レイアウトが適切でないチラシは失敗する!失敗例と回避策も解説

チラシを目にした読者は1秒にも満たない時間で「読み進めるか、読まないか」を直感的に判断すると言われています。この一瞬で「読む」よいう判断に導くためには適切なレイアウト設計が必要となります。ではどういいたレイアウトなら読まれるのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事ではチラシのレイアウト設計が「読む・読まない」に直結する理由を説明するとともに、よくある失敗例や失敗しないために押さえるべきポイントについて解説します。

1.読まれるチラシはレイアウトが適切に設計されている

読まれるチラシは、ざっと眺めたときに読みたくなるデザインであったり、興味を引く情報が目に付きやすかったり、レイアウトの設計に読者の心を掴む工夫が施されています。つまり、適切に設計されたレイアウトとは、チラシの読者が直感的に興味・関心を持つことができるレイアウトと考えると良いでしょう。

視覚的なインパクトや具体的な情報を提示し、商品やサービスの魅力を的確にチラシ読者へ届けることができるかどうかが「読まれる」「読まれない」を分けるポイントとなります。

例えば、飲食店のチラシでは、「食べたくなる。飲みたくなる」を引き出すため掲載写真に重きを置いたレイアウトに、学習塾のチラシでは、「通ってみたい」につながるキャッチコピーや合格実績などの文字情報に重きを置いたレイアウトが読まれやすいとされています。

このように業種によっても適切なレイアウトが異なってきますので、読まれるためにはチラシの目的やターゲットのニーズに合わせたレイアウト設計が大切になります。

2.チラシのレイアウト設計が甘い場合の失敗例4つ

チラシのレイアウト設計が甘いと、読者からは読むメリットがないと直感的に判断され、失敗につながってしまいます。ここではよくある失敗例となぜ失敗につながってしまうのか「飲食店のリニューアルオープンチラシ」を例に解説していきます。

(1)ぱっと見ただけで捨てられてしまう

チラシに掲載する内容が整理されていないと、読み手からは「見にくい・分かりにくい」と判断され、読まれることなく終わってしまう可能性が高いです。

下記は掲載内容が整理されていないチラシ例です。フォントやカラー、画像の大きさがバラバラで内容的にも何を伝えたいのか分かりにくいレイアウトになってしまっています。

▼掲載内容が整理されていないレイアウトのチラシ例

▼なぜダメなのか

①画像や文字の配置がバラバラで安っぽい印象
画像や文字の大きさもバラバラで意図された配置には見えづらく、見栄えが良いとは言い難いため、読者の興味・関心は引き寄せられない。

②フォントの書体や色が統一されていないため読みにくい
掲載されている文字のフォントに統一感がなく、目立たせようと色々な色を使用してしまっていることが逆効果となり視覚的に読みづらいため情報が入ってきづらい。

③何をアピールしているのか分からない
リニューアルの告知や店舗名などのテキストとメニュー写真の配置箇所やサイズについて適切なレイアウト設計が整理されていないため、リニューアルを押したいのか、料理をアピールしたいのか見えづらく、読者は何のためのチラシなのか読み取れない。

(2)読もうとするものの、最後まで読んでもらえない

チラシの構図のバランスが適切でないと、どこが注目すべきポイントなのか分かりづらく、離脱につながってしまいます。

チラシの読み手はメリットがあるかも知れないと読み進めようとしますが、 構図のバランスがチグハグであれば読み手の視線の流れが遮られ、読み続ける気になれずメリットはないと認識されてしまうからです。

下記はチラシの構図のバランスが適切でないチラシ例です。構図が見づらいため、すべての情報にまで目を通す気にはなれません。

▼構図のバランスが適切でないレイアウトのチラシ例

▼なぜダメなのか

①画像や文字の配置に法則性がなく見づらい
画像や文字がランダムに配置されているように見え、読み手からすると視線の動きに違和感をもたらすため、読み進められない。

②チラシの読み手がどこに注目していいのか分からない
円形のメニュー画像が目立ちすぎ、文字情報が散乱しているため、何にフォーカスして読んだらいいチラシなのかが判断しづらい。

③構図のバランスが悪く、店舗の特徴をイメージしづらい
テキストや画像の配置に規則性が見られない構図により、全体のバランスが崩れてしまっている。そのため見た目の印象がチグハグで店舗の雰囲気が読み取れず、売りは何なのか、どんな特徴があるのか分かりづらい。

(3)最後まで読んでもらえても、サービス利用にはつながらない

チラシのレイアウトにおいて自店舗の特徴や特典が効果的に働いていないと、最後まで読んでもらえたとしても来店や購買の行動にはつながりません。

チラシの読者は自社・自店のチラシだけを見ているわけではありません。競合他社や類似サービスのものと比較検討し、よりメリットを感じる方を選択します。そのためレイアウト設計において、自店舗の特徴や特典が読み手に伝わり、メリットを感じられる構成でないと、購入やサービスを利用してみようとはなりません。

下記はチラシの読み手がメリットを感じる工夫がないチラシ例です。すべてに目を通したとしても行ってみようという後押しになる施策の掲載がありません。

▼メリットを感じる工夫がないレイアウトのチラシ例

▼なぜダメなのか

①店舗に行ってみようと思わせる工夫がない
来店の動機付けとなる施策が組み込まれておらず、読み手としてはわざわざ足を運ぶメリットを見出せない。レイアウトとしてリニューアルオープンの認知拡大から新規顧客獲得につなげるための導線が考えられていない。

②競合店舗にないサービスを打ち出せていない
テキストや画像などバランスが取れたレイアウトではあるが、伝わる情報が結果「RENEWAL OPEN」だけに留まってしまうため、自店舗の独自性や競合店舗との差別化が見えない。レイアウト設計から集客につながる要素が欠けてしまっている。

(4)サービス利用が1回きりで終わってしまう

リピーター獲得を目的とする場合、割引クーポンなどの特典が読み手にひと目で認識できるレイアウト設計が必要です。これまでに自店の商品やサービスを利用されたことのある読者は、スムーズにチラシを見てくれますが、割引クーポンなど再来店を促す特典を記載する場合、レイアウト上分かりづらい見え方になってしまっていると「また今度行こう」止まりで、いつのまにか忘れ去られてしまいます。

例えば、チラシに割引クーポンを付けた際に小さくて分かりにくい、そもそもクーポンが無いなどレイアウトが適切でないと、読者は便益を感じられず、再来店にはつながりません。

下記はチラシの読み手に再来店を促す要素のないチラシ例です。リピーターを獲得したい場合など、クーポンのように再来店につながる施策がポイントになります。

▼再来店を促す仕掛けがないレイアウトのチラシ例

▼なぜダメなのか

①店舗を再利用してもらえるような仕掛けがない画像下の「Instagramアカウントフォローでワンドリンクサービス」の特典情報が良いが、期間限定で1回きりの利用で終わってしまう可能性が高い。それ以外の箇所にリピーターを作り出す仕掛けがレイアウトとして組み込まれていない。

上記赤枠内のように、複数回利用できる割引クーポンなど再来店につながる要素もレイアウト設計には重要。

 

3.チラシのレイアウトで失敗しないために押さえるべきポイント

チラシはレイアウト次第で「読む・読まない」を読者に判断されてしまいます。ここではチラシのレイアウトで失敗しないために押さえるべきポイントについて解説していきます。

(1)目的とターゲットをはっきりさせる

まずそのチラシ施策は「何のため」なのか、「誰に」読んで欲しいのかを明確にすることがレイアウトを設計する前段階で必要です。チラシの目的とターゲットをはっきりさせると「何を掲載するか」「どのように掲載するか」の方向性が見えてくるため、掲載内容が整理されていないことによる「ぱっと見て捨てられてしまう」状況を回避できます。

チラシの目的とターゲットを明確にすることにより、ターゲットの興味・関心に合わせたレイアウトやデザインを作成することができます。また掲載する情報の重要度や優先順位を把握することもでき、より適切なレイアウト設計つながります。その結果チラシの見栄えを向上させ、ターゲット層への訴求力を高められます。

目的とターゲットを明確にする方法として、コミュニケーションが必要なシーンで幅広く利用されている「5W1H」のフレームワークを利用すると良いでしょう。読まれやすいチラシは読み手とのコミュニケーションがうまくできていると言い換えられるからです。

一例として宅配パンのチラシのレイアウトを考える際、目的とターゲットを明確にするため、を想定し、入れてみます。

▼宅配パンチラシの5W1Hの一例

・When(いつ)・・・毎朝
・Where(どこで)・・・家庭で
・Who(誰が)・・・子供2人を含む家族4人が
・What(何を)・・・朝食を
・Why(なぜ)・・・手軽でおいしく健康的に食べるには
・How(どのように)・・・何が良いのか比較検討する

宅配パンのチラシを単純に考えると、目的は「販売促進」でターゲットは「ファミリー」ですが、5W1Hのフレームワークを活用することで、よりはっきりとしたイメージが見え、それに適したレイアウトを具体的に考え出しやすくなります。

上記5W1Hの内容を1つにまとめると「毎朝家庭で子供2人を含む家族4人が朝食を手軽でおいしく健康的に食べるには何が良いのか検討する」となり、これに適したレイアウト設計を簡易的に考えますと以下のようになります。

▼5W1Hに基づいたレイアウトの方針

・朝を連想させるさわやかなイメージの配色
・子供のいる家族がなじみやすいフォント
・おいしそうなパンの画像を中央に大きく配置(サブ的にイラストも配置)
・「健康」というワードの入ったキャッチコピーを目立つ箇所に配置
・他社商品にない魅力を画像ないしテキストでアピール

簡単ではありますが、このようにどういったチラシにするのかという方向性が見えてくるかと思います。反対に、5W1Hが無い場合は、下記のようにチラシのイメージがあやふやになってしまい、適切なレイアウト設計につなげることが難しくなってしまいます。

▼5W1Hが無い場合のレイアウト設計の問題

・チラシの基本イメージや配色はどうしたらよいか
・使用するフォントはどうしようか
・画像やイラストはいくつくらい使って、どのあたりに配置するといいか
・何か売りとなるキャッチコピーなどはどうするか
・他に何か掲載したほうがいいか

(2)掲載情報を整理する

チラシに掲載する情報を整理することで、伝えたい内容の優先順位が分かりやすくなるため、読み手側としても「読む・読まない」の判断がしやすくなり、読み始めるがすぐに捨てられてしまうといった状況の回避につながります。

チラシに掲載できる情報は限りがあるため、掲載したいことのすべてを載せることは難しいです。細かい情報を隅から隅まで載せようとすると、混みあってまとまりがなくなってしまい、どこに注目していいのか分からないチラシになってしまいます。

チラシのレイアウトを考える際には、まず掲載情報を整理することがポイントとなります。掲載したい情報を箇条書きで書き出し、不要なものは削り、さらに優先順位をつけていくと整理しやすくなります。

このように情報を整理すると何を伝えたいのか、どこを目立たせたいのか明確になるので、読み手に伝わりやすい適切なレイアウトの構築につながります。

▼からあげ店Aにおける掲載情報の整理例

▼掲載情報を整理する手順

・掲載したい情報(読み手に見てほしいこと)を箇条書きで書き出す。
※分からない場合は、自分が見て印象に残ったチラシにどんなことが掲載されているかを模倣して書き出す。

・必要のなさそうな情報(掲載しなくても影響がない)を削除する。

・掲載情報の優先順位をつける。(①~③・④あたりまで)
※特にアピールしたい箇所の順位を表し、チラシ誌面の中で占める割合が高い。

・各掲載情報に補足を付け加える。

整理した掲載情報をもとにラフ(イメージ)を作成し、実際の素材を並べてみると良いでしょう。

(3)全体のバランスと読者の目の動きを考えた構図にする

チラシ全体のバランスと読み手の目の動きを意識したレイアウトにすることで、読み進めていく途中で離脱される状況の回避につながります。

ここでいうバランスのとれたチラシとはテキストや画像が均等など法則性をもって配置され、色使いやフォントも統一感があり、視覚的な魅力と情報の伝達を両立させることのできるレイアウトのチラシを指します。

チラシ全体のバランスをとるには、紙面を分割してレイアウトを考えると効果的です。分割してレイアウトを考えることで、視覚的にバランスの良い構図をとりやすくなるためです。バランスの良い構図ですと、読み手にとっても視覚的に見やすく印象にも残りやすいため、チラシの効果を高めることにつながります。

また読み手の目線の動きを意識したレイアウト設計もポイントとなります。一般的に人の目線の動きには法則性があると言われており、チラシなど紙媒体では視線が「Z」を描くように移動していきます。この「Z」の導線上に訴求度の優先順位が高い情報を配置し、読み手にストレスを感じさせないことが読まれる効果を高めます。

以下は目線を意識したレイアウトの例となります。

▼目の動きを意識したレイアウト例

(引用:POPin’「チラシレイアウトの基本|見やすくする7つのコツ&テンプレサイトも」)

まず①から②へ向かってインパクトのある写真と訴求度の優先順位が高い情報を配置し、炭火焼のやきとり屋のオープンを印象づけます。次は②から③に視線が動くので③には「無料クーポン」を配置しお得感をアピールします。最後に③から④へ視線が動くので「店舗の基本情報」を配置し印象づけるといった流れとなります。

(4)テキストや写真は読者の読みやすさを意識して配置する

まとまりがないテキストや写真の分かりにくさを解消することで、読まれる可能性を高めるため、最後まで読んでもらえない結果の回避につながります。

読者はテキストや写真からも、このチラシが自分の興味・関心とマッチする点があるかどうかを判断するため、読者をひきつけるためにはぱっと見で読みやすそうだと判断される配置が重要となります。

読者から読みやすそうだと判断されるために必要な要素は以下のものが挙げられます。

・情報はグループ分けして提示する。
・文字を左揃えに統一する。
・テキストや写真の並びを整列する。
・写真は明瞭度と解像度が適切なものにする。

▼読者の読みやすさを意識した配置例

▼読みやすさを工夫したポイント

①タイトルのフォントと色を1種類にし、店舗の雰囲気に合わせる。
②メニューを「スイーツ」と「ドリンク」の各々にまとめる。
③「スイーツ」「ドリンク」各々で画像の大きさを統一し、配置箇所をまとめる。
④メニューのテキストについて色・大きさを合わせ、左揃えで配置箇所をまとめる。

読者を意識したレイアウトに変更すると、見やすさが変化することが分かります。

(5)フォントや配色は適切なものだけに限定する

チラシの読みやすさはテキストや写真を適切にレイアウトするだけでなく、使用するフォントや配色にも工夫を施すことで読みやすさの効果を後押しし、読み手が読むことを諦めてしまう状況の回避につながります。

▼読みやすさの後押しになるフォトや配色の工夫

(フォント)
・チラシの雰囲気に合わせ2~3種類を使用
・訴求度の高いものは大きさや太さを調整し、メリハリをつける

(配色)
・使用するカラーは基本3色
・配色のバランスは70:25:5
70%(背景や余白など基調となるベースカラー)
25%(伝えたいイメージを連想させるメインカラー)
5%(強調したい箇所に使用するアクセントカラー)

▼「70:25:5」の配色例

フォントや配色にも見やすさのひと工夫を施すことで、読まれやすいチラシへと変化します。

▼70:25:5の配色比に近いチラシサンプル

・チラシサンプル①

・チラシサンプル②

上記のようにレイアウト設計では配色にも気を配り、読み手の見やすさを意識することで、読まれる効果を高めます。

4.まとめ

チラシのレイアウト設計は適切でないと、そもそも読んでもらえなかったり、読んでもらえたとしても途中で離脱されたり、こちらの伝えたいことが伝わらないまま失敗に終わってしまいます。

チラシのレイアウトで失敗しないためには、まず目的とターゲットを決め、どんな情報を掲載するのかを考えるとともに、読み手が読みやすさを感じられるレイアウト設計が必要になります。当記事で紹介した失敗例をもとに「なぜ読まれないのか」を解消し、読まれやすさを高めるポイントを押さえることが効果を高めるレイアウト設計につながるでしょう。

当メディアでは。オリコミ・ポスティングに役立つノウハウやコツを紹介しています。その中でも「チラシのレイアウト」に関連した記事を用意しましたのでこの機会にぜひご覧ください。

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