リフォームチラシのムダ配布を減らそう|ターゲット設定と効率的な配布計画策定のやり方

リフォームチラシをこれからポスティング配布しようと検討しているけれど「チラシ配布に注意点はあるのかな?」、ポスティング配布したけれど「あまり効果が出ない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、リフォームチラシのターゲット設定のやり方を3つのステップで紹介します。またチラシの反応率を上げるのに効果的な配布計画策定方法を6つのステップで解説しています。

1.リフォームのターゲット設定の3つのステップ

リフォームといっても「ちょっとした補修」や「大がかりな増改築」など幅が広くあります。チラシ配布においては、自社のサービス内容を求めている顧客層に絞って告知することが効果的なので、「誰に」を定めることが重要です。

例えば、ターゲット候補としては「戸建て」や「居住期間20年以上」などがあります。そのため、チラシの反響率を高めるには、自社のターゲット設定を「どこに絞るか」を決めることが必要になります。

以下では、チラシを効果的に配布するためのターゲット設定を3つのステップに分けてご紹介します。

(1)ポスティングの目的と目標を明確にする
(2)ターゲット候補を洗い出す
(3)ターゲットを決める

(1)ポスティングの目的と目標を明確にする

リフォームチラシのターゲットを設定するためには、まず目的と目標を明確にしましょう。ポスティングを実施するにあたって、「何を」目的にしているのか、「何件」達成したいのかなどを決めることです。下記はリフォームチラシのターゲット設定の目的・目標設定の一例です。

▼目的・目標の設定例

<目的>
・子どもも参加できるDIY体験イベント来場者獲得
・リフォーム完成見学会の来場者獲得
・リフォームセミナーの参加者獲得

<目標>
・子ども連れの家族○○世帯獲得
・完成見学会来場者○○人獲得
・セミナー開催に伴い、参加者定員の○○%獲得

また、ポスティングの目的や目標を明確に決めておくことで、チラシ内容の方向性も定めやすくなります。

(2)ターゲット候補を洗い出す

次にターゲット候補を洗い出します。例えば、「子どもも生まれて今の家では少し不衛生だから綺麗にして清潔な家に住みたい」や「築20年が経ち色々なところが痛んできたからリフォームして安心して長く住める家にしたい」などです。このように自社のターゲットとなる顧客層を全て挙げておきます。その次に、親子で参加できるDIY体験イベントであれば「夫婦と6歳未満の子どもから成る世帯」、リフォーム完成見学会であれば「戸建て」などで設定します。下記は、リフォームチラシのターゲット候補を挙げるときに役立つ特徴の一例です。

▼ターゲット候補の特徴例

・居住形態
・世帯年収
・家族構成

(3)ターゲットを決める

最後にターゲットを決めます。ターゲット候補を洗い出した上で獲得したい居住形態や世帯年収、家族構成に合わせてどのターゲットが最適か決めましょう。以下はターゲット設定の一例です。

▼ターゲットの設定例

・居住形態:戸建て
・世帯年収:500~700万円未満
・子どもが生まれて綺麗な家に住みたい家族

今回は、部屋のクロス張り替えをするリフォーム店と設定しました。この前提では、サービスが比較的安価ですむ工事内容のため上記条件がターゲットとして最適と判断できます。

【コラム】リフォームのチラシでターゲット設定が重要である理由

リフォームのチラシは、自社のサービス内容を「誰に届けるか」を明確にしておくことでターゲットを設定しやすくなります。例えば、家の一部分だけを補修することを得意としているリフォーム店であれば、ターゲットを子どもがいる家族とし「夫婦と6歳未満の子どもからなる世帯」、大がかりな増改築を提供しているリフォーム店であれば、ターゲットを居住期間の「20年以上」などが考えられます。リフォームチラシのターゲットは自社の提供するサービスをどんな人に来てほしいか考えれば、自ずと見えてくるのではないでしょうか。

ターゲットを設定するときは、「業界」と「目的」を軸にすると考えやすくなります。今回はリフォームという業界を軸にしたターゲットの設定方法を解説していますが、チラシの用途に応じて「DIY体験イベント」「リフォーム完成見学会」などの目的を軸としてターゲット設定することもできます。

※リフォームのチラシの作り方を知りたい方は「リフォームチラシの無料テンプレート3選|サンプルでポイントの解説も」の記事を参照ください。

2.リフォームチラシの配布計画とは?

リフォームチラシを配布する際に、配布計画を立てるのと立てないのでは、実施後の反響率大きく影響してきます。配布計画とはチラシを「誰に(家族構成、求めるもの)」「どこに(配布エリア)」「何枚(配布部数)」「いつ(配布日程)」配るか決めることです。

今までチラシを配布したものの効果がないと思っている方は、ターゲットに届けるための「エリア設定」や「配布日」が適切ではなかった可能性があります。ここではポスティングの配布計画の策定例を6つのステップに分けてご紹介します。

GISを使った配布計画の策定例

GIS(地理情報システム)を使えば無駄を少なくしてターゲットにチラシを届けることができます。 GISとはさまざまなデータをコンピューターの地図上で扱う情報システム技術のことです。位置に関する複数のデータを地図上で表示することで、ターゲットがどこに多く住んでいるかを可視化・分析できます。

実際にGISを用いてリフォームチラシの配布計画を立ててみました。下記はその配布計画の一例です。

▼リフォームA店でのチラシの配布計画例

■ターゲット
家の老朽化に伴い、リフォームして安心して長く住める家にしたい家族

■地域特性・マーケットデータ
戸建て

■配布エリア
自社中心半径4km圏内、戸建て住宅比率が高いエリア

■配布枚数
25,000枚

■配布期間
2022年4月25日(月)~5月1日(日)

▼GISを使ったポスティング配布計画例

上図ではGISを使い、自社の商圏内のターゲット比率が高い地区への配布プランを立てました。ターゲットが住む比率が低い地区を除外することで、より効果的にターゲットに配布することができます。

配布計画策定の6つのステップ

先ほど挙げた「リフォームA店でのチラシ配布計画内容」は、大きく6つのステップを踏んで作成されています。この作成事例において、それぞれのステップでの考え方をご紹介します。

(1)ターゲットを設定する
(2)地域特性とマーケットデータを把握する
(3)ターゲットに合った配布エリアを決める
(4)配布する枚数を決める
(5)配布する日程を決める
(6)実施後に配布計画を見直す

(1)ターゲットを設定する

リフォームチラシの配布計画策定をする際、最初にターゲットを設定します。自社が求めるターゲットを設定しておくことでGISからターゲット層が多いエリアを抽出することができます。下記は、リフォームチラシのターゲットを決める要素例です。選定をする際の参考にしてください。

▼リフォームチラシのターゲットを決める要素一例

・居住形態(戸建て)
・居住期間(10年以上20年未満、20年以上)
・世帯年収(300~500万未満、500~700万未満、700~1000万未満など)
・配偶者の有無(既婚、未婚)
・子どもの有無(夫婦のみの世帯、子どもがいる世帯)

上記のようにターゲットを決める要素は複数あります。今回は、「家の老朽化に伴い、リフォームして安心して長く住める家にしたい家族」を狙って、ターゲットを「戸建て」「居住期間20年以上」としました。共同住宅や借家に住んでいる人たちはご自身でリフォームする可能性は低いはず。そこで、GISでは「戸建て」「居住期間20年以上」の比率が反映されるように設定します。

(2)地域特性とマーケットデータを把握する

次に自社が想定する商圏の地域特性と具体的なマーケットデータを把握し、GISを活用して地図上に抽出します。地域特性とは「戸建て地域」や「商業地域」などのそれぞれの地域の特徴を指し、マーケットデータとは「家族構成」や「世帯年収」などの世帯に関する情報を指します。下記は、実際に計画を立てるときにGISで可視化する地域特性・マーケットデータの具体例です。

▼GISで可視化する地域特性・マーケットデータの具体例

<地域特性>
・戸建て地域
・集合住宅街
・商業地域

<マーケットデータ>
・家族構成
・世帯年収

その上でGISでは「戸建て」「居住期間20年以上」が多い地域を数値化して、どのエリアにどのような居住者がいるのかを地図上で可視化します。以下は実際に可視化したGIS画面です。

自社を中心に半径3km商圏で「戸建て」「居住期間20年以上」の比率を町丁目単位で色分けして分析しました。商圏については、近い将来リフォームを考えている見込顧客へリーチする目的の範囲で設定しました。注意点としては、「」ではなく「比率」で分析することです。数で分析してしまうと、世帯の多い町丁目が上位にきてしまい正確なデータを取ることができません。

(3)ターゲットに合った配布エリアを決める

GISでターゲットの分布を可視化したら、自社のターゲットに合った配布エリアを決めましょう。手順としては、自社の商圏を決め、商圏内の対象エリアの一覧を出し、具体的な配布エリアを決める、といった流れです。配布エリアを決めるときは、より多くのターゲットにチラシが届くエリアを選択することが重要です。自社の商圏(半径◯km)と(2)のエリア分析資料を基に、ターゲットが多く住んでいるエリアを優先して配布エリアを決めましょう。下記は、リフォームA店におけるチラシ効果が期待される配布エリアの具体例です。

▼効果が期待される配布エリア例

・自社から半径3km圏内の「戸建て」比率30.00%~60.00%、60%以上のエリアと「居住期間20年以上」の比率17.50%~35.00%、35.00%以上のエリア

下記は静岡市の丁目ごとの世帯人員別構成比とポスティング部数表を加工して作成したものです。(2)のエリア分析資料の構成比が高い地域と照らし合わせ実際に配布する地区を表から選んでいきます。

▼ポスティング配布のエリア設定例

自社中心に半径3km圏内でターゲットの構成比率の高い町名を優先して配布する地区を具体的に決めていきます。さらに、GISを使いMAP上に抽出した平均値以上の上位2ランク(青地区と赤地区)のエリアの部数を確認して配布部数欄に配布する部数を決めます。理由としては、パーセンテージが平均値より高いエリアのほうが、ターゲットに届く確率が上がって、効果の高い集客が見込めるからです。

(4)配布する枚数を決める

配布するチラシの枚数は、配布エリアを設定すると同時に広告予算に応じて決めます。ポスティング業者に配布まで依頼する場合は、一般的には1枚あたり3.60円~7.00円の配布料金が発生します。配布単価はチラシサイズや配布地域、配布方法によって異なります。

▼チラシサイズとポスティング料金の例

一部当たり単価(円)

市名B5以下A4B4A3B3
〇〇市3.603.804.004.504.80
▲▲市4.004.304.505.506.00
□□市4.604.805.006.006.50

(税別)

今回は(3)で示した、自社商圏内の丁目ごとの世帯数別構成比とポスティング部数表を基に25,000部と算出しました。

配布枚数は「配布予算÷配布単価」で算出できます。

(5)配布する日程を決める

配布部数が決まったら、チラシの内容やターゲット層の行動パターンに合わせて配布する日程を決めます。配布日を決めるときは、見込み客の潜在的なニーズが高まっているタイミングを狙うと反響が期待できます。下記はリフォームにおける見込み客の潜在的なニーズが高まるタイミングの一例です。

▼見込み客の潜在的なニーズが高まるタイミング

・一般的なボーナス時期の7月・12月
・DIY教室などの体験イベントを開催して親子で参加しやすい春休み・夏休み時期の3月・4月・7月・8月

今回は、ボーナスが入ったらリフォームしようかと検討している顧客の集客を想定して4月25日(月)~5月1日(日)と設定しました。リフォームは高額な商品・サービスなので即決することは少ないです。将来的なことも含めて家族会議できるように余裕を持った実施日で配布を行いましょう。

また、新聞折込の業種別折込曜日資料などを参考にして、どの業種が何曜日に多く出稿しているかを把握し、配布日程を決める方法もあります。以下は新聞折込出稿時計の業種別折込曜日比率資料です。

▼新聞折込の業種別折込曜日比率
※静岡オリコミ|静岡県折込出稿統計(2021年1月~6月集計)

なお、ポスティングは配布日をピンポイントで決めることができる新聞折込と違って配布日が数日間で設定されます。ポスティング会社によって配布日程が異なるので事前に確認してから設定する必要があります。

(6)実施後に配布計画を見直す

ポスティング実施後には、配布結果のデータを基にターゲット層や自社商圏などの配布計画を見直すことが重要です。配布計画の見直しにより、新規顧客へのリーチ数を増やす、次回の配布精度を高めることが可能になります。商圏を見直すときは、顧客リストを基にどこから反響があったかを把握しておき(ピン留め)、資料を参考に今後のポスティング頻度を変えるなどの工夫をして設定しましょう。そうすることで、ポスティング配布の費用対効果が上がります。

下記は、リフォームA店にてポスティング実施後の情報をGISに反映したものです。下記のGIS画面では、ピン留めといって反応があった世帯に印をつけており、どのエリアで反応があったかが一目瞭然になるようにしています。まったく反応がなかったエリアは次回の配布から外す、エリアの設定範囲を広げるなど対応が見えてくるでしょう。

▼顧客データを反映した配布エリアマップ

今回の配布結果で、自社商圏内で反響がなかったエリアがあります。ただ先述した通り、リフォームは高額な商品・サービスです。一度配布して反響がないからダメではなく、最低でも2回、3回とポスティングを実施して様子を見ましょう。

【コラム】リフォームチラシの配布計画をツールで簡単に策定する方法

GIS(地理情報システム)を使って適切な配布計画をするには、エリア分析に費用と時間がかかってしまいます。そこで、GISを使わなくてもターゲット層に合わせた配布エリア設定をWEB上で作成できる、ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)サービスがおすすめです。

POPを使えば無料で「年齢層」「性別」「世帯年収」など、およそ250種類の属性を選択することができ、さらにポスティングの配布計画まで一括して簡単にプランニングできます。POPの配布プランは以下4つのステップで簡単に設定することができます。配布計画策定の参考にしてください。

▼ポスティング・オリコミ・プランナー(POP)の配布プラン設定方法

(1)ターゲットの設定
(2)配布条件の設定
(3)配布地域の設定
(4)シミュレーション結果の表示と再編集

以下は実際にPOPを使って、リフォームA店の配布計画を策定する方法です。

(1)ターゲットの設定

ターゲット属性を最大5つのカテゴリから選んで設定します。今回は「戸建て」と「居住期間20年以上」の2つを選択。カテゴリは年収・住居体系、物販・消費財支出、サービス支出、性別・年齢・配偶者、子ども、職業の有無の250種類から選ぶことができます。

(2)配布条件の設定

印刷依頼の有無、配布方法(ポスティング・新聞折込)、配布日程、チラシのサイズを設定します。印刷ありを選択した場合は、印刷色、用紙、厚さを選びます。今回は、印刷依頼なし、ポスティング、4月25日~5月1日、A4で設定しています。

(3)配布地域の設定

配布地域を静岡県か東京都23区のどちらか選び、郵便番号か住所を入力し配布中心地点を設定します。今回は、店舗の郵便番号「〒422-8033」を入力しています。

(4)シミュレーション結果の表示と再編集

次の画面では、設定したシミュレーション結果(半径2kmで配布部数8,300部、合計金額85,296円)が表示されます。設定内容を確認し、配布地域を自社商圏(半径0.5km~4.5km)の間で設定するか丁目指定で設定すると、再シミュレーションが可能です。シミュレーション結果を検討の結果、実施する場合は「注文する」をクリックすることで発注できます。

このようにPOPを使えば、250種類の属性の中からターゲットを絞ることができ、GISを使うよりも簡単に配布計画を立てられます。また、印刷依頼もできるので「印刷+配布」を一括してご発注いただけます。さらに、POPはWEB上での発注システムなので24時間対応しており、お客様のご都合のいい時間でお申し込みが可能です。
*参考:ポスティング・オリコミ・プランナー|開発中画面(2022年3月17日)

3.まとめ

リフォームのチラシは「地域の見込み顧客にアプローチできる」というメリットがあります。会社にとっては、契約を取ることが目標になりますが、そのためにはまず相談や見学に来てもらわなければなりません。ただ漠然と「このくらいの範囲でチラシを配布してみよう」のような考えはやめましょう。目的と目標を明確にして、適切なターゲット設定をすることでチラシの反響率が大きく変わります。また、ポスティングの配布計画は、6つの配布計画策定方法を押さえて作れば、

なお、この記事では「リフォームチラシのムダ配布削減」に特化したテクニックを中心に紹介しています。チラシ広告初心者の方で、もっと概要寄りのデザイン作成やチラシ配布の方法について知りたい方のために、下のような記事を用意しています。ぜひご覧ください。

▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクター」内の初心者向け記事

☆チラシを検討している方に!
Web広告のように、ポスティング広告・オリコミ広告をデータで絞ってターゲティング配布。政府統計データに基づいて、「ポスティング・オリコミ・プランナー」があなたの見込み顧客属性の人が多く住んでいるエリアに優先配布するプランニングを行います。
Web上のサービスだから、いつでもどこでもポスティング広告・オリコミ広告のプランニング&発注が出来ます。減らそう無駄配布、増やそう広告効果。プランニングだけなら会員登録なしで行えます!
現在、対応エリアは静岡県、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県です。

↓↓こちらから↓↓