販売促進の基本を押さえる!実施の意味や方法、効果を高めるコツも

近年マーケティングや営業担当の方以外でも、「販売促進」というワードを耳にする機会が増え、一般的なビジネス用語として定着しています。

しかし何となく意味は知っていても「販売促進は何のためにするのか」「販売促進するにはどんな方法があるか」など販売促進について明確に理解されている方は、意外と少ないかもしれません。

この記事では「販売促進」の基本事項や施策・効果を高めるコツについて解説していきます。

1.販売促進とは

モノやサービスが多様化し溢れかえっている中から、自社の商品やサービスを消費者に選んでもらうにはどうしたら良いでしょうか。それを解決するヒントが販売促進にあります。

消費者に商品やサービスの購入を促すための活動

販売促進とは消費者が商品やサービスを購入したいと思うきっかけを作り出し、購買行動へとつなげる活動をすることです。例えばクーポン付きのチラシ広告を打ったり、DMの送付やSNSを活用したプロモーションを展開したり、販売促進にはさまざまな施策があります。

昨今では「販促」と略して使用されることが一般的で、「セールスプロモーション」と英語で表されることも珍しくありません。

販売促進と混同されがちな概念3つ

販売促進は「マーケティング」や「宣伝」という単語としばしば混同されがちです。実際にはその内容に違いがあり、販売促進はマーケティングの一部として捉えられ、宣伝や営業と密接に関わっています。

▼「販売促進」「マーケティング」「宣伝」「営業」の相関イメージ

最終的には消費者が購入行動に至ることでマーケティングの目的が達成されます。

(1)「マーケティング」とは違う
(2)「宣伝」は販促手段の1つ
(3)「営業」は販促の後押し

(1)「マーケティング」とは違う

「マーケティング」とは自社商品やサービスを売るための仕組み作りで、集客や売上を増加させるという意味で販売促進と混同されがちです。販売促進は商品やサービスをより多く販売するための活動であるのに対して、マーケティングは販売するための仕組みそのものを構築する活動です。マーケティングを構成する1つの活動として「販売促進」があります。

(2)「宣伝」は販促手段の1つ

「宣伝」は商品やサービスそのものの魅力を消費者に伝える活動で、消費者に商品やサービスの購入を促すという意味で販売促進と混同されがちです。販売促進の性質に対して、宣伝は商品やサービスを消費者に認知してもらうための活動です。販売促進を構成する1つの活動として「宣伝」があります。

(3)「営業」は販促の後押し

「営業」とは販売促進によって購買意欲の高まった消費者に、購入意思の最終決定を後押しする活動で、購入に結びつかせるという意味で販売促進と混同されがちです。販売促進の性質に対して、営業は商品やサービスを最終的な購入に導く活動です。マーケティングを構成する活動の中で、販売促進の後押しとして「営業」があります。

ターゲットやフェーズにより有効な手段が異なる

消費者の購入のきっかけを作る販売促進は、対象とするターゲットや実施するフェーズによって有効となる手段が異なります。

例えば、自社の商品やサービスがどれほど優れていても、そもそも消費者に認知されていなければ、売上につながりません。まずは認知度の向上を図る販促活動を実施し、新たな顧客を獲得します。

また、自社の商品やサービスの認知度が向上したからといって、売上・利益に直接結びつくわけではありません。消費者は購入・利用するメリットがあるか、コストパフォーマスはどうかなどさまざまな視点を持って十分に検討した上で購入・利用の可否を決めるからです。そのため購入意欲を引き上げる販促活動が必要となってきます。

 そして、自社の商品やサービスを購入・利用していただいた消費者に、再度購入・利用してもらうことも大事です。既存顧客は自社の商品・サービスの良さを実感しており、新規顧客に比べ購入へのハードルが格段に下がります。既存客に向けた販促活動によってリピーターを創出することは、継続的な売上を確保する意味でも重要です。

▼フェーズ別の販促手段

フェーズターゲット有効な販促手段
【認知】

商品・サービスを知る段階あああ

【新規顧客】

自社の商品・サービスを知らない消費者

【認知度を向上させる】

・Web広告やSNS広告
・ポスティングやマス広告

【興味・関心】

商品・サービスを欲しいと思いはじめる段階

【新規顧客】

自社の商品・サービスを知っている消費者

【購入・消費を促す】

・商品サンプル配布、設置
・割引キャンペーン 等

【比較・検討】

商品・サービスの詳細を調べ、他社のものと比較する段階あああ

【見込み客】

自社の商品・サービスに興味・関心を持ち、購入を迷っている消費者

【購入・消費を促す】

・クーポンやノベルティ
・おためし体験
・接客によるアプローチ等

【購入決定】

比較・検討を行い、購入を決める段階

【見込み客】

自社の商品・サービスを購入・利用しようと決めた消費者

【購入・消費を促す】

・購入特典キャンペーン
・対面接客 等

【継続】

自社の商品・サービスを購入したあとの段階あああああああああ

【既存客】

自社の商品・サービスを購入・利用したことがある消費者あああ

【リピートしてもらう】

・メールマガジン
・SNS
・DM

2.販売促進の施策6つ

販売促進の施策には大きく分けてオンラインによる施策とオフラインによる施策があります。どちらの効果が高い低いというわけではなく、状況に応じて使い分けることがポイントとなります。

オンライン施策はオフライン施策に比べコストを抑えた販促活動が可能であり、緻密なターゲティングができるため、短い時間で狙った消費者に情報を届けやすいという特徴があります。一方で、オフライン施策は高齢者層などオンライン施策だけでは届きにくい消費者や地域に向けて確実に情報を伝えたい時に有効な施策となります。

ここでは代表的な販売促進の施策6つを紹介します。以下の表では代表的な販促施策の特徴や有効なシーンなどをまとめています。

▼代表的な販促施策の特徴

特徴有効なシーン注意事項
(1)  SNS

Twitter/Instagramなど

・情報の拡散性が高い
・低コストで始められる
・幅広い年代のユーザーとコミュニケーションが取りやすい。
手軽に多くの消費者に向けた宣伝ができるため、自社商品・サービスの認知拡大や新規顧客の開拓に有効。SNSの世界は膨大な情報が溢れているので、自社の情報が埋もれてしまわないような工夫が必要。
(2)  Web広告

バナー広告やディスプレイ広告など

・情報を提示する対象をターゲティングできる
・広告内容もターゲットに合わせ自由に変更できる。
ターゲットを絞って広告を打てるため、見込み客に対して自社の商品・サービスをPRする販促活動などに有効。法律により使用してはいけない広告表現があるため、広告を作成する際に注意しなければならない。
(3)  メール

メールマガジンやニュースメールなど

・既存客に直接アプローチできる
・準備から配信までの期間が短いため、急なイベントやセールに対応できる。
すでに自社の商品・サービスを利用し、アドレス登録をしたユーザーに向けた販促活動なので、リピーター創出に有効。メールの内容や配信回数が適切でないと、メールそのものが開封されない可能性があるため、計画性が必要。
(4)  新聞折込・新聞購読者へ確実に広告を届けることができる。
・エリアを決め短期間で一気に配布ができる
紙のチラシは手元に置いておくことができ、保存性に優れているため、新規顧客の獲得だけでなく見込み客に対しても有効性が高い。チラシの作成や印刷、配布料金などそれなりのコストが発生する。新聞購読層の年齢が高めなので、若年層に届きにくい。
(5)  ポスティング・エリアやターゲットを細かく指定でき、安い価格で大量に配布ができる。
・チラシデザインの自由度が高く、競合他社との差別化が図りやすい。
新規オープンの告知など、一定のエリアに集中した配布やターゲットが多く居住しているエリアなどへの配布ができるため、認知拡大や新規顧客の開拓に有効。配布エリアやターゲットの目測を誤ってしまうと効果が出にくくなる。また「ポスト投函お断り」等チラシの受取を拒否されるケースがある。
(6)  DM・こちらの情報を伝えたい顧客に対し直接伝えられる。
・顧客を選んでアプローチできる。
DMは視認率が高く、既存顧客の再来店を促す方法として効果があるため、リピーターの創出に有効。郵送で送る作業が必要になるため、発送するボリュームに合わせ費用が増加してしまう。

(1)SNS

SNSを活用した販促は、コストをかけずに情報を拡散させることができるため、認知度向上などに有効です。近年、多くの企業がSNSを販促に活用しています。

TwitterやInstagram、FacebookなどSNSの種類によって、ユーザーの年齢層や性別が異なり、またユーザーの興味・関心や居住エリアなどからターゲットを絞ることができるので、自社の商品やサービスの特性にあわせた販促活動に活用しやすい手法です。

(2)Web広告

Web広告は、認知拡大や、すでに商品・サービスに興味・関心のあるユーザーへ訴求するのに有効です。インターネット上の検索エンジンやWebサイトに広告が表示されるため、日常的にインターネットを利用しているユーザーへ効果的なアプローチができます。インターネットで検索した際に検索結果とともに表示される広告などもあり、新規顧客獲得に向けた施策としてだけでなく、見込み客に向けた施策としても効果的です。

(3)メール

メールアドレスを登録してもらった顧客に情報を一斉送信できるため、既存顧客にリピートを促す施策として有効です。

メールアドレスが登録されている顧客は、自社の商品やサービスを利用したことがあり、商品・サービスの良さを知っているため、再度購入してもらえる可能性があります。定期的にメールを配信することで、顧客とのつながりを継続できるため、既存顧客のリピーター化に効果があります。

(4)新聞折込

新聞折込は地域に向けた情報の発信が得意なため、狙ったエリアへの販促活動として有効です。新聞購読者のみへのアプローチとなりますが、情報の視認率が高く、チラシ自体の保存性があるため、新規顧客開拓だけでなく、見込み客の創出にも効果のある施策です。

新聞購読者の4分の3以上が中高年齢層であり、若年層へのアプローチは難しいですが、自社の商品・サービスが中高年齢層向けのものであれば、販促の効果が期待できます。

(5)ポスティング

ポスティングは狙ったエリアへ集中してチラシを届けることに大きな効果を発揮するため、認知向上や潜在顧客へのアプローチに有効です。

ポスティングは新聞を購読していない世帯へ届けることができ、同じチラシによる販促であっても新聞折込よりも幅広い年代の消費者に訴求できます。また年代や性別、収入や消費傾向などからターゲットを絞った配布もできるので、エリアとターゲットを決めた販促活動を実施する場合に効果的です。

(6)DM

DMは情報を伝えたい顧客に対して直接メッセージを伝えられるので、既存顧客をリピーター化する施策として有効です。

DMは圧着ハガキなどで郵送することから、オンラインのメールに比べ格段に開封率が高いのが特徴です。それにより自社の情報を確実に届けられ、顧客との継続的な接点を持ちやすく、リピートしてもらえる可能性が高まります。

また顧客と継続的な接点を持てるという性質から、購入まで時間のかかる高額商品や、店舗で直接サービスを提供するような業種の販促手段として効果的です。

3.販売促進の実施事例

実際に販売促進はどのように進めていくべきか、初めての場合などは特に判断が難しいでしょう。ここでは弊社でお手伝いさせていただきました販売促進の事例を紹介するとともに、その順序を解説します。

販売促進の施策を実施するには、まず自社・自店の【課題】に応じた適切な【販促手法】を選ぶことが重要なポイントとなります。ここで紹介する2つの事例を参考に、自社・自店の課題や販促手法を検討してみてください。

(1)売上拡大を新聞折込で解消したケース

外車販売店Aでは新車種の売上拡大を図るため、これまで実施していた販促施策とは別の施策を模索し、売上の拡大につなげることを狙っていました。そこで自店のターゲット層が新聞購読者層と似通った点があることに着目し、チラシの新聞折込を販促施策として選びました。

▼外車販売店Aのケース

【背景】
通年でテレビCMを打つなど高い知名度のある外車販売店が、新車種の売上拡大を目指し販促の施策を検討していた。

【課題】
外国車は高額なこともあり、購入される方は40代以上の男性が圧倒的に多いため、その層への訴求に強みのある販促施策を実施したい。

【この販促手法を選んだ狙い】
新聞購読率は50代以上の方が非常に高く、また会社経営者や富裕層の方も高い傾向がある。そのため新聞購読者は外車を購入される客層と被るので、新聞折込は見込み客に対するアプローチにつながると判断し選んだ。

【実施結果】
目標としていた1カ月の販売成約数が従来の150%となった。これまでマス広告やWeb広告を中心とした販促を展開していたが、ターゲットに対し「新聞折込」という違う角度でのアプローチが目に留まり響いたのではないかと分析。

【実施時のトラブル】
新聞折込実施後、新車種の実機を見学するためか一時的に来店者数が増加したが、実際にどれくらいの方が新聞折込を見て来場されたかどうか判断しにくく、急遽店頭アンケートを作成し把握に至った。

(2)認知拡大と集客をポスティングで解消したケース

新規オープンした精肉店において認知拡大と集客を狙った販促の施策を検討していました。これまでに主だった販促の実績がなく、どのような手段が効果的なのか分からない中、自店が地域に密着した運営を目指していることから、自店を中心としたエリアで幅広い年代層へ宣伝ができるポスティングを販促施策として選びました。

▼新規オープンした精肉店Bのケース

【背景】創業20年を越え地域の皆さまにご愛顧いただいている焼肉店が、コロナ過で減少した売上の回復を狙うため、自宅でも店舗の味が楽しめるよう焼肉店舗のとなりに精肉店Bを新規オープンした。

【課題】
自社でホームページなどオンラインによる発信手段がなく、これといった宣伝活動もしたことが無かったため、精肉店が新規オープンしたことも知られていないような状況で、集客方法に苦慮していた。

【この販促手法を選んだ狙い】
店舗を中心とした近隣地域の皆さまへの認知拡大がまずは第一歩と考えた。地域を指定して幅広い年代の世帯へチラシの配布ができるポスティングの特徴が、精肉店の認知拡大つながる販促施策として有効性があると判断し選んだ。

【実施結果】
ポスティング実施前は平日・土日ともに来客数が横ばいの状態だったが、ポスティング実施後の2週間は金・土曜日の来客数が従来の130%近くまで上昇し、それ以外の曜日の来客数も105~115%と販売促進の効果が得られた。店舗を中心としたエリアに集中してチラシを配布できたことが短期間での認知拡大につながり、来客数増に結びついたと分析。

【実施時のトラブル】
チラシに割引クーポンを載せ、切り取ってお持ちいただく形式をとったが、チラシをそのまま持参される方が多く、その場で切り取らなければならず手間になってしまった。

このように販売促進は順序だてて計画的に実施することで、より良い結果につながると言えるでしょう。

4.どの施策にも共通する販売促進の効果を高めるコツ

販売促進を実施する際、効果を高めるには押さえるべきポイントがあります。ここでは効果を高めるための3つのポイントを説明します。

(1)目的を明確にした戦略を立てる
(2)ターゲットに合わせた施策を実施する
(3)成功事例を参考にする

(1)目的を明確にした戦略を立てる

販売促進では目的を明確にすることで、それに有効な施策が組み立てられますので、販促活動の効果が高まります。

販売促進の活動を行う目的は「認知拡大による新規顧客獲得」「見込み客の購入意欲促進による売上拡大」「既存顧客のリピーター化による売上増進」の大きく3つです。それぞれの目的を達成に導くためには、それに応じた適切な販促手法を使わなければなりません。

例えば「認知拡大」を目指すなら広範囲のユーザーにアプローチできるSNSやポスティングといった施策、「リピーター獲得」が目的なら既存顧客に響くようメールやDMといった施策、といったように目的に適した施策を実施することで、販売促進の効果が高まることにつながります。

このように目的を明確にすることは、より適した戦略が組み立てられ、販売促進の効果を高める重要なポイントとなります。

(2)ターゲットに合わせた施策を実施する

販売促進においてターゲットに響く施策を実施することで、効果を高めることにつながります。

例えば50~60代の男性がターゲットならば、社会情勢や世間の動向に関心が高く、新聞を購読していたり、Webで検索エンジンを使用してニュースを閲覧したり、情報の収集が日常的に行われている傾向が強くあります。そのため新聞折込やWeb広告という施策を実施するのが適切と言えるでしょう。またFacebookを利用している比率も高く、SNS広告も利用価値があります。

このようにターゲットがどのような媒体を利用するのか的確に捉え、それに合った施策を実施することも販売促進の効果を高めるポイントです。

(3)成功事例を参考にする

販売促進がなかなかうまくいかない場合でも、過去に販売促進で成功した事例から学ぶことで効果が高まる可能性があります。

目的に応じて特定の販促施策を選んだとしても、実施すべき具体的な内容は業種やターゲット層によって異なる場合があります。そのため「実際にこの販促施策で良いのか分からない」と悩まれることがあります。販促施策に悩まれる場合は、業種やターゲットが類似している成功事例をWeb上で収集し、それを参考に自社に適した施策を組み立てることが、効果を高めるヒントとなります。

以下は実際にwebで検索した販売促進の成功事例です。

 

▼出典/「効果的な販促は成功事例から学ぼう!販促の種類ごとの具体例を紹介」マネケル

5.まとめ

販売促進には、さまざまな施策があります。そのため、どの施策が効果的なのか悩まれることも多いでしょう。しかし販売促進の目的やターゲットを明確にすれば、自然と絞り込めてくるはずです。販売促進は消費者の購買意欲を高めることが最終的な目標となりますので、施策を実施した後も結果をしっかりと分析し、消費者のニーズに合った適切な施策に近づけていくことが重要です。自社の商品・サービスに適した販促手段を利用しましょう。

POPin’では「販売促進」に関連する記事も下記リンクにてご用意しています。基本的なことから応用的なことまで色々と知りたいという方は、ぜひご覧ください。

▼「ポスティング・オリコミ・プランニング・インストラクタ-」内の販促関連記事

 

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