不動産のチラシのムダ配布を減らそう|ターゲット設定と効率的な配布計画策定のやり方

不動産チラシをこれからポスティング配布しようと検討しているけれど「どこに配布すれば効果的か分からない」とお困りの経営者様や、ポスティング配布したけれど「あまり効果がなかった」とお悩みの経営者様も多いのではないでしょうか。

この記事では、不動産チラシのターゲット設定を3つのステップでご紹介します。またチラシの反応率を上げるのに効果的な配布計画策定方法を6つのステップで解説しています。

1.不動産チラシのターゲット設定の3つのステップ

不動産チラシは、年齢層や家族構成、世帯年収などの一定の条件が満たされている限られた範囲の人たちにしか刺さりません。若年層や高齢者が多く住むエリアに告知しても思ったほどの効果は得られないでしょう。そのため、チラシの反響率を高めるには、ターゲット設定を綿密に行って適切に情報を届けることが大切です。まずは、不動産チラシを効果的に配布するためのターゲット設定の3つのステップをご紹介します。

(1)ポスティングの目的と目標を明確にする
(2)ターゲット候補を洗い出す
(3)ターゲットを決める

(1)ポスティングの目的と目標を明確にする

不動産チラシのターゲットを設定するためには、まず目的と目標を明確にしましょう。目的に関しては「何を」求めているのか、目標に関しては「何件、何人」達成したいのかなどを決めることです。そうすることで、チラシ内容の方向性も定めやすくなります。下記は不動産チラシのターゲット設定の目的・目標設定の一例です。

▼目的・目標の設定例

<目的>
・賃貸物件の内見希望者数UP
・新築分譲物件の見学会参加者UP
<目標>
・賃貸マンションの入居率を90%にまで上げるため、3月の内見数を◯◯件にしたい
・5月の新築分譲物件の見学会参加者数を◯◯人にしたい

(2)ターゲット候補を洗い出す

次にターゲット候補を洗い出します。例えば、「子供を転校生にしたくないから小学校に入学する前にマイホーム購入しよう」や「賃貸住宅に10年以上住んでいてそろそろマイホーム購入しよう」「今の家が築年数20年以上経っているから建て替えよう」とお考えの方たちなどです。このように自社のターゲットとなる顧客層を全て挙げておきます。自社のターゲットを具体的にすることで、求めている人に絞って告知ができて、反響率アップが期待できます。下記は不動産チラシのターゲット候補の一例です。

▼ターゲット候補例

・年齢層(20代、30代、40代、50代)・賃貸住宅に住んでいて持ち家を希望する家庭
・家族構成
・世帯年収

(3)ターゲットを決める

最後にターゲットを決めます。ターゲット候補を洗い出した上で獲得したい家族構成や居住形態、世帯年収に合わせてどのターゲットが最適か決めましょう。以下はターゲット設定の一例です。

▼ターゲットの設定例

・マイホームを持ちたいと思っている30代夫婦・賃貸住宅に居住(サービス支出・住居)
・子どもがいる
・世帯年収500万円~700万円(世帯年収)

【コラム】不動産のチラシでターゲット設定が重要である理由

不動産のチラシは、ターゲット設定をして自社商圏内の潜在顧客に届けることが重要です。
ターゲットを絞らずにチラシを配布すると、持ち家世帯や単身世帯など不動産のチラシ広告があまり関係ない人にもチラシが届いて広告費用がかかりすぎてしまいます。興味・関心のない人たちに必要のない情報が届いても集客アップにはつながりません。

ターゲットを設定するときは、「業界」と「目的」を軸にすると考えやすくなります。今回は不動産という業界を軸にしたターゲットの設定方法を解説していますが、自社のサービスによっては「セミナー集客」「アルバイト募集」などの目的を軸としてターゲット設定するパターンもあります。

※不動産のチラシの作り方を知りたい方は「不動産チラシのテンプレート3選|反響率を高める作り方のコツも解説」の記事を参照ください。

2.不動産チラシの配布計画とは?

不動産チラシを配布する際に、配布計画を立てるのと立てないのでは、実施後の反響率大きく影響してきます。配布計画とはチラシを「誰に(年代、求めるもの)」「どこに(配布エリア)」「何枚(配布部数)」「いつ(配布日程)」配るか決めることです。

今までチラシを配布したものの効果がないと思っている方は、「誰に」に加え「設定したターゲットに届けるためのエリア設定や配布日」が適切ではなかったのかもしれません。以下ではポスティング配布計画の策定例を6つのステップでご紹介します。

GISを使った配布計画の策定例

GIS(地理情報システム)を使えば無駄を少なくしてターゲットにチラシを届けることができます。 GISとはさまざまなデータをコンピューターの地図上で扱う情報システム技術のことです。位置に関する複数の情報を持ったデータを地図上に表示することで、視覚的に判断しやすくなり、高度な分析や分析結果の管理もしやすくなります。実際にGISを用いて不動産チラシの配布計画を立ててみました。下記はその配布計画の一例です。

▼不動産店Aでのチラシの配布計画例

■ターゲット未就学児のお子さんがいる世帯
■地域特性・マーケットデータ
夫婦と6歳未満の子供から成る世帯
■配布エリア
自社中心半径5km圏内、夫婦と6歳未満の子供から成る世帯比率が高いエリア
■配布枚数
18,000枚
■配布期間
2021年12月6日(月)~12月10日(金)

▼GISを使ったポスティング配布計画例

上図ではGISを使い、自社の商圏内のターゲットが住む比率が高い地区への配布プランを立てました。ターゲットが住む比率が低い地区を除外することで、より効果的にターゲットに配布することができます。

配布計画策定の6つのステップ

先ほど挙げた「不動産店Aでのチラシ配布計画内容」は、大きく6つのステップを踏んで作成されています。この作成事例において、それぞれのステップでの考え方をご紹介します。

(1)ターゲットを設定する
(2)地域特性とマーケットデータを把握する
(3)ターゲットに合った配布エリアを決める
(4)配布する枚数を決める
(5)配布する日程を決める
(6)実施後に配布計画を見直す

(1)ターゲットを設定する

不動産チラシの配布計画策定をする際、始めにターゲットを設定します。自社が求めるターゲットを設定しておくことでGISからターゲット層が多いエリアを抽出することができます。下記、不動産チラシのターゲットを決める要素例です。選定をする際の参考にしてください。

▼不動産チラシのターゲットを決める要素一例

・性別(男、女)・年齢層(30~40歳)
・家族構成(夫婦のみの世帯、夫婦と子供から成る世帯など)
・居住形態(賃貸住宅に居住)
・世帯年収(300万未満、300~500万未満、500~700万未満、700~1000万未満など)

上記のようにターゲットを決める要素は複数あります。自社に合ったターゲットを明確にしてから選定していきましょう。中でも、「マイホーム購入は子供が小学校に入学する前に」と定説される人たちを狙って、今回のターゲットは「夫婦と6歳未満の子供から成る世帯」としました。そこで、GISでは夫婦と6歳未満の子供から成る世帯の世帯比率が反映されるように設定します。

▼不動産店Aでのターゲット設定

・未就学児のお子さんがいる世帯

(2)地域特性とマーケットデータを把握する

次に自社が想定する商圏の地域特性と具体的なマーケットデータを把握し、GISを活用して地図上に抽出します。地域特性とは「高級住宅街」「単身者が多い地域」などのそれぞれの地域の特徴を指し、マーケットデータとは年齢層や家族構成、世帯年収、サービス支出などの世帯に関する情報を指します。下記は、実際に不動産チラシの配布計画を立てるときにGISで可視化する地域特性・マーケットデータの具体例です。

▼GISで可視化する地域特性・マーケットデータの具体例

<地域特性>
・高級住宅街
・単身者が多い地域
・集合住宅街
<マーケットデータ>
・年齢層
・家族構成
・世帯年収

今回は、ターゲットが「夫婦と6歳未満の子供から成る世帯」が住む世帯ですので、GISでは色分けをして地図上で可視化します。以下は実際に可視化したGIS画面です。

自社を中心に半径1・2・3km商圏で「夫婦と6歳未満の子供から成る世帯」の世帯比率を町丁目単位で色分けして分析しました。商圏については近隣住民や現状の生活環境が変わらない範囲で設定しました。注意点としては、世帯数ではなく世帯比率で分析することです世帯数で分析してしまうと、世帯の多い町丁目が上位にきてしまい正確なデータを取ることができません。

▼不動産店AでのGIS抽出項目

・夫婦と6歳未満の子供から成る世帯が住む世帯比率が高いエリア

(3)ターゲットに合った配布エリアを決める

GISでターゲットの分布を可視化したら、自社のターゲットに合った配布エリアを決めましょう。手順としては、自社の商圏を決め、商圏内の対象エリアの一覧を出し、具体的な配布エリアを決めていきます。配布エリアは、より多くのターゲットにチラシが届くエリアを選択することが重要です。自社の商圏(半径3km)と(2)のエリア分析資料を基に、ターゲットが多く住んでいるエリアを優先して配布エリアを設定します。下記は、不動産店Aにおける効果が期待される配布エリアの具体例です。

▼効果が期待される配布エリア例

・物件から半径3km圏内の「夫婦と6歳未満の子供から成る世帯」の世帯比率9%~12%、12%以上のエリア
・生活導線を考慮して線路から南側の半径3km圏内のエリア

下記は静岡市の丁目ごとの世帯数別構成比とポスティング部数表を加工して作成したものです。(2)のエリア分析資料の構成比率が高い地区と照らし合わせ実際に配布する地区を表から選んでいきます。

▼ポスティング配布のエリア設定例

自社中心に半径3km圏内で「夫婦と6歳未満の子供から成る世帯」の構成比率の高い町名を優先して配布する地区を具体的に決めていきます。GISを使いMAP上に抽出した上位2ランク(青9%~12%、赤12%以上)のエリアの部数を確認して配布部数欄に配布する部数を決めます。

▼不動産店Aにおける配布エリア

・夫婦と6歳未満の子供から成る世帯が住む世帯比率が高い(9%~12%、12%以上)エリア

今回は上記のエリアを選びました。ターゲットが多く住むエリアに絞ることで、効率よくチラシを告知することができます。

(4)配布する枚数を決める

配布するチラシの枚数は、配布エリアを設定すると同時に広告予算に応じて決めます。ポスティング業者に配布まで依頼する場合は、一般的には1枚あたり3円~7円の配布料金が発生します。配布単価はチラシサイズや配布地域、配布方法によって異なります。

▼チラシサイズとポスティング料金の例

一部当たり単価(円)

市名B5以下A4B4A3B3
〇〇市3.603.804.004.504.80
▲▲市4.004.304.505.506.00
□□市4.604.805.006.006.50

(税別)

下記は(3)で示した、自社商圏内の丁目ごとの世帯数別構成比とポスティング部数表を基に部数算出しました。

▼不動産店Aでのチラシ配布部数

・18,000部

(5)配布する日程を決める

配布部数が決まったら、チラシの内容やターゲット層の行動パターンに合わせて配布する日程を決めます。配布日を決めるときは、見込み客の潜在的なニーズが高まっているタイミングを狙うと反響率が期待できます。下記は見込み客の潜在的なニーズが高まるタイミングの一例です。

 

▼見込み客の潜在的なニーズが高まるタイミング

・土日の見学会に参加する前日の金曜日や当日の土曜日
・新築住宅のオープンハウス見学・販売会の1週間前

今回は新築住宅のオープンハウス見学・販売会を12月18日(土)・19日(日)に想定し、下記の日程を設定しました。実施日の1週間前に配布して、見学をご家族の予定に入れてもらえるよう時間を設けましょう。

▼不動産店Aにおける配布日

・12月6日(月)~12月10日(金)

また、新聞折込の業種別折込曜日資料などを参考にして配布日程を決める方法もあります。どの業種が何曜日に多く出稿しているかを把握することができます。ただし、ポスティングは配布日をピンポイントで決めることができる新聞折込と違って配布日が数日間で設定されます。ポスティング会社によって配布日程が異なるので事前に確認してから設定する必要があるので注意してください。以下は新聞折込出稿時計の業種別折込曜日比率資料になります。

▼新聞折込の業種別折込曜日比率

※静岡オリコミ|静岡県折込出稿統計(2021年1月~6月集計)

(6)実施後に配布計画を見直す

ポスティング実施後には、配布結果のデータを基にターゲット層や自社の商圏などの配布計画を見直すことが重要です。配布計画の見直しにより、新規顧客へのリーチ数を増やす、次回の配布精度を高めることが可能になります。商圏設定方法は顧客リストを基にどこから反響があったかを把握しておき(ピン留め)、資料を参考に1次商圏、2次商圏に分けてポスティング頻度を変えるなどの工夫をして設定することです。そうすることで、ポスティング配布の費用対効果が上がります。

下記は、不動産店Aにてポスティング実施後の情報をGISに反映したものです下記のGIS画面では、ピン留めといって反応があった世帯に印をつけており、どのエリアで反応があったかが一目瞭然になるようにしています。まったく反応がなかったエリアは次回の配布から外す、エリアの設定範囲を広げるなど対応が見えてくるでしょう。

▼顧客データを反映した配布エリアマップ

【コラム】不動産チラシの配布計画をツールで簡単に策定する方法

GIS(地理情報システム)を使って適切な配布計画をするには、エリア分析に費用と時間がかかってしまいます。そこで、GISを使わなくてもターゲット層に合わせた配布エリア設定をWEB上で作成できる、ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)サービスがおすすめです。POPを使えば無料で「年齢層」「家族構成」「世帯年収」など、およそ250種類の属性を選択することができ、さらにポスティングの配布計画まで一括して簡単にプランニングできます。以下はPOPの利用方法です。配布計画策定の参考にしてください。

▼ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)の配布プラン設定方法

POPの配布プランは以下4つのステップで簡単に設定することができます。

(1)ターゲットの設定
(2)配布条件の設定
(3)配布地域の設定
(4)シミュレーション結果の表示と再編集

(1)ターゲットの設定

ターゲット属性を最大5つのカテゴリから選んで設定します。今回は「夫婦と6歳未満の子供から成る世帯」を選択。カテゴリは年収・住居体系、物販・消費財支出、サービス支出、性別・年齢・配偶者、子ども、職業の有無の250種類から選ぶことができます。

(2)配布条件の設定

印刷依頼の有無、配布方法(ポスティング・新聞折込)、配布日程、チラシのサイズを設定します。印刷ありを選択した場合は、印刷色、用紙、厚さを選びます。今回は、印刷依頼なし、ポスティング、12/6~12/10日配布、A4で設定しています。

(3)配布地域の設定

配布地域を静岡県か東京都23区のどちらか選び、郵便番号か住所を入力し配布中心地点を設定します。今回は、地域を静岡に、郵便番号を〒422-8051で設定しています。

(4)シミュレーション結果の表示と再編集

次の画面では、設定したシミュレーション結果(半径3kmで配布部数16,500部、合計金額88,935円)が表示されます。設定内容を確認し、配布地域を自社商圏(半径0.5km~4.5km)の間で設定するか丁目指定で設定すると、再シミュレーションが可能です。シミュレーション結果を検討の結果、実施する場合は「注文する」をクリックすることで発注できます。

このようにPOPを使えば、250種類の属性の中からターゲットを絞ることができ、GISを使うよりも簡単に配布計画を立てられます。また、印刷依頼もできるので「印刷+配布」を一括してご発注いただけます。さらに、POPはWEB上での発注システムなので24時間対応しており、お客様のご都合のいい時間でお申し込みが可能です。

*参考:ポスティング・オリコミ・プランナー|開発中画面(2021年11月25日)

3.まとめ

不動産のチラシは適切なターゲット設定をして、自社の存在を告知することでチラシの反響率が大きく変わります。また、ポスティングの配布計画は、6つの配布計画策定方法を押さえて作れば、費用対効果を高めることができます。

なお、この記事では「不動産チラシのムダ配布削減」に特化したテクニックを中心に紹介しています。チラシ広告初心者の方で、もっと概要寄りのデザイン作成やチラシ配布の方法について知りたい方のために、下のような記事を用意しています。ぜひご覧ください。

▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事

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