシを作成し配布する新聞折り込みは新聞購読層へ確実に届き、視認性が高いことで、安定した認知が得られセミナー集客においても効果を発揮します。
新聞折り込みは年配層や経済的余裕がある層へのアプローチに向いています。投資関連のセミナーや単価の高い新製品PRなどが新聞購読層にマッチしやすい傾向がありますので、自社セミナーの想定するーゲットに合わせ新聞折り込みを利用することは有効な手段となります。
(2)ポスティング
ポスティングはさまざまな層へアプローチし、配布エリアも柔軟に決めることができるので、綿密な配布計画を練ることができます。例えば「ママのためのマネーセミナー」というセミナーを開催するとした場合、ターゲット設定を、会場から5km圏内に居住し未就学児童がいる20~30代の女性とします。ポスティングはそれに合わせ配布エリアとターゲット属性を絞った形で配布ができるので、ムダなく効果的な販促ができ、セミナー集客の効果を高めることにも有効です。
またポスティングで配布するチラシは自由にデザインすることができるので、セミナーのイメージや詳細を分かりやすく伝えられるメリットがあります。また保管率が高いという特徴もありますので、定期的にセミナーを行う企業などの施策として有効と言えるでしょう。
(3)DM / FAX DM
DMやFAX DMはチラシなどの宣伝素材があれば簡単に送ることができますので、コストを抑えつつ多数のターゲットにアプローチでき、集客を高める効果があります。
ただし、DMやFAX DMは中も見ずに捨てられてしまうという懸念があります。チラシなどの宣伝素材はデザインが自由にできますので、内容が気になるようカラーやキャッチコピーで目立つ工夫を施し、送り先の方の目に留まりやすくなるようにしたいです。ダイレクトに処分されず、内容を見ていただくことができれば、集客への第一歩となる可能性があります。またDM/FAX DM単体の施策では効果が出にくいので、他の施策を補完する意味合いで実施すると良いでしょう。
4.セミナー集客で反響を高める3つのコツ
セミナーの集客で反響を高めるには押さえるべきポイントがあります。ここでは反響を高めるために必要な3つのコツを紹介します。
(2)ターゲットにマッチする集客方法を選ぶ
(3)ターゲットが参加しやすい曜日や時間帯で開催する
(1)セミナーのコンセプトを明確化しターゲットを絞り込む
セミナーのコンセプトを明確化しターゲットを絞り込むことによって、自社に合うニーズを持った顕在客と見込み客にリーチする可能性が高まります。ターゲットを絞り込んだとしても、ニーズが不明瞭である潜在客はそもそもセミナーに参加される可能性が低く、また参加されても購買や利用につながる可能性がきわめて低いので、セミナーにおいてはリーチする必要がありません。
ターゲットの絞り込みは、自社の製品サービスを知らないもののニーズを自覚している顕在客と自社の製品サービスを利用したことはないものの、興味・関心があり購入・利用する可能性のある見込み客にたどり着くことを考えて設定することがポイントです。そのためにはセミナーのコンセプトを明確にしている必要があります。コンセプトを明確にすると言われると難しく聞こえますが、シンプルに「誰のための、何のためのセミナー」なのかを具体的に分かりやすく決めるという事です。このコンセプトがセミナーの告知を見た方のニーズを満たし、便益を感じられるものであれば集客につながるでしょう。
セミナーのコンセプトを誰のための、何のためのセミナーなのか決めることにより、ターゲットのイメージを具体的につかむことができます。そのターゲットにはどういった告知方法が適切なのか、より深く考えることができますので、漠然とセミナー集客を行うことに比べ反響が高くなります。
(2)ターゲットにマッチする集客方法を選ぶ
セミナーの集客ではターゲットの特徴にあった方法を選択することにより集客の反響が高まります。
ここまでにご紹介した、どの集客方法もターゲットの特徴にマッチすることでより高い効果が期待できます。例えば50代以上に向けた投資セミナーであれば新聞購読率が高い世代なので、新聞の折込チラシは有効となってきます。昨今50代以上の方でもスマートフォンを駆使しWeb上でさまざまな情報を収集している一方で、新聞の情報に対する信頼度は依然高い状況です。新聞購読が生活の一部となっており、折込チラシを視認する確率が高いため、集客を高める手段として効果的といえるわけです。
逆に、20~30代の若年層をターゲットとしたセミナーの集客方法に「新聞折り込み」を選択しても、その年代は新聞購読率が30%台と60代以上の購読率の半分以下とかなり低いため当然ながら反響は得られません。
またターゲットにマッチした集客方法は1つだけではありませんので、反響率をより高めるためには、オンライン・オフラインの集客方法を複数織り交ぜた形で実施するのが理想的です。
(3)ターゲットが参加しやすい曜日や時間帯で開催する
ターゲットが参加しやすい曜日や時間帯にセミナーを開催することで、集客の反響率は高まります。
ターゲットの参加意欲がどんなに高くても、参加しにくい日時では足を運んでいただけない可能性が高くなります。一般的に人が集まりやすいと言われている土曜日や平日の終業後19時以降などに開催することで反響が高まる可能性があります。
5.【チェックリスト】セミナー集客でよくある失敗
セミナーの集客が失敗に終わってしまった場合、いくつかの理由が考えられます。セミナー集客でよくある失敗要因を提示しますので、自社のセミナー集客において下記内容が該当しないか確認してください。
(2)セミナーのターゲットが定まっていない
(3)ターゲットに合った媒体で告知ができていない
(4)告知のタイミングが合っていない
(5)セミナーに参加するメリットが分からない
(1)セミナーのコンセプトが定まっていない
セミナーのコンセプトが定まっていないと、結局何のセミナーなのか分からず、参加する理由が大きく損なわれてしまうため集客にはつながりません。
(2)セミナーのターゲットが定まっていない
セミナーのターゲットが定まっていないと、消費者側は誰のための何のためのセミナーなのか分からず、「自分には関係ない」と遠い他人事としてしか受け取れないため、集客が難しくなります。
(3)ターゲットに合った媒体で告知ができていない
ターゲットに合った媒体で告知ができていないと集客につながりません。ターゲット層の情報収集手段がSNSメインだとして、自社のホームページやダイレクトメールだけの告知ではターゲットにリーチしづらいため集客に結びつきません。
(4)告知のタイミングが合っていない
セミナー開催の告知タイミングが遅いと集客できません。開催まで1カ月を切った状態から告知をしても、すでにスケジュールが決まっている人が多くいる可能性もあり、集客は見込めません。少なくとも3カ月以上前から告知すると良いでしょう。
(5)セミナーに参加するメリットが分からない
セミナーに参加することで得られるメリットを参加者側に明確に提示できなければ、参加自体が時間のムダと判断されてしまいます。参加意欲の低下を招いてしまい、集客効果は得られなくなります。
6.まとめ
セミナーの集客は難しいという印象がありますが、集客方法を工夫することで反響を高めることができます。自社の製品やサービスを必要とするターゲットに合った集客方法を見出すことがポイントとなりますので、まずはターゲットについて深く分析すると良いでしょう。
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