塾のチラシをこれからポスティング配布しようと検討しているけれど「どこに配布すれば効果的か分からない」とお困りの経営者様や、ポスティング配布したけれど「なかなか生徒が集まらない」「あまり効果がなかった」とお悩みの経営者様も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、塾チラシのターゲット設定を3つのステップでご紹介します。またチラシの反応率を上げるのに効果的な配布計画策定方法を6つのステップで解説しています。
1.塾チラシのターゲット設定の3つのステップ
塾チラシは、年齢層や家族構成、世帯年収などの一定の条件が満たされている限られた範囲の人たちにしか刺さりません。そのため、チラシの反響率を高めるには、ターゲット設定を綿密に行って適切なターゲット層へ情報を届けることが大切です。以下では、塾チラシを効果的に配布するためのターゲット設定の3つのステップをご紹介します。
(2)ターゲット候補を洗い出す
(3)ターゲットを決める
(1)ポスティングの目的と目標を明確にする
塾チラシのポスティングを実施する際は、目的と目標を明確にすることが大事です。目的・目標が決まればターゲットを想定しやすくなるためです。また、チラシの内容の方向性も定めやすくなります。以下は塾チラシのターゲット設定の目的・目標設定の一例です。
▼目的・目標の設定例
・新学期の生徒募集
・夏期講習の生徒募集
・冬期講習の生徒募集<目標>
・授業枠90%を埋める
・申込者数、前年比150%アップ
(2)ターゲット候補を洗い出す
次にターゲット候補を洗い出します。自社のターゲットを具体的に洗い出しておくことで、求めている人に絞って告知をすることができるからです。ターゲットを洗い出しておかないと無駄な告知が増えてしまい、コストや時間を無駄に多く費やしてしまうので、ターゲットを洗い出しておくことは反響率を上げる重要なポイントになります。以下は塾チラシのターゲット候補の一例です。
▼ターゲット候補例
・成績は高い層なのか、中間層や低い層なのか
・教科は何か
・家族構成
・世帯年収
・サービス支出
(3)ターゲットを決める
最後にターゲットを決めます。自社の目的や目標に合わせて具体的な顧客像を決めることで、チラシの内容も決まってきます。最適なターゲットを決め、効率よく求めている人にPRしましょう。以下はターゲット設定の一例です。
▼ターゲットの設定例
・13歳~15歳人口(年齢層)
・成績が高い層(教育支出)
・世帯年収500万円~700万円(世帯年収)
・中学生向けの塾、習い事、予備校等(サービス支出)
【コラム】塾のチラシでターゲット設定が重要である理由
塾のチラシは、ターゲット設定をして自社商圏内の潜在顧客に届けることが重要です。ターゲットを軸に配布計画を立てることで配布枚数を抑えることができ、さらに効果の高い配布をおこなうことができます。
ターゲット設定の軸は「業界」と「目的」となります。自社の業界はどんな人にPRすればいいのか、チラシを配布する目的は何なのかを明確にすることでターゲットが絞れてくるでしょう。
※目的別のターゲット設定などを知りたい方は「生徒募集チラシのムダ配布を減らそう|ターゲット設定と効率的な配布計画策定のやり方」の記事を参照ください。
※塾のチラシの作り方を知りたい方は「塾のチラシのテンプレート3選|生徒数アップにつながるチラシの作り方も」の記事を参照ください。
2.塾チラシの配布計画とは?
塾チラシを配布する際に、配布計画を立てるのと立てないのでは、実施後の反響率に大きく影響してきます。配布計画とはチラシを「どこに(配布エリア)」「何枚(配布部数)」「いつ(配布日程)」配ることを決めることです。以下ではポスティング配布計画の策定例を6つのステップでご紹介します。
GISを使った配布計画の策定例
GIS(地理情報システム)を使えば無駄を少なくしてターゲットにチラシを届けることができます。GISとはさまざまなデータをコンピューターの地図上で扱う情報システム技術のことです。位置に関する複数のデータを地図上で表示することで、可視化・分析できるという大きなメリットを持っています。以下はGISを使った中学生・高校生向けの学習塾のポスティング配布計画の一例です。
▼塾チラシの配布計画例
中学受験・高校受験を控える子ども
■地域特性・マーケットデータ
10歳~14歳人口比率が高いエリア
■配布エリア
自社中心半径3km圏内、10歳~14歳人口比率が高いエリア
■配布枚数
15,545枚
■配布期間
7月5日月曜日~7月9日金曜日(夏期講習生徒獲得のため)
▼GISを使ったポスティング配布計画例
上図ではGISを使い、自社の商圏内のターゲットが住む比率が高い地区への配布プランを立てました。ターゲットが住む比率が低い地区を除外することで、より効果的にターゲットに配布することができます。
配布計画策定の6つのステップ
配布計画策定は下記6つのステップを踏むことで、チラシ配布の効果を高めることができます。ここではステップごとに方法を解説し、GIS(地理情報システム)を使った策定内容とその他の策定例をご紹介します。
(1)ターゲットを設定する
塾チラシの配布計画策定をする際、初めにターゲットを設定します。自社が求めるターゲットを設定しておくことでGISからターゲット層が多いエリアを抽出することができます。以下は「GISを使った配布計画例」と塾チラシのターゲットを決める要素例です。選定をする際の参考にしてください。
▼GISを使った配布計画例
今回のターゲットは「10歳~14歳」としました。そこで、GISでは10歳~14歳の人口比率が反映されるように設定します。
▼塾チラシのターゲットを決める要素一例
・年齢層(小学生、中学生、高校生)
・家族構成(夫婦のみの世帯、夫婦と子供から成る世帯など)
・居住形態(一戸建、共同住宅など)
・世帯年収(300万未満、300~500万未満、500~700万未満、700~1000万未満など)
上記のようにターゲットを決める要素は複数あります。自社に合ったターゲットを明確にしてから選定していきましょう。
(2)地域特性とマーケットデータを把握する
次に自社が想定する商圏の地域特性(高級住宅街、単身者が多い地域など)と具体的なマーケットデータ(年齢層、家族構成、世帯年収、サービス支出など)を把握します。具体的な地域特性とマーケットデータを把握したらGISを活用して地図上に抽出します。さらに自社の競合塾もリスト化しておくといいでしょう。以下は「GISを使ったエリア配布計画例」の一例です。
▼GIS(地理情報システム)を使ったエリア配布計画例
自社を中心に半径1・2・3km商圏で10歳~14歳の人口比率を町丁目単位で色分けして分析しました。ポイントとしては、人口数ではなく人口比率で分析することです。人口数で分析してしまうと、人口の多い町丁目が上位にきてしまい正確なデータを取ることができません。
(3)ターゲットに合った配布エリアを決める
配布エリアは、より多くのターゲットにチラシが届くエリアを選択することが重要です。自社の商圏(半径3km)と(2)のエリア分析資料を基に、ターゲットが多く住んでいるエリアを優先して配布エリアを決めます。以下は「GISを使った配布計画例」の一例です。
▼GISを使った配布計画例
今回は上記のエリアを選びました。ターゲットが多く住むエリアに絞ることで、効率よくチラシを告知することができます。
▼ポスティング配布のエリア設定例
自社中心に半径3km圏内で、10~14歳の構成比率の高い町名を優先して配布する地区を具体的に決めていきます。GISを使いMAP上に抽出した上位2ランク(青3.75%~5.00%、赤5.00%以上)のエリアの部数を確認して配布部数欄に配布する部数を決めます。
(4)配布する枚数を決める
配布する枚数は(3)の配布エリアを設定するときと同時に決めます。配布枚数は広告予算に応じて決めていきますが、ポスティング業者にお願いする場合は配布料金が発生します。ポスティングの配布単価は一般的には1枚あたり3円~7円で、配布単価はチラシサイズや配布地域、配布方法によって異なります。
▼チラシサイズとポスティング料金の例
一部当たり単価(円)
市名 | B5以下 | A4 | B4 | A3 | B3 |
---|---|---|---|---|---|
〇〇市 | 3.60 | 3.80 | 4.00 | 4.50 | 4.80 |
▲▲市 | 4.00 | 4.30 | 4.50 | 5.50 | 6.00 |
□□市 | 4.60 | 4.80 | 5.00 | 6.00 | 6.50 |
(税別)
(5)配布する日程を決める
配布する日程はチラシの内容やターゲット層の行動パターンに合わせて決めます。見込み客の潜在的なニーズが高まっているタイミングを狙って配布すると反響率が上がるためです。以下は「GISを使った配布計画例」です。
▼GISを使った配布計画例
今回は夏期講習の生徒を募集するため上記の日程に設定しました。実際の講習が始まる数週間前に配布して、ターゲットに入塾するかを検討する時間を設けてあげましょう。
また、新聞折込の業種別折込曜日資料などを参考にして配布日程を決める方法もあります。ただし、ポスティングは配布日をピンポイントで決めることができる新聞折込と違って配布日が数日間で設定されます。ポスティング会社によって配布日程が異なるので事前に確認してから設定する必要があるので注意してください。以下は新聞折込出稿時計の業種別折込曜日比率資料になります。
▼新聞折込の業種別折込曜日比率
※静岡オリコミ|静岡県折込出稿統計(2021年1月~6月集計)
上図は新聞折込の業種別折込曜日の構成比です。どの業種が何曜日に多く出稿しているかを把握することができます。
(6)実施後に配布計画を見直す
ポスティング配布は実施して終わりではなく、定期的に配布計画を見直すことが重要です。ターゲット層を見直して、配布計画を再設定することで新規顧客の獲得を目指しましょう。また、自社の商圏を把握することで次回の配布精度を高めることが可能になります。商圏設定方法は顧客リストを基にどこから反響があったかを把握しておき、資料を参考に1次商圏、2次商圏に分けてポスティング頻度を変えるなどの工夫をするとポスティング配布の費用対効果が上がります。
▼顧客データの記録をピン留めする
【コラム】塾チラシの配布計画をツールで簡単に策定する方法
GIS(地理情報システム)を使って適切な配布計画をするには、エリア分析に費用と時間がかかってしまいます。そこで、GISを使わなくてもターゲット層に合わせた配布エリア設定をWEB上で作成できる、ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)サービスがおすすめです。POPを使えば無料で「年齢層」「家族構成」「世帯年収」など、およそ250種類の属性を選択することができ、さらにポスティングの配布計画まで一括して簡単にプランニングできます。以下はPOPの利用方法です。配布計画策定の参考にしてください。
▼ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)の配布プラン設定方法
POPの配布プランは以下4つのステップで簡単に設定することができます。
(1)ターゲットの設定
(2)配布条件の設定
(3)配布地域の設定
(4)シミュレーション結果の表示と再編集
(1)ターゲットの設定(例:中学生向けの塾、習い事、予備校等)
ターゲット属性を最大5つのカテゴリから選んで設定します。カテゴリは年収・住居体系、物販・消費財支出、サービス支出、性別・年齢・配偶者、子ども、職業の有無の250種類から選ぶことができます。
(2)配布条件の設定(例:印刷依頼なし、ポスティング、10月11日~10月17日、A4)
配布条件で、印刷依頼、配布方法(ポスティング・新聞折込)、配布日程、サイズを設定します。印刷ありを選択した場合は、印刷色、用紙、厚さを選びます。
(3)配布地域の設定(例:静岡、〒4200851静岡市葵区黒金町)
配布地域(静岡県か東京都23区)を決めた後に、郵便番号か住所を入力し配布中心地点を設定します。
(4)シミュレーション結果の表示と再編集(例:半径3km、9,400部)
設定したシミュレーション結果が表示されます。設定内容を確認し、配布地域を自社商圏(半径0.5km~4.5km)の間で設定するか丁目指定で設定し、再シミュレーションします。最後にシミュレーション結果で問題がなければ「注文する」をクリックします。
このようにPOPを使えば、250種類の属性の中からターゲットを絞ることができ、GISを使うよりも簡単に配布計画を立てられます。また、印刷依頼もできるので「印刷+配布」を一括してご発注いただけます。さらに、POPはWEB上での発注システムなので24時間対応しており、お客様のご都合のいい時間でお申し込みが可能です。
*参考:ポスティング・オリコミ・プランナー|開発中画面(2021年9月28日)
3.まとめ
塾のチラシは適切なターゲット設定をして、自社の存在を告知することでチラシの反響率が大きく変わります。また、ポスティングの配布計画は、6つの配布計画策定方法を押さえて作れば、費用対効果を高めることができます。
なお、この記事では「塾チラシのムダ配布削減」に特化したテクニックを中心に紹介しています。チラシ広告初心者の方で、もっと概要寄りのデザイン作成やチラシ配布の方法について知りたい方のために、下のような記事を用意しています。ぜひご覧ください。
▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事
・チラシデザイン作成の基本を知りたい方
(1)デザインの一番基本となる、レイアウトの決め方を知る記事
(2)タイトル・キャッチコピーの作り方を知る記事
(3)チラシに使うイラスト素材の探し方を知る記事
(4)フォントの選び方を知る記事
(5)厚さ・紙質などチラシに使う用紙の選び方を知る記事
(6)おしゃれなチラシの作り方を知る記事
・ポスティング・新聞折込どっちがいい?など配布の仕方を知りたい
(1)ポスティング、新聞折込、新聞以外への折込、デジタルチラシ・・等手法の特徴を知る記事
(2)ポスティングのやり方・コツを知る記事
(3)折込広告のやり方・コツを知る記事